【寒天問屋】
梅吉
「梅吉だす」
善次郎がきっぱりと云いはなった。
「えっ。今のはどう聞いても番頭はん……!」
「わては隣に居ました。ハッキリ聞きました」
梅吉は焦って松吉を見た。松吉は番頭を見た。ごくりと唾を飲み込む。
「梅吉、の声に似てました」
「梅吉! なんちゅうことを――」耳の遠い和助には正直なところ誰かわからなかった。
「よう云うた。よう云いましたな、松吉! 梅吉、旦さんに謝りなはれ」
「ええええ……」
番頭の信頼度ダウン↓
松吉の信頼度ダウン↓
梅吉が養子に出される↓
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