【寒天問屋】






 善次郎は厠の扉を激しく叩いた。

「旦さん。早う出てくれなんだら、後ろつっかえてますねんで!」
「もう出るわ。ちょっと待って、腰がな……」
「たのんます。番頭はん。わて。わて、もう、」
「隣の店に頭下げてこいゆうたやろ、梅吉。な。何をしとったんやっ」
「番頭はん。脂汗が……。わては、わては裏庭で」
「あきまへんで、松吉! まだや。それは最終手段や!」
「ふう。待たせたみたいやな。すまんすまん」
「松吉、あんさんが先や。先、ええから先行け! 早う!」
「へ、へぇ……!」
「番頭、はん。あきまへん。わては、もう。アカン。目の裏に、三途の川が」
「ええか梅吉。松吉が出たらな、すぐやで。すぐや! わ、わては隣の店に行きますんで。旦さん。店番」
「うんうん。任せとき〜」


旦さんの体力が上がった↑
旦さんの気力が上がった↑
番頭への信頼度がアップ↑
奉公人の体力がダウン↓


 





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