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2022/08/29 

本サイトblog

です。


2021/01/12 

初夢と言えるかわかりませんけど、老紳士が家を訪ねてくる夢でした。お相撲さんのDVDセットすすめられ、「よ、よ、四万七千円(税抜き)?! 高い!」と断る。譲ってくれるというので、押し売りではないんですけど。いや僕の時代にはもっと高かったよ……と寂しそうなので、非常に断りづらい。私、人生の大半祖父母宅だったので、相撲死ぬほど見てるからなあ……本場所には行ってみたいって家族にねだったし相撲好きの友達にも誘われたけど、タイミングなくて。一人だと機会なければ縁がなさそう。

確かに昔は30分映像のVHSが一万円だったりしましたもんね。あと友達の家で一枚絵のホームページ開くのに二時間かかって500円だった。しかし不便は覚えてもうて便利は忘れる。大人ほど贅沢なもんです。

それとね、こんなのもあるよ! とチンギスハーンの本を薦められたんですけど(現実にはない)、「すみません。表紙の夕日、私も実はあんまり好きやないんです。それより月夜のこっちの表紙の本が気になる」とか、「53万円のベッド? 12万円のダイニングセット!? あの、バブル通ってきてないんです。もう少しリーズナブルなものお願いします」とか、なんやかんや話してて。

「リストにしてきたんだ」と几帳面な字で十枚ほど……ウン。しゃあねぇな。私も似たようなタイプだから付き合ったるかと思って。「えと、これは好きですね!」「うん、これはいい気がしますね!」「こっちいいですね!」「これはようわからんですね!」「面白いですね!」。

途中であしらわれてると思ったんでしょうか。「興味ないのにごめんね……」。いやいやいや、そんなもんわからんですよ。私なんざ人に言われなきゃ興味の幅薄いですからね。周りが幅広いからなんとかなっとるだけで。たぶんネットもテレビもない時代なら休日とか延々寝とる派でしたね。アウトドア無縁なので。

「昨夜ね。恐竜の標本もって、若い女性が古代文明について熱く語る番組やってましたよ(これはホント)。恐竜とかあつもりでしか掘ったことないけど、全然興味ない話について語るその子の、面白くって仕方ないって顔はホンマに楽しそうで、ちょっと興味も湧いたりして話を聞くのは面白かったです」って言ったら、照れたようにニコニコ。

「お相撲さんだけ、置いていっても。いい?」「いりません。もって帰ってください」「……」「ほしいひとにあげてください。この世は広いので、もっと語るにふさわしい人がどこかにいるはずです」。苦笑しながらもご機嫌でシブシブ帰ってくださいました。ああよかった……。

今年は相撲創作でもやるかな? 北斎の相撲絵にハマって仏像絵と一緒に描きまくってた同級生とかいたけど、お相撲さんかあ。思いつかん。




さすがに日常テンテコマイで。ネットはもう一年、閉じると思いますがあしからず。ま、明日のことはあしたのことだぜい。



2021/01/07 

太陽の和尚と月の和尚まとめました。いろんなものが年々半端に増えていくので、どこかしらに萬(よろず)サイトつくります。ステイホーム日記もそのうち格納庫に収納できたら。

とっても寒いですね。肩ホットン系を利用してなるべく温かくしてますが、大丈夫でしょうか。四月はまだ楽しむ余裕がある感じでしたけど、初期頃のニュースだけでなくネット上もだんだん叩き合いになってきましたね。テレビあかんとなってネットもあかんとなったら、逃げ場は紙媒体とラジオでしょうか。イラスト界隈は盛んで賑やかでホッとします。もう理屈っぽいのしんどいわい。

世間の空気が一旦こうなると、管理人のような頭お花畑にはよく石が飛んできますので。種集めにいそしんでます。世の中には精一杯ひとの咲かせている花も、平気で踏みにじるような輩もゴマンといるものです。咲きかけのちいさな花の紹介をする人や、萎れかけの花に水をやる人間は奇特だと馬鹿にされます。なんで大昔に絶滅した花の話をすんのやと。

そこに花があったから。今から生まれてくる新しい花は咲き方を知らんから。話すことで咲いたり枯れたり、それくらい弱々しいもんもようけあると思うから。

そのかわりうまくできてるもので。実情は瀕して貧していたとしても、和やかに穏やかに誰かを愉しませよう、慰めようとしている人もいるし。そういう人を見て襟元を正したりする人も出てくるもんじゃなかろうかね。知らんけど。



そういえば大好きな科学者の方(同世代)が、この人やけに明るいなあ。と思っていたら、若い頃の話をしていまして。主食がパンの耳だったことから始まり、ド貧乏だった幼い頃の思い出からぶっちゃけていて面白かったです。底抜けに明るいひとほど闇が深い。油断していたら急に「怖い話します?」と。

現実的に考える職業の人が話す心霊話ってホンマに怖いっすね……前提として「これ、あり得るんかな?」という意識で立ち向かうので、消去法していくわけじゃないですか。少なくとも私はそうですね。まあ動画時代になってこの手の話はやりやすくなりました。活字は書き手の裁量いかんで脚色が自由なので難しい。確証はある。証拠がない。

私は疑り深いので必ず二度三度確認するから。隣に巨大な腕が寝てたことあったんですね。腕だけね。真っ昼間で、女の人の腕なの。幻にしてもあんまり長いので、最終的にめんどくさくなって寝かせといたけど。あれ本当になんだったんだろう。怖くはないけどランキング25には入る謎な現象だった。

で、動画の話では聞き手も一人は元自衛官の方だったので肝座ってまして。「ああ僕もちょくちょくありますよ」。云々カンヌン。怖すぎ。完全にあかんやつ。あと共通点がみんな反撃しようとする笑。私もアカン系のやつに遭遇したときは武器持ってたんですけど(一太刀あびせたくなって……)、一般的にはどうなんでしょうね。でも万が一人間だった場合には御札より断然効くでしょうから、合気道習うのが一番の解決法だと思う。ま、置いといて。

そのお話のなかでは、その場で確実に見たはずのものがなかった。という共通点がありまして、「ああ」となりましたね。部屋とか物とか、スケールは小さいんですけど。私はまるごと「絶対にないはずの場所」まで行ってしまったことがあって。いわゆるなんだろ、都市伝説的な話で、いろいろあるじゃない? 駅とか村とか神隠しとか。あれに近いけど、もっと現実的な話で。

そのときは自分の名前まで思い出せなくなった。しらふなんですけど。そうなると「帰れるんかな」って話ですよね。まあここに書いてるから帰ってきてるんだけど笑。なかなか見たもの感じたこと聞いたことに整理ができなくて。結論として、「ま。そのうち忘れるやろ」。

人間ってホントに忘れるんでありがたい。ただあれがホンマに「そういう場所」だったのなら、電柱だけは確実になくなりますね。地中に埋めるとか無理でしょ(ヾノ・∀・`)ってずっと思ってたけど。でも冷静に考えたら、今の世の中にあるものって、百年前には無かったものばかりだものね。わたしも。あなたも。おじいちゃんはあと数年で「いや、僕はおりましたよ」となるんだけど笑。

必要不必要でいったら、この世に必要なものなんて何ひとつないのかもしれません。お釈迦さまなどは「必要無いものはこの世にない」っておっしゃるから、ややこしいけどね。疫病ひとつだけでは昨日今日がまるきり変わることはない、と私は思いますね。気持ちひとつはコロットコロコロ。

気持ちひとつよ。


2021/01/03 

演芸図鑑もうちょい見たかったな。舘ひろしさん声に深みが出ていて、ものすごくいいですね。石原軍団あまり意識して見てきてないんですけど……渡哲也さん「おまえ最近、芝居がうまいな。うまくなっちゃ駄目だ」……これ名優さんは必ずおっしゃいますね。

「役をまるごと演じるって意味だったのかなって」。そうね。まるごと。うまいのが悪いって話やないと思うんですよ。でも国内教育のボタンの掛け違いでね。達者になると必ず「アッ」となる。これちゃうなと。自分がまず気づくんですね。で、見てる人もしばらくして気づく。作りては特に鋭いから、自分でもわけわからん大作の絵画とか描いてたら「ここがちょっとね」なんて物言いがつく。くずさないといけない瞬間。

オーケストラの指揮者の方が日本の小学校を見回って、「ウウン……君たちとてもエエがな。でもノンノンね。バイオリン置いて。ここで音楽鳴らすから、音に合わせてとんで?」というと、皆カチンコチンにかたまる。しばらく跳ばせて遊ばせて、子供らしくキャッキャ言い出したら「たけしくん、ハイ! バイオリンとって!!」のびのびした音。めちゃめちゃいい。

写真もオート(自動)での撮りかたから教えてしまう教室教育では、たとえ新しいものが生まれてたとしても気づけないんだよね。漫才論争はある程度しゃあないと思うけど。やっぱり関西のお客が増えすぎたんですよ。瞬間視聴率36%とか幻のダイオウイカ並み。侃々諤々いうまでがお笑いになっている。スポーツとちゃうけどプロレスみたい。関東のひとホンマごめんなあって気持ち(同業者はともかくお客の側がしだすと閉じちゃう)。

こうした「意図的な崩し」を外側でやってくれると助かるから、俳優さん役者さん、アイドルにとって芸人さんは宝物なんだと。あと、これからは三次創作四次創作の時代やなあと思います。出がらしが最大の旨味になる。どの分野ももっと内側から壊してったほうが栄える。やってるとこもあるけど、やるなとお触れを出しちゃったところも出てきてて。両方存在しないといけないけど、緩めたほうが新しく創れる。

いま楽しんでる最中だから大きく「どこのエンタメが」とは言えないけど、去年ほどコミックマーケットなかったの悔いてる年ないんですね。コロナおさまって体調よかったら久しぶりに行きたいな。鬼滅は私も3話まで3回見たクチなので、わからないままなんですけど(脱落しやすい構成になってるのね)。

流行りもんに出遅れる性質いややわ……勝手に気取ってると思われて孤独感あるし。ノロマなだけです。




いま、特に何したいとかないんですけど、これからは「空っぽ」意識するようにしたいなと思ってます。からっぽ。いいな。花を活ける前の花瓶。絵をいれる前の額。

エンターテイメントというのは、若者の特権と言えばそれまでなんですけど。オタクの言い換えで……なんやったけ……爆笑問題の田中さんがうまく例えてらっしゃって。太田さんが揶揄してたけど、オタクの本質を完璧に表してると思ったわ……言葉としては悪いので書かんほうがええか。思い出せないし。←気抜け連中でした。合っとる。腑抜けでもええよ!(否定せいや)

もう若いうちから、そのように消費しまくっているとね。あとに残るのは「虚無」なんですよ。なんのかんの消費世代だしね。10代20代でむさぼるように咀嚼してしまった。いけない、いけない、と理解はしてたの。ゲーム好きの子がよく使う言葉で「記憶消してもう一度やりたい」「キャラクターが死んだらショック受けてた頃まで戻りたい」というのがあるんだけど。

イメージのワクワクというか、理想の型を破れなくなるんやと思うね。セーブすべきやった。でも、まだ音楽があるなって。音楽ってすごくいいですね。環境音楽とかイージーリスニングしか聴いてこなかったせいか、なに聴いても面白いと思える。

大人になるにつれて少しだけ理解できた気がするけど、その道に「通ずるひと」って、別に意地悪しとるんとちゃうねんね。「面白いから最高にいい状態で味わってほしい」「善いものだし好きなものだから見て!」とハードル上げてしまうんやと思う。でも最初はね、きっと違ったんですよ。私は大体違うね。「なんやこんなもん」くらいに思ってるほうが、理解できたとき嬉しいし。その頃には廃れてるかもしれないけど、すべて外側の出来事ですから。

新鮮味が薄れたり、紋切り型にとらえたり。いろいろしたほうが、なんやかんや時間かけて、大きなものに育ったりもしますよ。たぶんね。


2021/01/01 

年末退屈すぎて、お笑い強者の皆皆さんにはどうでもいいようなネタに引っかかってしまった管理人です。あけましたねおめでとさん。

お笑い芸人、ジェダイの宮本のぶお52歳。「新たな舞台を探しにゆきたい」と看板番組を降板。登録者500ちょっとに足りないくらいのネタ系個人ラジオを配信している。以前は雛壇で目上の漫才師がガチすべりするときだけクワイを取りだし「クワイエット!」と叫ぶだけの暗澹たるお仕事を生業としていた。子供もおじさんもおねぇさんも笑ってくれなかったが、お手軽で短いシュールなギャグが高学歴の頭よさげなテレビプロデューサーに気に入られてしまった。以降なにをやっても右肩上がりで不倫も脱税も許されるポジション。ちょっとのスキャンダルより最も怖いのは客の拍手(理由は後述)。

『クワイ農家の桑井さん』という訳のわからない単発ドラマを民放の深夜番組に持っているが、ギャラが上がるごとに値段もつり上がる差し入れを考える手間が惜しいため、本人は一刻も早くやめたかった。休日はペットのポメラニアンを相手にアルプスいちまんじゃくをするだけで癒される、生へのモチベーションが極限まで枯れた人間。

