「こっち向いたら、わてがお手本見せたる」
「わ。わてはまだええんだす」
和助はにっこりと笑った。
「せやな。顎やら襟やらを剃るより、得手物の額際をわての名刀で逆摩りに――」
善次郎は耳だけ器用に赤くなった。
「昼日中から何云うてまんのや。切れ痔やて断ったでしょうが。剃刀あてられただけでチビりますって」
「ええから膝拡げ。あんまり駄々こねるんやったら女郎買いに走るで」
「髪結いに払う金も惜しんでる状況で何を――アッ」
廓に行かなかった分を貯蓄↑
善次郎のツンデレ度アップ↑
旦さんの機嫌がアップ↑
旦さんの体力がダウン↓