後書

フローレスの水槽はこれにて完結となります。
最後までお付き合いいただいた方、本当にありがとうございます。

序盤は家関係の面倒から逃れるために偽装婚約というそこそこベタなところから始まり、いつの間にか両想いになっちゃうベタ展開、最後だけ何やら五条さんも夢主もイマジナリー夏油さんに語りかける不思議な感じで閉じました。
イマジナリー夏油さんは生霊とかそんなんではなくて、記憶の中にある『あの人ならきっとこう言う』を繋ぎ合わせた存在として書きました。なので、離反前にリアル夏油さんが言った台詞がちょいちょい混ざってたりします。記憶の断片を繋ぎ合わせたものに都合のいいことを言わせる虚しさはあるかも知れませんが、それによって心を整理して前を向けるのなら事実でないことが何だと言うのか。
シェイクスピア発言は「ハ?」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。ジュリアス・シーザーの別れの言葉を一部引用しています。5幕1場の「再会出来たら笑って会おう、出来なければこれが最後」という部分で、以前どっかで見た(←忘れた)好きな訳を引っ張ってきました。

うお、五条さん夢なのにちっとも五条さんの話をしていない。エピローグは1組の鉤括弧に収まる五条さんの長台詞のみという形に、気付いたらなってました。
嫌いなオジサン・オジイサン達の前で五条さんが本心話すかなぁと疑問に思う点もありますが、どうせ(恐怖心で)誰も聞いてないだろということで思いの丈をぶちまけてもらいました。
アップルパイを買って奥さんのところに帰るといい。
実は短編の『逃亡』に出てきた「私と逃げて」は最初フローレスの中で使おうと思っていた台詞でした。でも話が進む内にここで夢主が逃亡教唆したら話の落とし所が無い…となってシングルカットした次第です。

今日これを書いていて、明日はいよいよ映画公開というタイミングです。間に合って良かった。
ついでにイメージソングを列記します。

us / milet
憂一乗 / ヨルシカ
春雷 / 米津玄師

改めて、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

2021.12.23




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