嫌いなものは突貫工事で創った相方との持ちネタ漫才。介護施設のどさまわりで「絶対こんなん笑うやつおらんわ」と断言したのに、スタンディングオベーションで拍手まで起きてしまった。ファンの代名詞である『ジェダイの騎士』になると「腰椎骨折が五秒で治る」という噂を逆手にとり、特製オマルと簡易トイレを大量生産したが商品表示法の記載で訴訟問題を起こした。前後の脈略関係なしに「短い!」「長い!」「短い短い長い!」という合いの手がある。

カンペの「客、拍手」を間違えて「柏手」と書いたディレクターに「かしわで?」と冷静なツッコミを入れてしまったため、古参ファンが「カシワ」と叫ぶと一緒にパンパンしなくてはならなくなった。「頼むからもうやめさせて」とファンが創った会報で愚痴ったが最後、両手のマメの画像と共にネットで大量拡散。本人だけは五秒に一回ほど死にたいくらい悩んでいることを知っているため、「じゃないほう」と呼ばれ続けて30年目の相方、熊田ひとせは毎晩ゲラゲラ笑っている。

芸歴30年の実績は俳優業、監督業、作家業、動画業、司会業のほかに、半ば趣味でやってるナポレオンフィッシュの養殖業がある。ネット販売と品評会でどんな仕事よりも一番稼いでいるが、借りている店舗の名義が元嫁のため慰謝料がわり。税金だけ本人が払っているため実質月20万ほどの赤字。

ちなみに絶対音感ならぬ相対音感を持っているため、特技としてエーテルドラム(中国古代の西周王朝のチャイム楽器)を高速で叩くことができる。ラジオ内でカシワコールが起きたら絶対叩いてやろうと目の前に置いていたが、全然出番がない。特に宣伝もせず表舞台から姿を消した故に、完全匿名『いんこくさい』で愚痴配信するはめに。今のところ誰にもバレてない。新規ファンからは「爺や」「爺や」と慕われている。



今年もよろしくしないです。元旦挨拶はじめてまともに書いたかも。




2020/12/14 

先週ね、完全にオフラインで、ジャンルとも今までの何かとも全然関係ないもの書いてたんですが。

もうね。本当に楽しかったので、「あ。どこにも出さなくていいかー」となってしまって。あんまり楽しんで書くことがないので、客観的に見ておもしろみは皆無なんだけど。ウッキウキするわけ。

ただね、自家発電っていうのかな?

続きを書きたいんですよ。誰も読んでないし読ませる予定もないものでも、とにかく続きが知りたい。短いもので七話くらい書き終わって、おそらく続かないんだけどさ。

浮気性の日替わりランチが主人公なんですけど。

日替わりランチだから最初からマトモに人とつき合えると思ってないし、相手のことも理想化してないし、人間の根本も信用してないし、表向き優しいけど基本冷めてるんですね。

書きやす。わたし意外と日替わりランチの素質あるかもな。来世に期待しよ(行き着く先がトイレの気がする)。

で、浮気癖は大昔から知った上で、「気持ち伝えたし、どうこうなれると思ってなかったし、じっくり待つわ」みたいな「それどこの聖母マリア?」というご都合主義満載の相手がいるんですけど。

ちなみに推定90キロover180センチover熊みたいな体格の大男、容姿もイマイチ眼鏡っこ中身が乙女。恋愛経験皆無。不慣れな反応が可愛いだけが取り柄。

これをどうにかこうにか、くっつけたいなと……思ってたんですけどね。

そことは別に、熊を好きだったド派手ブランド男がいましてね。日替わりランチは彼のことが好きだった。一緒にいてしっくり来るのでね。

ただド派手は見た目だけで一途で純な面があるのも知ってて。「すきだけど、アイツは俺のこと選ばんやろな」ってのもお互いわかってる。

ド派手はド派手で日替わりランチを見て、「あ。アイツ俺のこと性的に見とるんやな。知らんかったけど知らんふりしとこ。熊も俺の気持ち知ってて知らんふりしとるし、おくびにも出さんし」みたいな、どこかこずるいような大人の駆け引きがあったと思うんですけど。

まあスパッと日替わりランチと熊を最初からくっつけたので、必然的にド派手は失恋したわけです。で、日替わりランチは熊と恋愛経験の差が噛み合わないので、1から恋愛を学びなおすわけ。よしよし、改心せいよ。

改心させるか、ランチつまみ食いして挫折するかは知らないけどやね。熊大事にしてやれよって感じで。まあここはプラトニックコース……本来の意味のプラトニックって、全然プラトニックじゃないんですってね? BL書いてる学生さんとかって、いきなりプラトンの講義とか始めたりするから面白い。プラトン語源なんですって。へえ。しらなんだ。

で、続きなんですけど(そろそろ脱落者出てる頃だな)。

ド派手はどうなるか、っていうと、「なんとなくそんな感じに纏まる気がしてた。俺は友達ふたり失うほうが堪えられへんかったから、まあしゃーない」と。ド派手はそうはいいつつも、日替わりランチから熊を奪うのかと思ってた。

まあ現実的に考えたら、気持ちがないのに尻尾ふるような熊であれば、最初から好きになってないでしょうし。諦めるしかないですよね。ごめんねド派手。ほんといいやつ。恋愛事のいいやつは何故報われないんでしょう。

で、「失恋した。日替わりランチと熊くっついたん」とふたりの友人知人に泣きつくんですが、まあケロッとしててね。明るくふるまって。コイツ本当いいやつ(何回いうねん)。

片方の友達は「知ってる……日替わりランチ……」ってなってるわけですよ。彼は仮に軍曹としときましょうか。私の描写で軍曹要素ないけど、しっくり来たので。「ええ!? 日替わりランチ好きだったの!? アイツ日替わりよ!?」とお互い傷の舐めあいみたいになるんですけど。

彼は彼で日替わりランチとド派手がくっつくなら仕方ない。諦めよう、って思ってたわけですね。軍曹は仕事の関係性もあって、日替わりランチに報告受けていたくだりがある。うわあ。地獄。で、「どうせうまくいかんかも。俺、日替わりランチやし」ってちょっと不安になってる日替わりランチを慰めたりもしてる。

「日替わりランチをやめたらええやん。もう熊だけにしとけよ」とか言いたいんだけど、言葉がでない。なんで俺が応援せなあかんのや状態。「え、だって熊どうやって落とせばいいんやろ。恋愛モードになったとたんに俺のこと嫌いになるかも。俺のほうも女しか知らんし」とか、もうカップルになってるのに今から恋愛モードに持っていくんですから。単なるノロケやな。帰ってよって話で。

で、話をもどして(長いぞこれは)。

失恋したふたりを見ている無関係の知人が淡々と、「そうかあ。そりゃ災難やったね」みたいに、何事もなくお酒ついでくれるんです。あくまで理想ですね。この人は男性女性関係なく恋愛事に縁がない一般人。若い頃からハゲてることが悩み。

で、ド派手も、(あれ? あんまり驚いたり、根掘りはほり聞いてこんな)って。ド派手の横では軍曹が相変わらずさめざめと泣いてるんだけど、(こいつと軍曹、話も合うよな。講義みたいな調子で。性的にどうのこうのというんやないけど、俺と軍曹やと永遠に酒飲むくらいで浮上せえへんし。慰めてやってくれんかな)と少し思って。

ド派手。いいやつなのかお節介なのかって話ですけど。ここでこの一般人を薄毛としておきましょうか。

ド派手が電話をしてると、薄毛は優しい。薄毛気にしすぎてネガティブなところがタマに傷。薄毛ええやつやな。軍曹のことはもうええわ。ウン。俺が慰めてもらいたいな。ちょっとご飯多めに誘ってみよかな。

ド派手もそこのところ上手いですから、押したり引いたりで薄毛を翻弄できるんですね。薄毛はゆうて薄毛なこと気にしてる以外に、本人がネガティブになる要素はないですから、好き好きって押したら勝ちというか。まあ恋愛も勝ち負けやないにせよ、わりと自然に持っていけると思ってたわけ。

ところがガチの恋愛モードに入ると、急にしゃべらなくなる、押さなくなる、テンション下げて別人みたいに静かになる人っていますよね。いるんですよ。いるはず。いると仮定して。いたとしたら損ですので改心して(日替わりランチよりマシでは……)。

そんな感じに全くしゃべらなくなった。うわ、ド派手いいやつなのに、熊にも日替わりランチにもよう行かんかった理由はこれかと(自分の脳内妄想でもここまで来ると本当に続きが気になる)。

明るいし元気やし男気もあるしで、すぐお相手見つけられると思ったのになあ。うーん。

ここで詰まったんですけど、どうしましょうかね……リアルによりすぎても面白みがないし、客観的に読んでもイマイチなので、本当に自己満足の産物なんですけど。

ちなみに薄毛にはド派手のミステリアスな一面が大ウケしてて、「え? なんで俺なん!? ここで俺にくるの? ウソー!! やだあー! どういうつもりで!? いやっ、ええっ? いいの!? このひと前から可愛いとこあるなと思ってたりしたよ!? で、でもな!?」みたいなテンションの差があります笑。

恋愛未経験のときは自分が対象になってると知っただけで、大いに慌てる感じあるでしょ。それ。薄毛はこれから楽しい恋愛モードに入っていってくれたら、個人的にいいなと思ってます。

ド派手と日替わりランチはしっかりしてくれ。軍曹だけかわいそう? いやマイノリティの渋滞がおきてるので、軍曹はもう仕方ないかなって。仕事忙しくて恋愛どころちゃうしって拗ねててくれるほうが、書き手は楽でよいなあ(酷い)。

ちなみに適当に打ってたせいで流れのまま熊が右、ド派手右です。ね、前途多難なにおいしかしないでしょ。



2020/08/24 

【星のニシダリアン3】

ニシダリアンはかんがえた。ヨシオが波打ち際で、毛繕いをしている。空には満天の星空。故郷の遠い薫りはこの小さな手から、こぼれ落ちていく記憶の彼方。

「わん(ニシダ)。わんわわん(この島を、出ていくんだな)」

「ああ……ゆるせ相棒。俺は。俺はここを出ていく」

「わわん(そうか)」ヨシオは日中の暑さも冷めやらぬ、砂浜でふせをした。「わわんわん(オイラのことは、気にするな)」

ヨシオはすっかり日の落ちた山々の連なりを見つめていった。「わんわん(夕陽、きれいだったな)。わんわわんわん(夕陽を見るたび、オイラを思い出してくれ)」

「俺は、夕陽はあんまり好かん」ニシダリアンはこまった顔をした。「故郷の星は、燃えてもうた。夕陽はきれいやけど、人の顔が赤く染まるやろ。俺は……好かんのや」

ヨシオはハッとした。「わおん……(ニシダ……)」

ニシダリアンは首を横にした。

「まあ、ヨシオと見る夕陽は好きや。夕陽でも、朝日でも、夜の星空でも」ニシダリアンはいいさして、迷ったように考え込んだ。「いや。やっぱり星空もちょっと。隣の星にいたコワモテのヤツが、お母さんに突き落とされて星になったから。星空はやっぱり、アイツのこと思い出してもうて……朝日は朝日で、また帰る星もなく一人でこの世をさ迷い歩くのかと思うと、今日一日がゾッとして……」

そのとき、どこからともなく砂を蹴る足音がダダダダ! と二人に近づいた。

ヨシオがWAONと叫ぶと道寺、マリアの足蹴がきれいにシャフトした。ニシダリアンはふ頭が弧を描いて視界から消え行くのを、スローモーションで確認した。

「にゃおーん(なに、柄にもなく神妙な顔してんのよ!)」

ニシダリアンは軽く脳震盪を起こしていたが、舞い散るお星さまの向こうで、マリアの素敵なオッドアイがキラリと輝くのをはっきりと見た。

「にゃにゃにゃおーん(あんたが、あんたこそが素敵な朝日も、夕陽も、星空も、故郷の住民の代わりに覚えててあげなさいよ)。にゃんにゃん(あんたのマブタにうつる美しいものが、あんたという人格をつくっているのよ)。にゃおーん!!(あんたと目を合わせたひとが、心を通わせたときだけに映る光景があるのよ……!)」

声にはエコーがかかっていた。(ホンマもんの、マリアさまや……)とニシダリアンは遠ざかる意識のなか、ヨシオのとめる声も聞かずにおのれにのしかかる、マリアのふかふかな体温を味わっていた。

「にゃにゃにゃおーん!(忘れないでニシダ! 忘れないで!!) にゃおーーーーーん!!(あんたの故郷は、あんたの星は、いつでもあんたのものよ!! 忘れないで!!)」

ニシダリアンはかんがえた。俺の故郷は、ここにある。俺がいるところが、俺の想いの果てにあるものが、故郷の星の物語なんやと。



星のニシダリアン序章完結。つづくかも?


