生徒会2トップ

7.生徒会2トップ

こないだ風紀の副委員長に襲われた日、目が覚めたら自分の部屋にいた。副委員長が運んだんだろうけどやっぱりあんなことされたのを思い出すと腹が立つ。風紀があんなことすんのありかよ。身体が綺麗になってたのも腹が立つし、あの感覚を時々思い出して身震いしてしまう自分にも腹が立つ。あー…くそ。


…今日は約束があるし、こんなことをぐだぐた考えてるのは無駄だな…時間もそこそこだし行くか。

***

「悪い、待たせたか。」
「いえ、俺もさっき来たところなので。」
「そうかなら良かった。」

今日は香村さんとこないだ借りたカーディガンを返す約束をした。
クラスとか全然知らないから連絡先交換してもらっといてよかったな。
「あ、これありがとうございました、一応洗濯だけしてあるので。」
「あぁ…ありがとう。」

用は済んだし寮に戻るか。
「あの、これから空いてるか?良ければすこし話さないか…?」
「いいですよ。」
良くしてもらったし、予定もないしこのまま帰るのも味気ないか。



「へぇ…それじゃああんまりクラスには行ってないんだな。」
「あー…そうですね、あんまり。」
裏庭のベンチに座って雑談、当たり前だがいつもと違い不良に絡まれることもなく穏やかな時間が流れる。

「…その、俺はあんまりこう親しくする後輩もいないから、出来れば御子柴と仲良くしたいと思うんだが…迷惑じゃないだろうか…?」
「いえあの、俺は全然迷惑じゃないんですけど…。」
むしろ香村さんと俺が仲良くなんてしていいんだろうか。
「なら!俺はもっと気軽に話したり飯を食べたりする仲になりたいんだ…その、名前で呼んだり、お前になら敬語じゃなくてもっと気軽に話してほしいし…。」
「はぁ…えっと…香村さんが良いならそうさせてもらいます…。」
「…っ本当か!」
「え、あ、はい。」
「じゃ、じゃあ…俺のこと…名前で呼んでもらえないか…。」
「…飛鳥先輩、でいいですか?」
「…あぁ!じゃあその…お前のことも眞凪って呼んでいいか?それとあと、お前なら敬語じゃなくていいし、とゆうか普通に話してくれ…。」
「えっと、じゃあ、うん。」

飛鳥先輩は小さく眞凪…まな…と呟く、なんか怖いけど。
なんか一気に距離が縮まった感じがするな、うん、こんな親しげな先輩とか出来たことないから新鮮。


「飛鳥、ここにいたんですか。」
「……暁斗…。」
「書類を出した帰りだったんですが声が聞こえたんです、仕事を抜け出してなにをしているのかと思ったらまったく…密会中ですか?」
「みっ…違う、こないだカーディガンを貸したんだ、それを返してもらう約束をしてただけだ。」
「へぇー…珍しいですね、飛鳥がそんなことするの。」
「別に、そうゆうことだってあるだろ。」


飛鳥先輩、わざわざ仕事抜け出して来てくれてたのか、なんか悪いことしたな…。てかなんの仕事…?

「飛鳥先輩、なんか仕事邪魔してたみたいでごめん。仕事いって。」
「え、あ、もう行くのか…?」
「あー…先輩なんかの仕事抜けてきてくれてたみたいだし、邪魔してたら悪いから、俺もう行く。」
「…邪魔されてなんかない!……でもそうだな、俺もそろそろ行かないと行けないから。…また会おう。」
「うん、また。」

飛鳥先輩に別れの挨拶をしていると先輩を呼びに来た先輩と目が合う、ぱちり。
飛鳥先輩を呼びに来た先輩がにこり。

「さようなら。」
「…さよなら。」

飛鳥先輩を呼びに来た先輩がにこにこで挨拶をしてくれる、なんか、王子様って感じだな。愛想良いし。

先輩2人に背を向けて寮へ帰る。

てか、飛鳥先輩を呼びに来た先輩って長いわ。

***
「あの子、飛鳥が生徒会長なの知らないの?」
「あぁ…みたいだな。」
「珍しいね、飛鳥が知らない子に自分の服貸したりするの。」
「別に、そうゆうことだってあるだろ。」
「ふーん…そうゆうことねえ…。」
「なんだよ…。」
「はは、なんでもないよ。」
「……。」



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