長の2人
今日は裏庭のベンチに寝転がってる。ぽかぽかあったかくて昼寝日和だ…なんか金持ち学校だからベンチもでかい気がする。
少し前に風紀委員長に会ってから男に襲われることが何回かあっていい事なかったからな…久しぶりに良い気分だ。
あー…なんか眠い……。
***
「…ぃ、おい、こんな所で寝るな。風邪をひくだろう。」
「……あんた…だれ…。」
突然肩を叩かれて起こされたと思ったら、そこには超イケメン。全然頭回んねえ。誰だ。
「俺は香村飛鳥だ。お前の名前は?」
「…みこしば……まな。」
「御子柴か。最近暖かいとはいえ、こんなところで寝てると風邪をひいてしまう。」
「…もうちょいしたら。」
「とりあえず座るんだ、ほら。」
寝起きが悪くてぼやぼやしてた俺を香村さんが腕を引っ張って起きあがらせた。力つえー。
その後香村さんは自分が着てたカーディガンを脱ぎ出した。え、なに怖い。
と思ってたら俺の肩にかけてくれた。
「そんなんいいです、香村さんが寒くなりますし悪いです。」
「……良いから着てろ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
実は起きてからちょっと肌寒かったのでありがたい。暖かいしなんかいい匂いする。お礼を言おう、と思って香村さんのほうを見ると。
「……な、なんだ。」
「いや、かっこいいなと思いまして。」
「な、ななんだ、突然!」
なんか顔が赤かったんだけど、なんかそれを本人に言うのははばかられて。適当にかっこいいって言ったらさらに焦りだして。いやかっこいいんだけど。なんか目をカッと見開いて。病気?
「あれ、御子柴じゃねえか。久しぶりだなあ。」
「げ……。」
「み、御神…。」
まさかの風紀委員長登場。めんどくさ…。
「なに、2人って知り合い?」
「いや、寝てたら起こされた。」
「ふーん、そうなんだ…まあいいや。そんなことより!せっかく久しぶりに会えたんだし、連絡先交換しよーぜ。」
「はぁ……?しないけど。」
「えー。いいからいいから。」
ひょい
ポケットにいれてたスマホが風紀委員長の手に。……とられた。なんか操作されてる。
ぽいっ
「うわ…投げんなよ…。つーかなにしたんだよ。」
「俺の連絡先入れといたから、いつでも連絡してくれていいぞ。」
「は?しねーよ。」
「つれねえなあ……どうした香村、羨ましいか?あ?」
「べ、つにそんなんじゃない。」
なんだよ羨ましいかって……初めて会ったやつの連絡先なんて別にほしくねえだろ、しかも俺の。にやにやすんな。
「ふーん…ま、俺はライバルが増えなくていいけどな。」
「なっ…くそっ。……御子柴、俺とも連絡先を交換しよう。」
「え、あ、はあ…いいですけど。」
「おい!俺のときは嫌そうにしてたのに香村とはあっさり交換すんのかよ!」
「まあ…カーディガンも洗って返さないとだし。」
御神は不機嫌そうな顔をしてたけど香村さんと連絡先を交換した。
香村さんはなんか、ちょっと嬉しそうな顔をしてた気がする。
***
(あーあ、せっかく連絡先交換したのに香村ともされちまったし…次会う予定もあるみてえだし……。もっと積極的にいくべきか…?)
(御子柴…とりあえず連絡先交換出来たし、次に会う都合もあるし…。……俺が生徒会長ってことは知らなさそうだったな。)
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