2020/08/24 

続きました。

【星のニシダリアン2】

ニシダリアンはかんがえた。この星、暑いっちゅうねん。このまま自然派サウナに浸かっていたら、俺のぷよぽよボディも干からびたサキイカみたいになるっちゅうねん。ニシダリアンは涙した。

二十年前ならひっそりと涼む場所を探して、夜中のレンタルショップに駆け込んだ。コンビニより安全で、本も読めて音楽も聴けたあの場所も今はもうない。ここは小豆島。都会の皆が「スターボックスがないなんて田舎よねー」なんて笑う辺境の街中が異世界のよう。

ニシダリアンは誰かが落としていったフェイスガードを足元に敷き、かわいいフレンチブルドッグのヨシオに時代遅れのスカーフを巻きつけ、坂道を滑り落ちていった。

「ヨシオ! ヨシオ、ここは灼熱地獄や。俺を氷の楽園へ連れていってんか!」

ヨシオは体長20センチのニシダリアンにWOWOWと吼えた。途中で三毛猫のマリア(雄。十五歳)が彼の行く手を阻んだ。

「にゃあ……(お待ちなさい、ヨシオ)。にゃにゃんにゃんにゃん、にゃにゃにゃんにゃん(貴方の後ろにいる空き缶サイズのおっさん型オモチャ。今日こそアタイによこすでやんすよ!)」

「わんわん、わわん、わんわ、わん(いくら綺麗な猫のお嬢さんでも、それは聞けねぇなあ)。わわわ、わわんわん、わわわん、わん(このおっさんとオイラは、兄弟の契りを交わしているのさ)」

ヨシオはマリアの猫パンチを避けて、古びた駄菓子屋に突入した。ニシダリアンは人形用のサングラスをはずすと、生け垣で悔しがっているマリアに投げキッスをした。

「また、遊ぼうぜ可愛いこちゃん! 僕の前世はイタリア人。茹で蛸みたいな肉体を冷やし終えたら、君が大好きなマタタビを手土産に持っていくよ!」

マリアは「にゃんにゃんにゃおーん(おとといきやがれ、おっさん型マトリョーシカめ)。にゃおーんにゃおーん(薄皮の下、必ず暴いてやるからな!)」と叫び返した。

駄菓子屋では通称もったいないおばさんと呼ばれる店主が店番をしており、「あら。いらっしゃい。待ってたよ、ぷうちゃんとヨシオ」と二人にかき氷を振る舞ってくれた。

ニシダリアンはぷうちゃんの呼び名で、もたこさん(もったいないおばさんの本名)に、五十年前から可愛がられていた。

「もたこ。おまえも出会ったときはピッチピチの高校生やったのに」ニシダリアンはお手製の座布団に座った。「今じゃ俺によくしてくれたおまえのお袋さんも墓の下。息子家族も離島。こんなに厄介になるはずやなかったのに、すまんかったなあ」

もったいないおばさんはニヤッと笑った。「別れの言葉みたいだね。……ということは、例の計画。佳境に入ったんかね?」

ニシダリアンは汗だくの体にキッチンホースで水をかけてもらいながら、水桶の中にヨシオと氷の山に浸かりつつ、ニヤリと笑みを返した。

「おう! やったるでぇ。苦節半世紀かけて仕込んだ全人類ニシダリアン化計画。この地球、ニシダリアンのもんじゃい!!」



……続けられたら忘れた頃につづくかも?(いつも通り何も考えてない)



2020/08/19 

『星のニシダリアン(仮)』再翻訳しました。五年ぶりくらいに使ったんですが、DeepLというところがすごくいいですね。

原文
再翻訳1←エキサイト翻訳?
再翻訳2←DeepL

再翻訳は昔ふいに思いついてブログ内でやっていたんですが、なかなか好評でジャンル内で二人くらい真似ていただきました。自分の書いたものを日本語→英語→日本語に直します。YouTubeでも面白替え歌にしてる方などいらっしゃいますね。

翻訳機械はなかなか進化しませんね……そろそろドラえもんができてもいいころだ。ホンヤクコンニャクができたら、世界の繋がりはもっと……いや、混乱すると思う。猫型ロボットが急に話し出したらのび太と喧嘩するでしょ? ただ、うまくいけば友情が芽生える。そういうことだと思うのです。


2020/08/19 

今回長すぎたのでジョリーネタと笑劇会ネタに分けました。。→ブログネタ

あと白黒お笑い合戦? 書いたら終わりです。書けるのかな。

ネタで一万字制限に収まらなかったのって初めてで、二つに分けてもまだ入らんかった……ホンマ最近あかんなって……真面目な小説は長くてもいいんですけど、ネタが長いのは下手の露呈である。精進します。おつきあいありがとうございました。

水谷さんネタはアウトアイドルに名前だけ出したのみです。一徳さんと仲良い三人衆で揃えました。再放送で見ていた『傷だらけの天使』が好きで、そっちネタでもいいかなって思ってたんですが……『相棒』は一徳さんとの関係性に言及しているお姉さま方が結構いらっしゃったので、まあ若い人にもわかるネタの中間地点で……刺繍は私の趣味なだけです。

ジュリーネタを山ほどレクチャーしてくれたオユミさん(母)に感謝を捧げます。


2020/08/19 

「――で」花菱会のマザー・テレサ、森島は落ち着いた低い声で淡々と話した。「あんたたち、笑劇会の会長さんにどんな爪痕も残せなかったってわけなのね」

中田とジョリーとユカタはそれぞれソファに座りながら、お互いに明後日の方向を向いていた。

「あー、ボク。締め切り前だった。先に帰るわね。ほんじゃ!」
「待たんかい。あほたれ」

ジョリーはヨイショと上げかけた腰をスススとまた戻した。そしてそのまま、土下座した。

「すんまへん。許してください。俺が悪かったんです。若頭をお笑いの道へと誘導しすぎた……おカシラはこんなに、こんなに素敵な極道でいらっしゃるのに。360度どこから見ても道を譲りたくなるような怖い人なのに。outpediaにも相変わらず『アウトレイジ以外に悪役をしたことがなかった』とか書かれるレベルで印象深い悪役なのに。あれじゃあただのスベり芸人や!!」

顔を覆ってこうべを垂れるジョリーの肩を、ユカタがポンポンと叩いた。中田はそれを見ていられず、森島の隣で歯を食いしばった。

「森島……ジョリーはなんも悪ないんや。ユカタさんもや。笑いがひとつも取れんで、落ち込んでる俺のこと。鼓舞しようと奮闘してくれとっただけや。バチコンやるんやったら俺の頬を……ッ……!」
「あんたたち、本職はなんだっけ?」

「女装家」と、かつての塩見サンショウウオ。
「漫画家」と、かつての澤野池ジェリーが言った。

「奇遇ですねぇ。こんなところで、また貴方と再会できるとは」水谷ユカタは漂う空気を凪ぎはらってフッと笑った。どこからともなく、使用許可をもらっていないBGMが流れてくる。「森島くん。君のことは覚えていますよ。そう、あれは確か二十年ほど前。僕が二時間ドラマの枠で単発にこの役を勤めだしたあとから貴方は……」

「双子の兄は死にました」森島はすげなく花菱の特命係を一刀両断した。「君がこの部屋にいるとちょっとどころではなく話が長くなるので。一時間枠でいつかまた再会しなおしましょう」

特命係は悲しそうに立ち上がり、直角に曲がって部屋を出ようとした。「……そうそう。あとひとつだけ」

「ごきげんよう」森島はガンッと脚を机に置いた。

水谷ユカタと扉際の舎弟が紅茶セットを持ちながら退場し、森島は中田のほうを向いて、ふふっと笑った。「いいわね、これ。台詞が少なくて済むから。ものすごく便利」

「森島……」ジョリーは泣きそうになっていた。「いや、シリー。昔の名前で呼ばせてくれ。俺そんな呼び方ほとんどせんかったけど。ホンマ悪かった。おカシラのお笑いの才能を最初に見出だしたのはボクや……ボクは前々から補佐とコンビを組みたかった。ボクと中田のおカシラ、いいバランスやと思ってた。なのにっ……なのに途中から君が……君、VTuberの才能ありすぎやろ……! なんやバイオリンベース持ってた頃より、『極道人生は付録』とかカッコええこと言ってた少し前より、イッキイッキしとるやないかあああ!」

「そら、私も元アイドルの端くれやし」森島は悪びれもなくソファの肘掛けに片腕を置いた。「花田と中田がベロベロに酔っぱらって、『こんなん作ろおもてんねーん! 一緒にやらへーん?』って私を叩き起こしにきたその日から、任せとけるかい思とったわ。アイドル舐めんなよ」

「いや、舐めてはいないけど……」中田は小さくなった。「一応、俺も花菱のアイドル……」マスコット扱いだったと中田は落ち込んだ。

「とんま会長に三人で弟子入りしたけど。よう考えたらあのひと、自分の笑いが最優先やねん。大阪人の悪いとこ代表選手」ジュリーはため息を吐いた。「主義主張でゆうたら、対抗できるのうちの会長くらいやで。あとボクか」

「その口ぶりだと、いいところまでは粘ったんやな。たいしたもんじゃない。主張なんて赤の他人には毒にこそなれ、人を生かす薬にはならないのに。ふたりで漫才してみる?」

「トリオ漫才したんや」中田は両手で顔を覆った。「会長さんを聞き役に。あの人おっそろしいわ……口では笑っとるんやけど、目が笑ってないんや。偶然の産物で俺がおもろいこと言ったら、すかさずツッコんでくるし。それはなんや。オモロイ、アハハハって……で、次は? って。ハリセンや指示棒の代わりに釘つき金属バットでガンガン地面叩くし。欲しがり屋さんの兄貴と同じや。泣いてたのもおそらくポーズや!」

「外でやったんかい。平均年齢考えへんと死ぬで」

アイツだけちょびっと若いんやああああ!! とソファから滑り落ちた中田とジョリーの声がハモった。六十半ばと七十過ぎの違いは大きい。通信販売で『若い』の言葉の連呼が倍に増える。つまりそういうことだ。

ジョリーは向かいの中田をヒシッと抱き起こした。「ようやった。ようやったで! あのお笑い魔神相手に、ようやったでボクら!!」

「花菱の宴会芸……暗石家会長に来てもらえるやろか。こんな笑いのズレたマスコット率いる極道のために……」

中田は鼻水をすすり上げ、森島の顔を見つめた。森島は(そうだった。私ら極道だった)という一言を胸におさめ、肩をすくめて微笑んだ。「『ズラすのはヅラだけにしとけ』とか言って、乗り込んできはるんとちゃう?」

ガチャリと扉を開けた西野が、無言で立ちすくんだ。中田とジョリーが床でくんずほぐれつしているのに一瞥を加え、立ち上がろうとした森島を遮って着物の袖から手紙を出した。

「『果たし状』や。『関西笑劇会の金銭組 肘肩腰臓』から『関西花菱会 御三家御中』宛の……あれ? うちのシャーロック ホームズは」

「あとひとつだけ、はエルキュール ポアロね」森島は呆然としてお互いに見つめあっている中田とジョリーの頭越しに果たし状を受け取り、目を通して笑った。「来てくれるそうよ。正月の『花菱主宰黒白笑劇大合戦』……審査員として」

魂の抜けている中田の肩を、ジョリーは遠慮なく揺さぶった。「おいっ! 聞いたか!? おカシラ!! 三途の川で釣りしとる場合とちゃうで!! これで花菱は安泰や……よかった……ほんまに、ほんまに……ッ……」

激情型の感激屋は中田の首にしがみつき、心の底から笑いの弾ける世界の再来を夢見ておいおいと泣き叫んでいた。

中田は振り子のようにうなずきながら、(神様は……笑いの神様はきっとおるんや。みんなの心のなかに)と幸せに浸っていた。


とりあえず完





……おつきあいありがとうございました(いつものことだけど、なんだこれ)。






2020/08/18 

追記に自分のブログを再翻訳してみました。


2020/08/18 

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8月15日
カクヨムで読んだ好きな小説が思い出せない。帰り道西田敏行が捨てられてて、母親に「拾ってもいい?」って聞くんだけど「うちはもう北大路欣也飼ってるでしょ」と窘められて、西田敏行を泣く泣く元の場所に戻すという……



↑ネタ、だよね……? ネタ、ですよね!??

誰か見つけたら教えてください。世界のどこにも存在しないなら私が書きますから。お願い……



序文だけ書きました→



2020/08/18 

Oh... I don't know how YouTube works. It may be displayed as a link. I didn't notice at all. If you were watching, I apologize for the inconvenience. It's creepy when you don't know what is written in a foreign language. This is a Japanese creation site. The handle name is called 永香 eika. There are about two visitors a day. I am studying English. Even people who don't understand English wanted to know what Food4Dogs liked about the content of the comments. The article is private. Sincerest apologies. I am looking forward to posting videos.

P.S. I'm sorry to read your personal letter and it.

