【寒天問屋】


半兵衛



「半兵衛はんだす! 美濃志摩屋はん処の倅が怒鳴りこんできたとかで、もう、うちに寒天は卸せんと」

 善次郎の声に、和助は苦笑した。

「ああ――彼処は普通の寒天やからな。しゃあおまへん。よそ探そか」
「えっ」
「何や?」
「ま、松吉を修行に出すとか、これまで貯めた銀二貫を半兵衛さんに渡すとか、他にやり方ありますやろ」
「忘れとった! よし、それでいこ」
「……ええぇぇ」


半兵衛さんに銀二貫↓
松吉が修行に出された↓
奉公人の負担倍増↓
旦さんの頼り甲斐急落↓


 





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