連日Food4Dogsさんの動画をオススメさせていただきました。特に何も言われていませんが、少し気になることがあるから……YouTubeもTwitterもやってないからここに書いときます。これでわかるかな……皆さんは上を翻訳しないでくださいね。閲覧者の良心を信用します。たぶん日本では大変ホットな話題ですから、気になる方は自分で検索してご覧くださいませ。


2020/08/17 

中田は笑劇会の扉を再度叩いた。おかしい。暗石家がいないはずはない。まさか政府公認のロシアンルーレットの罠に陥って外出、自分の存在まで忘れてしまったのか……? 中田は呆然とした。

俺、一応は花菱代表やぞ。兄貴を除けば。

「おっ、新若。遅かったな」暗石家だった。「もう新しいネタ、できたん?」

中田は得意の口パクと、自前のウォークマンに録音してきた罵詈雑言を浴びせようとマスクをはずした。すると暗石家の形相が変わった。

「……新若。ネタを聞いてほしいんやったら、最低限の礼儀は守ってもらわな。こちらとて笑顔と言う名のワクチンは見せられへんで。俺の前歯はまだ入れ歯とちゃうねんぞ。作るときとて、出っ歯の型取りは済んどるねん。この形のまま、新若の喉笛に噛みついてもええんや」

中田はマスクをしなおした。花菱の紋柄つきマスクは、暗石家の厳重なフェイスシールドに比べれば心許ない気がした。暗石家はニカッと笑顔を見せた。

「それでええんや。わかれば、それで」

鋭い眼光がひとつも笑っていないことを、中田は見逃さなかった。(あかん。呑まれとる……)まだネタという銃弾のひとつも撃ってない。こんなところで死んでたまるか、と中田はグッと前を向いた。

「お、俺がこんなにツラいのも! 当たり前歯のパッパラパー!!」

沈黙は永遠に続くかに思えた。中田は感無量で天を仰いだ。しゃあない。これまでの行いが返ってきとるだけや。いくらタダで公開しとる心の叫びに銃弾を撃ち込まれたからって、責められたと泣き叫ぶのはよそう。



(挿入歌)

アチャラカ スチャラカ ヘッチャラカ。
この世には 暗石家とんまの 前歯より。お堅いアホが 多すぎる。
シャレも利かない 笑いもしない。てめえの辞書には ゆとりがない。
ハアー、スットコドッコイ。
金はいらんし時間もやろう。お前の笑顔が、見たいから。


(挿入歌おわり)



「姓はクラシエ、名はカネボウ」暗石家はニヤリと笑った。「ガッツリ生きても、ほんの1000年。輝く笑顔は前歯から……」

中田はハッとした。暗石家の目が光ったように一瞬見えた。

「暗石家とんまは渡世名。またの名を金銭組の肘肩腰臓。そこまでの覚悟で乗り込まれたら、仕方アルマイトのヤカンやな」暗石家は中田を押しのけて扉の前で振り返った。「関西花菱会の中田君。宴会芸のためだけに弟子入りしたいというアンタの気概は見せてもろた。それと、そこの木陰に隠れとる暗殺者」

振り返った先では、白鳩ならぬ黒い鴉を肩にのせた男が立っていた。

「ジョリー……! ッ、なんで……」

「花菱会のお姫さん。もといお笑い会の新星をひとりにするほど、落ちぶれちゃあいないつもりだぜ」ジョリーはウエスタンブーツで足元の岩をガツンと鳴らした。「笑いの坂道を滑り落ちるときゃ、ボクも一緒だ」

暗石家は再度振り向き、くるくると鍵をまわした。「見せてもらおうか。花菱会が生んだ『壁の花御三家』の二大スター、その実力を」

「――お待ちなさい!」

ここでおよそ二年ぶりに存在を思い出してもらった水谷ユカタが、名前だけの出演であることに焦れて姿を現し、反対の木陰でティーブレイクしていた。花菱会の刺繍グッズ『傷だらけの堕天使〜俺のアニキィ!〜』シリーズを、たった一人で創っていた伝説の職人である。

「オモシロイ話には首をつっこみたくなるのが、私の悪いクセ。逮捕しちゃうぞ☆」

中田は(いきなり現れといて頼もしいな)と思った反面、(でもそれ、望まれとるキャラクターとちゃうでユカタ。ワシら確実に逮捕されるほうやで)と遠い目をした。

「三人で。この暗石家の口撃授業を受けたいんやな。ホンマにィ?」

中田は武者震いした。女装家としての前世は遠い宇宙の彼方に捨ててきた。中田は杉本コテッチャンの真の姿。老練なビリケンの着ぐるみを特注でつくり、その背中には花菱の紋様を背負って、まっすぐ前を向いていた。

(俺は……生まれ変わるんや。笑劇会の頭領とシノギを削って!!)

花菱会の同人作家三人衆は、勢揃いしたその日のうちに、とんま天狗の前歯の餌食になろうとしていた……。



つづく。



あー、疲れた。ほんまに疲れた。なんもかんも忘れて漫才みたい……落語ききたい……コント楽しみたい……ヘタな考え休むとグッタリ。サヨナラオナラマナラーメン🍜🍥


2020/08/17 

暑い……通り越して溶ける……痛い……ナンジャコレ。

いろんなところでコッソリ打ってますが、お子さん気ィつけたげてくださいね。鉄板に一番顔が近いから。なるべく抱っことか、親御さんも大変でしょうけどコンビニとか立ち寄ってあげてね。男のひとも専用の日傘買ったほうがええよ。私は日傘置いてくるからあんまり使わないですけど、男性用もちょこちょこ出てるみたいだし。マスク啓発以上に日傘啓発したほうがいい。

毎年のことだけど、お年寄りも続々倒れとるし。スラッとした男前が日傘持って踊りだすCMとか、とにかく日傘もUVもアンチエイジングもカッコいいもんなんだと刷り込んで。何度かやっとるけど、熱中症ほんと怖いから。吐いたら救急車なり人なり呼ぶんですよ。水に塩と砂糖とレモン入れて少しずつ飲んで。オーエイチワン? 常備して。

それにしても……。うん。まあいい。自分のこと先にやろう。しばらくネタを書いたら、来月からはまたお休みします。春先までかな。近年はネタがネタとわかってもらえないレベルで神経病んどるひとが多いみたいなので、私の出る幕ではないなと。面白がってくださってありがとう。

またね。


2020/08/14 

ちょっと興味があちこち分散してて、駄目ですね。頭が整理できてないなあ。寝不足ぎみ。追記は少し前に書いた記事です→



2020/08/11 

知らない人の他愛ない雑談が一番孤独感をやわらげると聞きまして。全然頭まわらないので、変なこと書きそうで避けてきてたんだけど。追記に何か書きますね→


2020/08/10 

西野がヨッ! と手を振った。

「アニキ……」中田は花菱的な手話を繰り出した。

西野は皆まで言うな、と手話で返した。

「……」中田は言いたいことを飲んだ。

「お互い、年取ったな。ほんの少し前まで、ピッチピチやったのに。どれだけ噛み砕いても、裸の自分。ありのままの人間性が露呈して来る頃や」

西野はため息を殺した。

「笑劇会。終わっとるやろ。もうかなり前から、ホンマは知ってたんや。とんまが若手の秘書に、『正月は着物着てこい。チラッと見たくらいでサッカー語るな』言うて笑とったあたりからや。二昔前なら正統ないじりやけど、ボタンの掛け違いみたいな笑いしかおきひんかった。野球とサッカーは、二十年前ならポピュラーなスポーツやった。若手秘書の時代のスポーツは多種多様や。更に上の世代はスポーツの語源さえ理解してないから、『eスポーツ、体動かさへんのでしょ』と言ってしもたりもする。薫りだけでも教えてくれるもんがおらんようになるからや。政治家がこぞってやり玉にあげたがるFPSのほとんどが、アメリカ産やということさえ知るよしもない。我々は基本的にド阿呆や。見えない世界の端に映るものを侮っとる。大丈夫、みんなそうや。知りたいときに知ればええ。毎日同じ答えで華丸がつくほど、人生のテストは甘くないんや。ようさん小テスト受けたモンだけが、自分で合格の判をつけられるんやから。最後の一秒まで、考えること。惜しんだらイカンで。一文にもならんけど、な」

「アニキ……」

「とんまは可愛いもんや。いろいろ言われてもな。アイツは可愛い。あと同郷にはゴッド姐さんがおるやろ。あの人も素直や。一度気づけば何度でも甦る。……女帝は可哀想な立場や。女帝というのはそういうもんや。淋しい思いだけはさしたらんでやりたいが、下は更に気の毒や。侠義を捨てながら人間を守るのは難しい。抽象的な解釈をできる者だけが残るだろう。抽象画の時代が、もう来てるで」

西野は笑みを濃くした。

「笑劇会だけやない。人間は気づかれへんのや。大勢でつるむとな。冷水がぬるま湯になる。でもこの話には続きがあってな。それを笑うてた人間、外側の地獄の釜の蓋が開いて、本当はぬるま湯やったはずの熱湯風呂の水が沸騰しとることもあるんや。どっちが茹でられて腑抜けになったカエルやったか。必ずわかる日が来るもんじゃ。小さな釜で茹でられてる。アイツらがおかしい、となってしまうと外側が地獄。結果的に全滅や。群れから離れた順から、気づけることも増えるやろ。巖に頭がつっかえたサンショウウオ……あいつ、自分が動けるうちにカエルのこと。綺麗な川の世界に、本当は逃がしてやりたかったんとちゃうかって」


\\いいね! いいね! どうでもいいね! ワーッ!//


山王会から出張VTuberの訓練をつけにきた五味が、「声が出ていない! やり直し!」っと舎弟にムチを振るっていた。中田は大合唱を聴きながら、淋しさを抱えた狂暴なトイプードルを思い出した。とんまが飼いたがっているトイプードル……めちゃくちゃ狂暴な犬種やからな……貢ぎ物に持っていこうかとしたが、中田は花菱看板犬のサチエを思い出して、ワンコでやり取りするのはキツイ。と思った。


\\いいこ! いいこ! どうでもいいこ! ワーッ!//


中田の唇はガクガクと小刻みに震えた。そのままガクッと膝をついた。言葉の銃弾が刺さったのだ。尊師西野からは薄紫色のブラック風味の後光が射していた。「そんな……そんな……!」

「人間のつくりはわりと単純や。おてんとさまの、いうとおり。この世の仕組みは複雑や。ゆうたこと、やったことは必ず自分に返ってくる。それが気に入らんようになったのやったら、自分が変わるしかない。孤独を取り戻さないかん。野性に帰るんや。野獣だったホワイトファングは、群れからはぐれて一人で生きたからこそ、旅の終わりで本当の優しさとは何かを知る。野性は理性と背中合わせ。今、必要なのは。そう」


ジョリー・アンドリュース。


中田は遠い世界の山びこを聴いた。おかしい。五味ちゃんはなんて多様でグローバルなのだ。アイツの引き出しには何か違う世界観が山ほど入っている。青狸のタイムマシンとか。犬型ロボットの残骸とか。

「尊師……!」中田は禁じられた呼び名を使った。西野はうなずいた。

「たとえばそのネタを今の笑劇会でやったら100%炎上する。昨日生まれた子が十歳で読んだら、意味がわからんで使う。オカンが聞く。『そんな言葉、どこで覚えたん!』『え? 極道船隊 死者御免っていう創作サイトやけど』『そんなもん見たら目が腐る! やめときなさい!』。かくかくしかじか、なるほど。おもろいのになあ。あのギャグ、そんな深い社会問題が含まれとったんや。被害者もいるのに酷い……って、よく考えたら原作アニメのほうが二十倍酷いな。極道の幽霊船で死人がタップダンス踊って終わるんやもん。アニメの内容みんなに聞いたら、友達が『あー、タップダンス?』先生が『タップダンスやろ?』日記にも『タップダンス啓発アニメ。なんか始終楽しそうだったけど内容覚えてない』だもんなあ。タップダンス、よかったなあ。……そういう苦い思い出のヒトコマが人生にできるわけや」

中田はタップダンスに思いを馳せた。みんな大好き、ブロードウェイ。でもなぜだろう。クワもって畑耕しながら踊ってたりする謎の映画が頭から離れない。

「サイトの内容は忘れるやろ。映画のことも古い話や。業界内でドンパチやって、叩くだけ叩いた話も一年後には誰も覚えてへん。やられたほうはいつまでも覚えてるけどな。勝手に死んどけってニヤニヤしてたら、大友くんが夢枕で。「よっ、若大将。酒は旨いし姉ちゃんは綺麗だ。こっち来るか?」ってニヤニヤしてて。「ダウト。なんでも手に入るけど、食べモンは確実にダメちゃいますのん」って三途の川の向こうを糸電話で繋げたら、「食えるには食えるけど、砂みたいなんだよ。単純に人呼びたいだけなら『映画 霊界物語』つくれば? って皆うるせぇんだけど。四方八方、四面楚歌。内から外から、めんどくせぇこと言われるだろ。あれか、死んだらこの世で美輪さんが『ごきげんよう』って出てきて『お。まさかの天国か?』って油断したら、『残念ハズレ。プリティエンジェル、閻魔ですお。ようお越し、いわおこし☆』とか言うやつか」って話してたら、お釈迦様の大きな指パッチンが糸電話切りおったんや。殺しといて勝手な話だけど、続き聞きたかったなあ」

西野は盛大なため息を吐いた。一度膝をつくと自力で立ち上がるのがツラそうに見えた中田の肩を、西野は押さえつけた。にやあ……、と口の端がお月さまのようにつり上がり、「けけけのけ。辛抱せぇや。強制修行やと思え。座禅と同じや。ソーシャルディスタンスや。西野一雄というこのウツワ、世間様から見れば最初から刑務所暮らしやった人間や。でも俺から見たら外側も強制収容所や。夜と霧や。外の世界が、壁の中や」

中田は(ソーシャルソーシャル。そー、おっしゃるなら!)と五味ちゃんが連呼している命懸けのギャグをパクりたくなった。しかし西野の真面目な言葉が、それを遮った。

「子供はひとつ賢くなるが、大人は自分を守ることに、精一杯になるだろう。子供は知らんでええ、と嘘をつけ。憎しみの連鎖は裁ち切らないかんが、そっちに焦点を合わしたら仕舞いや。大人になったら、自然とわかることや。それがホンマもんの、優しさちゃうんかい」

「兄貴。笑劇会ができたころ、歌手はポーカー。落語家は博打。いろいろ出来ました。俺だって友達とメンコ取り合った。要の子供ンころだって。アイツぼそぼそと『小学校でシャーペンの芯つこて賭博が流行ったんです。丁か半かの闘いをやったりもしました。俺はシャーペンだけで借金が二万円できました』って。遊び心、どこやってしもたんや。『家ンなかで一人で遊べ。外で遊ぶな』って。俺らが子供に教えてきた訓練、なんの意味があってん。ホンマは全部、逆やったやないか……! ゲーム機で一人ポツンと、釣りしとった奴らが大正解やったやないかああああ!!」

西野は盛大にくしゃみをした。「あ、すまん。死ぬときゃ一緒やで」ビジョビショになりながら、中田はマスクの偉大さを噛み締めた。「うん、嘘や。たぶん一人や。どうぞ、お元気で」 気ィつけてぇな、と中田は泣いた。

「いつかは国を追われても皆でスヤスヤ眠りたい。そんな夢見て、『あのままだよ』って歌を森島はつくったんや。ジョリーはいまだに腰の位置に白鳩を隠し持って、遠い目をしている。自由の翼を彼らに返してやるんや。中田。お前にならできる。とんまを。今年メチャクチャ高騰してる絶滅危惧種とんまを、あの気持ちいい気持ちいい心地よいぬるま湯から救い出すんや。そこだけおったら、『せっかくの天性受け継いだ頭パープリンが、マトモになってしまうで』と!!」

中田は再戦を決意した。アマビエに対抗したビリケンさんをポッケに忍ばせ、いざ出陣じゃい!


続く。



三密並みに詰め込みすぎたか……あまり深く考えんといてくださいね。


2020/08/09 

沢田研二さんについては全然知らないところからスタートなので、ファンの方の心象を傷つけてしもたら本当に相すみません。読み返したらかろうじて意味が取れる程度の内容ですけど、頑張って書きますね。元力士人間の設定にしたので、閣下ネタを入れたいんですけど。デーモン閣下って能とか相撲とかお好きでしょう。ホント面白いよねぇ。芸能人として押し通していただきたいキャラクターとかもある中で、みんな時代の流れで変更せざるを得なくなっていくのに、全然ぶれないからね。

さんまさんは、さんまさんです。それ以上でも以下でもありません。とんまという名前の芸能人がいないことを祈るばかりだ。なんか現実の問題以外は暇すぎて暇すぎてなあ。あまり真面目に考えすぎると、精神的にいろいろ悪いので。心の生け簀で明石家さんまを游がせることをオススメします。煮ても焼いても美味しく頂けます。お腹を壊すので食べ過ぎには注意してください。

追記は雑文。


2020/08/08 

笑劇会の暗石家とんま会長を訪ね、中田はいつになく緊張していた。

「あらァ……新若やないかい。ちこう寄んなはれや。会長とか柄や無いんですけど……おたくより下やし」暗石家はポツンとした質素な座席から、パッと立ち上がった。獲物を狙う豹のようや、と中田は警戒した。「どうぞ。上がって?」

花菱の暗殺者団体が、その特徴ある歯筋の喋りを封じようと幾度も幾度も表敬訪問。ガムテープ片手のひょうきんキャラも、口数多めのお調子者キャラもあえなく死亡。「口では勝てない」が服を着ているその男。団体人数が増えれば増えるほど、なぜか似通ってくるはずなのに、同じタイプを探せない。

笑劇会の最後の切り札のはずだった。そしてなり止まぬ老害認定。時代がとうとう彼を追い越した。中田は一言も発さなかった。いや、発せなかった。なんじゃい、このあふれ出る妖気は。

(唯一足りなかった好感度駄々下がりチケットを手に入れたいま、このお笑いモンスターにストッパーはもはやない。怖いもんなしや……)

中田はゾッとした。かつて何人もの男が骸となり犠牲となった。同じレベルの天才を思い起こそうとするが、そちらは好感度めちゃんこ低いのが最大の武器だった。村田紳乃助。TSUTAYAのカードの作り方を店員に聞けないレベルのプライドの高さが徳となり、最終的にお姉ちゃんたちやお兄ちゃんたちに可愛がられ、極道を辞めてもわりと羨ましい立ち位置でヘベレケになっているらしい。

「壱の呼吸……」

中田は暗石家の深刻な顔にハッとした。いけない。それ以上はいけない。

ナンチャッテ二次元界の端っ子に居場所を見つけた、新米時代を思い出した。思えば生まれつき全然ホットな話題についていけない人間だった。ドルオタ。アニオタ。ゲームオタ。そしてお笑いオタク……オタクという響きに憧れがある、と最初に告白したのはいつだったろうか。馬鹿にしてるのか! と逆ギレされた。

ありとあらゆるオタクは自意識過剰でプライドが高い。学者、歌手、芸人、役者、画家、伝統芸、起業家、宗教家……プライド。それは中田が喉から手が出るほど欲しい物体であった。ブラックな職種ではプライドが低い順から死んでいく。極道と小説家がいい例だ。

みんな好き勝手に言葉尻で思いを乗せるけど、その前に俺の話も聞いてくれんか。中田は頭の回転を早くした。

そうちゃうねん。俺、好きなもんが基本的にない人間やねん……アニキは出会ったときから最高にオモロイ人間やったけど。心の底から楽しいことが好き。正直になった順から綺麗事言うとるに違いないって、そりゃ屈折しすぎや。人に認められる風にオモロなられんでも別にええのよ。俺がオモロイと感じられる生き方やったら。それが正解とちゃうんかい。


――この電車、一回乗ったら終点まで逃げられへんのやで。


中田は深々と深呼吸した。そして弾丸を放った。

「壱の呼吸。弐の呼吸。三枝がおらんで、文枝さん。いらっしゃーい!」

かろうじてバトンを返せた。中田は勝った、と思った。きっと合っているはず。共通の合言葉が言えないオタクは、オタクの世界からつま弾きなのである。シェイクスピアのひとつも諳じれないと、英国紳士と認められないのに似ている。歌声にビブラートが効いていなくとも声楽家以外の道はいくらでもあるが、爪先が血だらけでもトゥできないとエトワールにはなれない。

中田は暗石家の好きな漫画の詳細を知らない……確か妹が可愛いやつだった。妹萌え属性を心に秘めているオタクは信用できる。

オタクというのは経歴ではない。急にある日突然switchが入り、三枝から文枝に改名することだってあるかもしれない。中田は覚悟を決めた。この訪問が笑劇会と花菱を繋ぐ足掛かりになるか、急に自らの本職を思い出してドンパチやりたくなるかは知らない。

中田は待った。暗石家は泣き出した。

「生きてるだけで、まるもうけ……って、それ両方とも俺の持ちネタちゃうわド阿呆! 帰れ! なんやその意味のわからんネタは! 一応先輩やぞ! 帰ってくれ! 頼むから帰ってくれ! 1から勉強してやり直し!!」

ソーシャルディスタンスの傷は深い。こんなところにも、鬼に喰われた可哀想な漢が……中田は敬意を持ってペコリと頭を下げた。扉から五十メートルほどの距離にある音楽スピーカーから、暗石家の声で「握手ゥ……」と、か細い声が聴こえた。


続く。




2020/08/08 

ジョリーは帽子を片手にポーズを決めた。元力士の巨体をくゆらせ、ムーンウォークができる奇跡のアサシン。中田は眩しさに目を細めた。その名を知らぬ人はもぐりと呼ばれるほどの花菱会スターは、眉を細めた。

「おカシラ。女装は卒業したと聞いていたが……」

「疫病で界隈の指揮が下がっとるやろ。俺の女装は元気が出ると風の噂で聞いたから。突発工事でストリッパーになったんや。仏像叩き壊す偶像崇拝に対するアンチテーゼも、論点は悪くない。日本発祥の形ある正統派の神さんはビリケンさんだけやからな。ベヨネッタ、いい女やで」

「ビリケンさんを創ったのはアメリカ人やけどな。それにしてもその服装は目に毒や。コロナ以前にインフルエンザでも引かれたらかなわんし。これでも掛けとき……」

中田の肩にファサッとかかった緑の上着には、自由の翼が描かれてあった。(心のウォールマリア、奪還したんやな)とこちらも目を細めたが、ジョリーは(夏場のステイホームを阻害する黒い弾丸は、一匹残らず駆逐してやる)と狂暴な笑みを浮かべた。

「笑劇会が何やら弱ってるらしいで。会長さんらが続々と白旗をあげて、若手は若手で正統派極道、もとい命がけで居場所を獲得してきた宴会芸人の道を諦めて、ヤクザ稼業にうつつを抜かしているとか。いわゆるオタク仕事や、動画や、起業や、その他もろもろ」

中田はグッと息をつめた。

「うん……なんか残念やけど、仕方ないと思うわ。俺は極道、もとい笑道を駆け抜ける、熱き人間のしょうもない闘いを見届けたかったが。時代の流れもあるやろ。昔は馬鹿げた笑いの中にも約束ごとがあったけど、それをお互い理解した上でとにかく楽しむってスタンスも廃れてしもた。この流れはちょっとやそっとじゃそう変わらん。カッコ悪い、気持ち悪い、頭おかしいと言われることを恐れる大人が増えてしもたんや。子供らはそれでもええけど、大人でそれやったらホンマにカッコ悪いな。四股四股シコシコ、しこふんじゃった」

中田はジョリーの十八番である掛け声を思わず発し、自嘲ぎみに笑った。かつて彼らは英雄だった。当時、最先端の縦長おめめを原稿用紙に必死で描いているとき、売り切らぬ限り増刷されぬ薄い本は宝物。捨て去れぬ保存用、布教用、自分用の本には花菱印のお揃いカバーがかけてあった。

それが今やデジタル時代。使い捨てられし誹謗中傷や、たまに萌え語りや、素敵な職人の刺繍服や、コメンテーターもどきが集まれり、悲しきツゲッター。数々の指摘で表現規制アンド表現規制。クリエイターとひとくくりにされたプロもアマチュアもどこの馬の骨も一緒くた。みんながみんな、新世界の神を目指したりはしない。それはそれ、みんな同じでみんないい。

んなわけあるかい。違ってなんぼのカオスに生まれ落ちし令和の申し子たちは、なにやら個性の消えてしまった烏合の衆の間でうち震えていた。ひとと違う考え方を持っててええんやぞ。大丈夫。理想を押しつけあったら全力崩壊やけどな!

しかし極道の中間管理職はそこの本音をグッと堪えた。会合は当初予定してた時間の倍かかった。話し合いは全然進まなかった。中田は(あかん。思ってた以上に管理職向いてない……)と何度かソファで寝落ちした。座り心地は最高だった。気づけば早々に終わっていた。あれ、これ俺、いらないんじゃない? 中田はその夜、一人でさめざめと泣いた。

中田は遠い日を思い描いた。ああ、そうだかつてのそれは幻想だった。なぜなら若い時代というのは煌めく幻想。そもそも中田の生まれ故郷には、なんにもなかった。信じられないことに平成に入ってまだ藁ぶき屋根に井戸だった。なんなら土間にはかまどがあってだね……中田はひいおばあちゃんと手作りしたお団子をコネコネし始めた。中田は一瞬だけ満たされた。

ジョリーは辛抱強く次の言葉を待っていた。中田は恥ずかしくなって早口になった。

「でも、しゃあないな。いっとき落ち込んでる人間の一握りの笑顔より、画面映え。写真映えも大事やろ。全裸の魅力より素敵なオベベ。そういう生き残りが大事な時代になったんや。SIRIGEチャン WAKIGEチャンの活躍が全てを象徴しとる。今さら、ハハッ。鼻毛なんてありきたりな。ましてや、禿げネタなんて古くさい人種差別もどきの品性の欠片もない低俗なお笑いが、生き残れるわけなかったんや。俺は自分がみえていなかった。無様なもんやで。一瞬の脚光やった……花田の描いたHANAGEチャン……一瞬の……ほんの一瞬の、夢まぼろしやった!」

中田は拳をかためた。ジョリーは立体起動装置の重みに負けて、前屈みになった。中田は滴り落ちる汗を涙と勘違いし、際どいカットの胸パッドをおさえた。

「笑わせるんじゃねぇぜ……花菱の落武者さんよう」

中田は顔をあげた。(落武者ちゃう、鬼夜叉や)と訂正をいれようとしたとたん、ジョリーは立体起動装置を天井に振り上げた。(あれ仕組みどうなってんのかな)と中田が心のフリック入力で打たない限り、次の場面には永遠に切り替わらない遠い記憶を手繰り寄せたとき。ジョリーは空中で引っくり返っていた。(あ、そうそう。確か安定しなくて、たぶん相当鍛えないと体持ち上がらない……)ジョリーは元力士の実力で踏ん張っていた。力士の平均体脂肪率は23%。たぶん世の中の平均的なお母ちゃんより筋肉質。

「くっ……これでも。これでも、ぶざまだって言えるのかい?」

中田はごくりと唾を飲み込んだ。ベタな演出家の指示通りしたのに、下手だと酷評された若手の役者みたいな気分を味わった。(台本通り、台本通りにしただけや!)中田は口を片手で押さえた。

想像したよりぶざまだった。伝説の生けるスターが、虫の息である花菱の一瞬の笑いのために、全身全霊、体を張ってくれている。本当にぶざまだった。様になる形容詞が見つからぬほどに、度重なるリモート会合で衰えた脳みそでも理解できるほどに、ぶざまだった!

「ジョリー。もうええんや、ジョリー。俺が、俺が間違ってた。もうええ。俺、そこまでされたら、泣いてしまう」
「そこは……無理して……笑わんかい……!」

ジョリーは立体起動装置から手を離して落ちた。その腰を守ったのは、花菱特製の巨大ビリケンさん人形だった。ヴィヴィアンリーの守り神。余談だが人形の中には花菱専属カメラマン、杉本コテッチャンが入っている。コテッチャンは声を殺して笑っていた。

ちなみに森島はこのとき屋上で HANAGEの生き残りを祈願するため、祈祷師の格好をして社屋の東西南北を入れ換えていた。この地道な作業のおかげでVTuberとしての地位を駆け上がっていたことを、かつての相棒、ジョリーだけは知っていたのである。

「ええか……おカシラのHANAGEネタ……四股四股シコシコ、書いてきた HAGEとのやり取りを、楽しみにしてきたもんも、この世のどこかにはおるんや。全国三人くらい」

ジョリーはふふっと笑った。その笑い顔こそ、かつてのジョリー……ジョリーアンドリュースだった。記憶の中を走り抜けるサウンドオブミュージックに、中田はきゅんとした。小学生の時なんか適当な英語で歌ってたら、それは発音が違うと帰国子女に鼻で笑われたっけなあ。まあ男だったけど。

「この三人だけは確実に撃ち取りたい三人や。伝説の麗人メスカルの髪型をしている俺とか、風呂屋の息子のロッケンロールの歌を出してた俺とか、メンバー説得するのにストーカーしてみたり、森島に泣きついたり感極まってファンに土下座しちまうような、そんな俺を知ってくれてるひと相手にや。アンチテーゼで逆卍の上着着て、黒柳の姐さんに叱られて。最終的にバッテンの上着着て、リアル人間失格みたいになっている。そんな俺をちょっぴり心の片隅に置いては愛でて、愛してくれる。そんな一握りのひとに、俺は表現をしとるんや。ベンツもフェラーリも大金もあるには越したことはないけど、それがさまたげになってウケないことは何より恐ろしい。笑いは麻薬や……花菱で笑い声が聞けなくなる日が来るんやったら、そのとき時代は完全に笑劇会のもんや! でもな、今はちがう! 敗けを認めるのには時間が早いで!」

中田は感動した。しかし中田は現実には笑いが取れた試しがない。観客が西野と森島では要求されるレベルが高すぎる。布施の会長さんは笑てくれはったけど愛想笑い。野村の会長さんはなんか俺より天然素材感あったし。五味チャンはもうそろそろ死んでくれへんかな。SIRIGEチャンの動画、面白すぎやろ……投げ銭までしてもうた。

関西はお笑い中毒モンスター。奴らはお笑いというエサを与えないと、自粛もそこそこに暴れ出す。イソジン程度では破壊しきれないお喋り好き。生まれつきの引っ込み思案やコミュ障までも、笑いの渦に巻き込もうとテグスネを引いている。

「女装家としてのお前さんは確かにエキセントリックやった。もう出てきたときから、ホンマモンやった。一朝一夕では太刀打ちできへん世界観。でもなあ、ボクは今日。あの扉の前で震えてしもた」


――お前さん、立派な笑劇人だぜ。


「西野の兄さんに宜しく言うといてくれ。笑劇会の若い奴らは俺に任しとけって。本業を忘れてヤクザ仕事にうつつを抜かす。そんなヤクザな輩は一度も笑いを取れた試しのない花菱の中田に、その場所を譲れと迫られるぜ、ってなあ」

中田は財布の紐はしっかり握ったまま、ジョリーに肩を叩かれた。よし、今日はすられなかった! とキャハッと片手を口元にやると、棚にあったはずの黒ブタさんの貯金箱がなくなっている。兄貴とお揃の新作だった。「待たんかいオンドリヤアアアア!」

続く。



2020/07/28 

上沼さん引退迷ってはるんか……複雑やけどホンマ考えなおしていただきたい……上沼さんがおらんくなった後の大阪のオバハンとか、怖すぎて絶対近づかれへんで……ああいうもので溜飲下げてたんやから(/´△`\)←他人を否定することでさりげなく自分を除外していくスタイル。

大好きな猫姉妹チャンネルが大阪ラプソディ歌ってるので、みなみなさまいかがですか。えみちゃんねる終了、いい時期やったんちゃうかしらと思います。あんまり見たことない世代の一人だけど、ちょっと昔より出演者のバランスも悪いなって、偉そうに思ってました。クギヅケと違って平成の適当男がいないからや……と誰かおっしゃってて、「なーる!」となった。トロフィー大事そうになさってたから、ちょっと淋しい。

それもこれも島田紳助はんがM1の借りを返さないからですやん……審査員制、視聴者もちょっとおかしいなって思ってますよ。審査員だけ負担が大きすぎへん? ダウンタウン松本さんもかなり前におっしゃってたけど、M1って最初は芸人のお祭りやったんですね。一番は決められへん笑いというものに、無理やり一番を決めてるから。最初から泥をかぶる覚悟で、皆さんあの席に座るわけ。そして今も昔も、上沼さんは芸人さんを見る目が本当にあるんです。普通はお笑いのプロフェッショナルは変な理由づけで選んで、変なひとを選ぶもんなんですよ。いろいろ見てて目が肥えてるから。

私たまたま問題になった前の年は見てたんですけど、分析も選んだ理由も、ここで諦めんと次に繋げてくださいという意志も、上沼さんはしっかりしてた。彼女が贔屓していると言われてきた人たちって、一見「え、この人どうなん?」って方も実際多いんですよ。実力も権力もある立場の方で、めずらしい。ふつうは気に入ったひと、人気のあるひとだけを身近にしてしまうから、いつの間にか番組の趣旨も変わったり、局は推してるけど視聴者はつまらんから見なくなって、終わったりする。その場かぎりの実力で判断しないで、後輩のおかしな点はしっかり釘もさして。

オバチャンが悪口を叩いて25年続けられるってド偉いことです。長さやないけどね。なんで終わったんか理解できへんもんも多いし。お金の集まるところは、おかしな輩が多くなりますから。大阪のことをテレビやネットでしか知らない人には言ってもピンとこないかもしれませんが、陰湿ないじめっこは最終的には絶対生きのこられへん土地柄なの。

紳助さんがよく言ってたけど、テレビで残る人というのはどれだけ悪人面でも、なにかしら人に対しての愛情があるんですよ。まあ、あの人京都やから嘘っぱちの可能性が微粒子レベル(ネタです)。上沼さんは兵庫やけどね。兵庫県民多いねん。西野さんも兵庫やなかったっけ。大阪はそこまで笑いの土地ではないですよ。笑いに持っていくのが好きなだけで。……いろいろ本気にされて困っとるよ笑。

でもプロフェッショナルで、全体のバランスを見て。しんどかったやろなあ。お疲れさまでした。

皆いま、なるべく喧嘩したらいけませんよ。うちは結構しとるけど。したとしてもコロナのせいってことで、無理やり仲直りしとき。よっぽど外出なくても生きていける生活のひと以外、おかしなってるでしょう? マスクで酸欠になってるんですよ。Wiiのフィットネスパーティーのヨガでもしたらいいよ。あと暇ができるとお酒に逃げてしまう人もいると思うから、くれぐれも中毒には気をつけてね。


2020/07/24 

ドラえもん、いつの間にか主題歌変わってたんですね……誰が歌ってはるのかわからんけど、いい歌やね。あんまり紙媒体にすがりついても仕方ないので、セールでKindle買ってみよかと思いまして。子供の本がさ、年間無料とかで。私活字やったらほんまに何でも読みたいほうだから。そのとき興味があれば、何でも手に取るし。どんなかなあ、とレビュー読んでたら、一段目で「子供に本を読ませたくて買ったのに、ドラえもんが入ってる!」笑。

こういう人いつの時代もホントに多いですね。ドラえもんが入っとるからなんやねん、と。それを良いものか悪いものか判断するのは、子供に任せたれよ、と。そんなこと言ってても自分の子供となると、母親の場合は全然違うらしいですけど。

このように本や映画の感想やレビューについても、いろいろ物申す人が増えました。どこで誰がどういう感想を言おうが、受け取った人の感性次第。最近はいいことも悪いことも、一言二言しか書けなくなったんですよ。たとえば上で言った人と同じこと言ってた人が、ここの記事を読んだりするでしょ。いちいち考え出すと本当に疲れるので、「知らない人に説明するのはよそう」と決めてきたんだけど。言葉で説明したろ、残りは想像で補え、同じ光景を見てくれ、なんて言ってはいけないと思うし。それで済むなら仏教の宗派数は絶対おかしい。あれ、後半は半分以上違う思想混じってるやん? そりゃ哲学扱いだわなって。

小林麻央さんが亡くなった日にそうしたのよね。あの人のブログを読んでこなかった人は、悲しいですねと言わない私を責めるかもしれない。そういう覚悟で書いた。そして大多数の人は何も知らないまま、それが正しいことだと信じて「遺された子供二人がかわいそう。若いのに、これからの人だったのに、本当に気の毒だわ」って悲しい顔をするのだろう。

「テレビや新聞でどう報道されるか私は知っています。そうされたくない、誰も悲しい顔をしないでほしい、だから書いてるんだ」そういうメッセージを彼女は遺したんですけど。メディア全体を見た限り、そうはならなかった。飯島愛さんもね。「さびしいって、みんないわなくなったよね。わたしは、さみしいな。そんな自分もすき」。そういう感じのことを書いて亡くなった。おふたりとも今の時代に必要で、本当に素敵な文章だった。

わたし、妹さんやなくて、お姉さんのほう。小林麻耶さんのファンでね。きっかけは彼女が「ブログだけはバカにしないでください!」って泣き出したテレビだったんだけど。携帯も持ってなかったから、ブログとはそんな面白いもんなのか! と思って。彼女をいじってた芸人さんがめちゃくちゃ慌ててね。たしか宮迫さんじゃなかったかな。違ったら誹謗中傷だわな。別の番組でめちゃくちゃ謝ってらした。

知らないということは罪じゃないと思うんです。それって、本当に純粋に誤解でしょう。学校や職場ではさ、そう感じたお前がおかしい、変われって教育をされてきたように思うけれど。そういうことの繰り返しだと、どれが正しかったのか、その正しさが本当に誰かのためになっているのか。

人の思考力を奪うようなやり方で発信すると、人間がひんまがってしまうよね。

そういう思想で生きてきて、求められるものとのギャップにも気づけずなかなか変われずにきた大人には、さらに生きづらくなる世の中なんだと思います。どの分野もそれで苦しんでる人がいるみたい。口を揃えて、レベルが下がった。もっと正統派の、キチンとしたものが残るべきだって。平成だけでは飽きたらず、まだ言うてる人もいるでしょう。上が死なないまま下も増えないから、押し通しちゃうんですが。

それ、いったい誰が決めるんでしょうね。正しい、出来がよい、後世に残すべき素晴らしいものだって。いったい、誰が? ピカソが? ナポレオンが? 孟子老子が? アウストラロピテクスが? 彼や彼女には価値がある、お金になる、素敵である、ほかは基準に適さない、残す意味もないって。いったい誰が?

それこそがおごり高ぶり。優性思想。それだと結果的に誰も残らないでしょうね。だって、みんな年は取るんだもの。いつかは病気になるんだもの。そうなるのが怖いから、といって自らポンポンしんじゃうんだもの。そういう時代を生きてきて、そういう時代のままで足踏みしてるんだもの。

表現って、スポーツって、仕事って、家庭って、国って、心って、人を愛するって。そういうためのものでしたか? 動くって、心が動くじゃいけないのかい。

ああいう事件、まだまだどんどん増えると思うけど。単純におかしな子供がそのまま大人になった、なんて話やないですよ。社会構造の歪みが遅れて形になってるだけ。コナン・ドイルの時代のオリンピックは今のような仕組みじゃ全然なかった。あのひと正統派のイングランド人ではないので、イギリスにしたら相当変わりもんですから。騎士道精神捨てきれなくて時代に乗り遅れた遺物扱いされてたんだけど。たぶん、どんな偉人にも賢人にも悪人にも、いいところも悪いところもあるもんなんです。

ただ誰しも鬼は飼っているので。私が怖いのは人でもなく、時代でもなく、自分ですね。もっというなら、自分が無くなってしまうような思想や環境に身を置くこと。昭和や平成を過剰に賛美する傾向がまだまだ強いですけど、そういう時代には二度と戻ってほしくないです。懐かしむぶんには全然いいんですけど。次の試練で何が起きても。

人間いつも、いくつでも。本当の意味で、これからですから。


2020/07/11 

お疲れ目様でございます。

ブログ小ネタ集

アウトレイジブログネタ

なんとかまとめたよ……他愛ないネタブログまとめですがよろしくお願いします。改行したりルビをふるか平仮名に変えないと相当読みづらいので、すこしづつやりますね。イラストは後々。



2020/07/07 

いつも笑い話ですけど、ひとつだけ明確に悪いことがありますね。それは……(スクロールせよ)↓


















































ビニール袋のやつ。

あれ、ダメダメ(ヾノ・∀・`)ですね。←コロナがあろうがなかろうが、年中、退屈なひと。おつきあいありがと。

詳細は省きますが風が吹いたら桶屋が壊れた状態。本にシールはるはめになってて、鞄のなかに万引きと間違われるから本入れられなくなってて、本を書籍の形で手に取らないので、読む読まないに関わらず書籍が減って、ひとの言葉を歪曲したがるひねくれものが増えて、結果的に国が貧乏になります。

映画は映画館で!!←これは時代遅れ。いや映画館で見たいのよ? でも高すぎる。劇場作りすぎてん。そこから何とかしないと焼け石に水ですよ。あと利権を手離す。漫画や書籍は何十年も前に一度そうしたんです。グレーゾーンをつくった。でも今度は利権以外のやり方が主流になって。実力主義と言えば聞こえはいいが、落書きなのか手抜きなのかピカソなのかわからないものだけ残ったりもしてて。最悪の形になって、どうしようと頭抱えてるクリエイターだらけ。

人間ってなんのかんので、いいほうしか見ないから。みんな知らないんです。消えたほうの人たちの話は。いま無料化したから復活したと思ってらっしゃるひと。本が売れた数字だけ見ちゃうひと。みなさん、文学の歴史を知らないんです。まあ卵が先か鶏が先かなのでよいです。そうなったらなったで、プロの看板ははずしてコミケだけに絞ろう。あっちのほうが世界発信だし。

本は書籍で。←こっちであってるの。ただ、売り方がアホすぎてん。もう私が生まれるずっと前から、赤川次郎先生がおっしゃってた。私ごときが考えつく内容なんて、半世紀前までさかのぼれば誰でも言ってるんです。

大阪発信でできないかな。ビニール袋を籠のすぐそば、入り口に置くしかないのでこれはどこも考えついてやるでしょうけど。「スマイル100円! そのかわりビニール無料!!」←大阪はこれでいけますね。面白いもん好きの素直な人らの何人かは買っていく。一度、美容室の外にナマ首置いてあって、ギョッとしたら「インスタ映えにどうぞ」。マネキンなんですね。1ヶ月にひとつ増えて、五体くらいになったら、クレームがついたらしく美容室ごと無くなったけど(……)。まあ街を歩くのも面白いもんですよ。

西洋カボチャにマジックインキで顔描いて「インスタ映え用です。もって帰らないでね!」って描いてある居酒屋とか。あとは……検索すると出てきてしまうから、漢字変換はゴヨウシャ願いますけど。酒地肉鱗って店の面白看板とか(大体どのあたりの人間か推測ついてるでしょうけど、閲覧者の良心を信用してます)。

商売の工夫って、一瞬の流れですからね。よく覚えといてください。始めるひとは簡単。終わるとき、始めたその日より失う日がくるの。脅しではないですよ。言い出しっぺの責任は、続いているか最後の日まで確認しに行くこと。有吉さんが「渡部の紹介した店、どうなったか見に行きたい」みたいなこと言ってたらしいと小耳に挟んだんですが。それをしていいのは渡部さんだけです。うちは商売でしたけど、駅前の一等地、寂れた住宅地の裏手、スーパーの軒先もやってきたんですね。

紹介してくれたことまで、責める人はいないと思う。そうしたら、必ずやり直せますからね。必ず。何を間違えていたかもわかるから。自分の体を使うって、そういうことですよ。運動するだけが、体を使うってことじゃない。性交も運動ですけど、通じ合うものが一生に一度あったら、「ああ、いましんでもいいな」って。そういうことじゃないですか。知らないけれど。






2020/07/05 

ある人がおっしゃっていたのですが、東京に来たらなぜ地方が活性化しないかわかる。そこにおらんと、はよ出てこい。でないと地方で「あー、ほんま嫌な世の中やなあ。お金もないし、ダメなひとばっかり」という口先だけのアカン大人になると。ほほほ。ほーほけきょ。さようでございますか。

はあ。大体行かんでも上空のほうは想像つきますけどね。二十年前の大阪とおんなじ具合でしょう。お金お金、お金もうけ。

世の中カネがないと誰も助けられん。よし! 俺は違うぞ! お金儲けしても世のため人のため、必ず使う! 大丈夫! テンションMAX! なんか嫌な予感はつきまとっているけど、気のせい気のせい! (*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!!パフパフドンドン、チャラリラリンッ、テナー

……これ、政治家に多いんですねぇ。意外と二代目三代目、世襲の人は大丈夫。お坊っちゃん、お嬢ちゃんなので頼りなかったりするので、国民も猛叩きしてくれますからね笑。怖いのが貧乏人から叩き上げになったひと。よほどの人格者でない限り、長いことやってるうちに、高確率で人生おかしなことになります。持ち上げられるから。

でもさ、東京とか大阪とか、正直、都会の話はどうでもいいんです(こんな書き方やと誤解されるやろなあ。ま、よいよい。テキストは好きなように解釈して)。ただ、今は東京。行きたいね。コロナね。なんでこんなことに、なっとるんやと。知りたい。本当に……知りたい。

大阪の人間は慎重でね。横断歩道も通れるときは無視してとおる→はねる確率が上がるので自動車も遠慮する→ひとの方でも「あの車に乗ってるのはジジババに違いない。気をつけよ」→ホッ、今日ははねられんかった。でも、明日は死ぬかも……というテイで生きてますので、「たまたま今回は」感染者少なくとどめられたと知っているんよ。賢明なひとはね。

まあ二十年前の大阪だったら、ようけ(たくさん)亡くなってたように思いますね。そしていい気になった結果、大阪が裏側でどんな苦渋を市民に呑ませていたか、おぼえてらっしゃいますか? 若いひとも、よくきいといてね。全部まぼろしだったの。

 

 

(IKKOさんを超絶崇拝してる管理人)

泣いてるひとらの足元の足元を、全部無視した。だから過去にあれだけの功績(数字上の、ね)を上の方が残していても、市民に聞いたらほとんど言いますね。「そりゃそうや。借りを返してはるんやから」。で、そのまま(たとえ理解した上でのjokeであったとしても)「俺はこれだけやってやったんや」といい始めたら、崩壊ですよ。びっくりどっきり玉手箱。おじいさんになってから気づいても遅い!

ウラシマさんのお話をしっかり解釈して、子供に言い聞かせてみてね。ツーと言えばカーという風に世の中はできていません。

カラスがカーと鳴いたのに、ハトがある日突然「え。まだカーとか鳴いてんの? 日本語しゃべれんで?」。カラスが「えっ。あ……ホンマや! オレ、天才カラスやったんや!」。そしたらインコが(こいつら、アホや……キジのやつは当の昔にフランス語しゃべっとるんや)。それを見た人間が「おお! すごい、まるごと研究材料にしよう」。賢明なフクロウは夜半にホーと鳴いて、誰も見てない夜明けの一回だけ「ホーホケキョ。あら、すごい。でも、なんの役に立つのかしら?」。

……自分が他の鳴き方を忘れていただけ、と知らないんですよ。


この世に降りてきたときに、忘れるようにしたの。


だってそのほうがおもしろいから。何倍も、おもしろいですよ。お金はおかね。お足と昔は言いましたけども、葦(あし)に変わればよろしいのに。こっちが旅なの。楽しいこと、探したほうがよいよ。らんら、らんら、らん。楽しいひと、子どもはすきだから。子どもに好かれないひとは、生きづらくなるよ。



2020/07/03 

笑いの神様が啼いている、と西野はポツリといった。

「老錬なビリケンさんが泣いている……」扉の前の二人の舎弟は返事をせず、西野は目を見開きながら繰り返し、彼らを見返した。「聖母マリアさまと同じ現象や」

若い舎弟は彫像のように動かなかった。西野は茫然としながら、机の上のビリケン人形を手に取った。木彫りの彫刻師に頼んだものだった。つり上がった細い線の先から下まで、ビリケン人形は涙で濡れていた。西野は震える指先で水滴をすくった。








今ちょっと調べものをしてましてね。きちんと形になるかわからないけども。笑劇について如何に自分が無学であったかと言うことと、とにもかくにも哀しみが押し寄せて。これではいけない、これが美輪さんが嘆いてたことか、と……だいぶ先を見ていらっしゃるなと青春期に思ったんだけど、たけしさんにね。半ば懇願なさってて。電波の大塔で笑いが嗤いに変わってしまう時代が来る、って。

ここで引き返せなかったら、共倒れになるところが多すぎます。オリンピックのあとに大阪万博まで控えてる。もう遠い記憶で書いてしまうと、フェイクニュースのような具合にしか思い出せないのでやめますが。私、あの頃のお笑いは大好きだった。そりゃあ酷いものもありましたけどね。三度目の漫才ブームで、本当に活気があった。今スキャンダルで倒れていかれる方は皆さん年上ですが、私が見ていた頃のお笑いの方々。間違いはそれぞれ犯していますけども。人格を全否定されるほどのことは何もしていないし、芸人さんという言葉の縛りで伝えきれなかった話もたくさんあったと思うの。

すっかり大人になっても、若手と呼ばれ続けて追い出しにあってしまった方々。かえって来いよと欲して呼び戻してくれるが、あそこに戻れば間違いを何度も繰り返すのではと、どこにも戻れぬ方々。子供はどちらでしょ。どっちもかもしれないですよ。みんな年をとってしまったの。私はただただ、哀しい。こんなに哀しいことはない。私はオオサカジンという呼称で呼ばれるくらいなら、愛する大阪は捨てる。ニッポンジンという言葉を教えてもらう前から、私はわたしであった。ほんの数十年生きただけで聞き慣れぬ言葉で呼ばれることに固執する存在となってしまったら、捨てたはずの遠い昔の名前を思い出そう。

その日私は旅人だった。名前を持たぬ、一人の僧侶だった。故郷を持つこともできぬ身で、生まれた日付も場所も知らず、ひとり荒野を、山道を、村の木立ちを、小僧や地蔵の頭を撫でて、走り回る生き物たちに囲まれ、静かで強いこの地を目指して歩いていた。落ちる黄昏に身を細め、夜霧の涼しさに小さくなって眠り。朝になると小鳥たちの囀りが、優しさと温かさの土地の薫りだけが、私のこころを捉えて離さなかった。

あの日のあなた方は優しかった。みんな相応に貧しく、励まし合いつつも切磋琢磨し、どんなに腹を立てても最期のときには手を繋ぐことを忘れなかった。見知らぬ者に石を投げることを恥とし、水面に映る自分の醜悪な笑みを恐れ、恋する人と淋しい別れかたをしても、愛することをやめたりはしなかった。

わたしはかなしい。このかなしさのあまり時を止めてくれと叫んだところで、逆戻りはしない。まちうけるものが恐ろしくて足がすくんでいるものたちの前で、詫びをいれて乞い願うしかしょうがない。いさかいを今すぐやめて。なくすものが多すぎる。わたしは、わたしの同胞たちは哀しいと云っている。


2020/07/02 

ソーシャルディスタンスで腐っているかと思いきや、(俺の時代や! とうとう俺の時代がきた!)と先祖帰りスタイルを脱ぎ捨て、黒の長髪カツラとコジャレたマントに身を包んだ中田が日本刀を手に取った。

「皆のもの、尻の穴かっぽじってよく拝聴しろ。オタクは子供。オタクはアカン。これだからオタクは。オタクは二次元と三次元の区別がついてない。オタク、オタク! とオタクをガッツリ下に見てきた光属性どもに、煮え湯を飲ませる時代が来たぞ。時は満ちた。ヤツラの失笑でどれだけの人間が殺されてきたか……機神界は危険だから行くなという一言で、どれだけの才能と人間、本来あったはずの学び場が無駄死にしたか……!」

中田は若い舎弟の一人が持つ、赤い剣の『粋』という名前にちょっとドキドキとした。粋マジかっこいい。ときどき全裸で粋に闘うのマジ面白い。(←ゼノブレイドの最強装備。重要場面でこうすると映像に反映されるので全編ギャグになる)

中二病と蔑まれても粋に意気揚々と生きよう。だって俺にもサムライ魂、あるんだもん。現代ヤクザだけど本当はチャンバラやりたかったもん。「ホムスは巨神界で草だけ食ってろ」って、それホント酷くない? 上から下まで都会じゃねえのよ。俺ちょっと山王会の加藤会長さんにも同情しちゃったよ。あのひと上がアホだったから桜花乱舞発動しちゃっただけで、最初から逃げ場なかったじゃん……上役の命令がないと動けないけど、「責任とる時はキミお願いね☆」って人柱にされてる今の俺と同じじゃん!!(←待望の暖簾分けで反抗期タイム終了。自立の兆しが芽生えた)

「我々の総合芸術の恩恵を思い知るがいい……! 倍返しじゃあああ! ひれ伏せぇぇぇ!!」と号令をかける中田若頭。HEY! HANAGE! とペンを握って走り去る花菱会の舎弟たち。明治維新の獅子たちの生まれ変わりがウッキウキ。

そこに現れた金の亡者。本職は守銭奴の武器屋が、明らかにカツラとわかる金髪の三つ編みで登場。大きく開けた胸ぐらと、じゃらじゃらとしたウエスタン・アクセサリー。威風堂々とした腕組み、自前の口髭からは元美男力士の面影がうかがえた。

「……かつて、花菱会がまだ海の幸とも山の幸とも知れなかったころ」

花菱同人界の大御所、ジョリー……中田は塩見サンショウウオの二つ名で親しまれたコスプレイヤーとしてのほこをおさめた。コンテンツとして別ジャンルとはいえ、彼はその名前を知らぬ人はモグリと呼ばれるほどのアーティスト……そして今は漫才コンビ『摩天楼』を結成しようと自分が誘っている、森島のかつての戦友。『やってもいいけど、私は「ごきげんよう。美輪明宏です」しか言わないわよ』って、それちょっと荷が重い。俺、鼻の頭を引き上げながらバンソーコー貼っていい感じに音はずして歌うから、淡谷のり子の真似して『小生意気な青二才め』って顔で『クソが』とののしってほしい。

加齢により集中力の途切れる中田をよそに、男は背中を向けて、窓辺で葉巻をくゆらせ始めた。

「ボクはその当時『澤野池ジェリー』というペンネームで、コミックマーケットに出品する作品を、四股四股シコシコと書いておりました。皆さん御存じのように、関西人にあるまじき人見知り属性。花菱会のマザー・テレサ、森島君にそそのかされ……彼はシリー。ポッポ。クロー、ペーという鎮魂の下僕を従え、『ブルテリアのシローを愛でる会』を結成。合言葉はアバダケタブラ。闇の魔術に身を寄せながら、テレビがグリフィンドールの宣伝しかしないのを鼻で笑っておりました。いかにもな敵役が出てきたらスパイに決まっていると、名前を言ってはいけないあの人が教えてくれたんだフォイ。バタービールはママの味」

ジョリーは剃り残した顎髭をチッと掻いた。「そのときのボクはどちらかといえば猫派だったが、仲間はずれが怖くて言い出せなかった……ブサカワ犬のシローを膝に乗せて、Gペンを握る毎日……」振り返ったジョリーがくわえていたのは、キューバ産と書かれた魚肉ソーセージだった。

「たまの休みに野球漫画がやりたいとボソボソ喋ってみたが、森島君はニッコリ『却下』、ポッポは『おいどシリーズはやめたい……君らは日本裏文学のシリアナ音頭を信奉してきたせいで周りが見えてない。そのうち飽きられて放送禁止用語を連呼するだけの三文パロディ作家になるだろう』と言い、クローは『カアカア』と鳴き声をあげ、ぺーは『シバレン老師から中国に来て日本の遣唐使にならないかと薦められたのである。朕は中国極道のことを書物に遺すため花菱会の門を叩いたのである。ペンはペンでもジャーナリストとしての責務があるのであーる』と口ずさみ、ボクは……(自分がいるせいで皆ばらばらだ……死のう)とドレミの歌を口ずさみながら耳をふさいだんです」

中田はハッとして持っていた刀に映るおのれを見つめた。シワが一本増えてる。生え際の魔術師が後退している。長台詞はほとんど聴いてなかったけど、聞き返したほうがいいんだろうか。独白は続いた。

「ある日ポッポが『自分の前世は鳩だった気がする』とポツリとつぶやき、印刷にうつらぬ原稿用紙の青枠の外側に『ハトとラブするハートフル オレのココロはハートフル ハートフルフル ハートフル』と書いてぺーに回したところ、『鳩恋心満 俺心鳩満 鳩密密密 鳩満多密』とぺーが書いた。それをクローが『オイラは鴉だから。嫌われもののカラスだから』と泣き始め、ボクはこう言いました。『よせよ! そんな戯言を言うなよ……!! 世の中には突然裸になって徘徊するやつとか、噴水の水かぶって躍り狂うやつとか、シラフで裸足になって深夜にアスファルトの上を歩き回りながら月に向かって歌っていたら異世界に行っちゃって、血塗れの赤い足で自分の上履きを探しながら家に帰るのに十時間かかる奴とか本当にいるんだよ……! それくらいわかれよ!! そんなのも、いていいんだよ!! 自分が傷だらけになっても、人を傷つけさえしなければ……ボクはっ……ボクは君たちのことが……君たちがいるだけで……本当に、ボクは……ッ』」

中田は鼻をすすり上げた。皆まで言ってくれるなとばかり、ジョリーは目頭をつまみ上げた。花粉症本当にツラいよね。マスク売ってないし。

「そのときボクらのシリーが……『クック クックー♪ クック、クックー♪ 黒いトーリー♪』と、らしからぬ明るい美声で、ギターを弾き始めた。その日ボクらは思い出したんだ。奴らに支配されていた記憶を。ヤツらに支配されていた恐怖を……鳥籠の中に囚われていた屈辱を!」

中田はひょっとしたら彼も自分と同じで、自らの怒声により鼓膜がイカれてるのかもしれぬ、と思って「あなたが落としたのは、金のアマビエ様ですか。それとも銀のアマビエ様ですか」と小さな声で言った。ジョリーは期待通り、小馬鹿にしたように鼻で笑った。

「そんなもんビリケンさんに決まっとるやろがい。なんやポッと出の三又人魚風情が。いてこますぞワレ。あやかし界舐めとったらアカンで!!」
「ああ。補聴器の調子が悪くて、大変失礼を致しました。引き続き『老練なビリケン』ストラップを御贔屓に」
「……おカシラ、悪い。山王会の『これがあったら不老長寿も不労所得も不老不死も万全! アマビエの神素水』買うてしもた」
「枯れの美学はめっちゃわかるけど、みえっぱりと思われても美形路線も捨てんとこうな。虚像があってもなくても、俺はオレ、君はキミ」
「ごっつぁんです!」

両者は向き合い、枯れ葉散る鉛筆のホッソリしたしだれ具合、枯れ葉散るマジックインキの肥ましさを噛み締めた。ジョリーはパーフェクトヒューマン中田の肩をポンポンと叩き、来たときより背筋を伸ばして去っていった。中田は内心、(……なんだったんだろう)となりつつも、微笑みを浮かべた。(ビリケン人形、作っといてよかったかも)と、胸元の御守りを出そうと手探りで探った。「あ。財布すられてる」


2020/07/01 

サーバー戻ってた。前ブログです→三次元ブログ

宮迫さんと中田さんのYouTube対談が面白い。あっちゃんの洗脳なんちゃらブランドのインパクトよ(後ろにかかっている)。中田さんのカードゲーム買おっかなあ、とずっと迷ってましてね。ただする相手もいないからひとり落ち込んでるのでゲーム版作っていただきたいな。いまswitchでグノーシアやってるんだけど(ひとり人狼ゲーム)。ハンバーグ師匠は普通のオモシロ動画より自然体が楽しいね。すべって楽屋で半泣きしてるだけの動画とか。あー、誰も見てない見てない! 大丈夫大丈夫!(見なくてもだいたい想像つくのが笑)

渡部さんについて勝俣さんが全方向から真面目に語ってて好感度しかないんだけど、音ワレがすごい……誰か助けてあげくれ……スタイル抜群なのだから寛平さんルックのコジャレ路線に戻して、芸人路線やなくて同じ勝つ勝つ繋がりで、勝間和代さんみたいな番組作っていただきたいなー、とか。勝間さんテレビ時代とは別人ですから、楽しんで勉強させてもらってるんですけど。フェミニズムはね、女性が語るフェミニズムは結果的に男女共に生きづらくさせるから……でも見たところ今回の話に漫才師の中年男性は誰も苦言してないね。漫才の後継がなかなか育たなかった理由もそこやろなと。

東京の夜の遊び場はどうなんやろね。大阪は雑多な場所と住宅は徐々にきっちり分かれてきたから、テレビで見るほどの喧騒はなくなりました。昔ながらの役者さんの遊び方を学べる機会があるといいんちゃうかな……落語家も遊びがないといけないでしょ。漫画はね、エログロの存在について私は否定的な物いいをしたことないですけど(あったらごめん見逃して)、その時代の社会背景を現しているし、服を着た絵だけ描いてたら上手くならんのですよ。お金になるから汚いものを描いてるんでしょーという見方をする人もいて、それはそれ仕方ないなと。違うジャンルからの苦言をしっかり聞かないと、発展しないで停滞するしね。

落語家の二代目が絵のアーティストに「ペンと紙だけで稼げるなんて安くていいですね!」って悪気なく言ってて。絵描きはイラッとくるやもしれませんが、でもまったく悪気ないんよ。昔の噺家は口だけで稼げることが名誉だったと思うからね。「いえいえ、口だけなら元手ゼロ円ですから、落語家ほどコスパよくないですよ!」とかソンタクで言えなくなっとるけど笑。着物着て偉そうにふんぞり返るのは二流三流。実際その人、落語は全然おもしろくはないけど大阪じゃ人気なの。なんかおばあちゃんに愛されるものがあるみたい。



2020/06/30 

泉佐野市のふるさと納税勝訴、よかったですね。私はふるさと納税一度もやったことないですけど、アマゾン券のことはともかく泉佐野だけ省いたろって話には「ええ? それとこれとは違うでしょ!」となってて……そんなん泉佐野市民だけ損になるやん……市民還元の実感なんてあってないようなもんやのに、イメージだけ悪くなるって。いま住んでる場所に還元したろ、というのが一番よいけれど。国も始めたからには、いけるとこまではやり通さないと。

泉州タオルめちゃくちゃいいですしね。値段少しだけお高めなんだけど(フェイスタオル300円、バスタオル700円、バスタオル大1000円)、いいタオルにありがちな「うわ……まったく吸わへん……」なんて悲惨なことにならない。今治タオルもいいけど、色が白一辺倒で汚れの染み付きやすいからコストかかりすぎる。雑巾にするときも白では不便。泉州は十色くらいあってどれもいい。ガンガン洗濯機かけても手洗い適当でも買いたてに戻るから、近所のスーパーじゃ品質も色味も落ちたニトリのタオルより売れている。最近は100均のタオルも全然吸わないマイクロファイバーはやめていいものもあるけど、泉州タオルは非常におすすめですね。地域還元で生きたお金にしてくれたら、誰も文句は言わなくなるよ。時間はかかるだろうけれど。久しぶりの明るいニュースだった。


2020/06/30 

皆それぞれの理想があってもいいのだけど、押しつけあったら崩壊の合図やなあ。


2020/06/29 

老眼にはさすがに早い(と思いたい)んですけど、新ブログテンプレートが小さすぎて豆にしか見えない……よくあんな小さな画面でガラケー小説書いてたなと。そのうち変えます。フリック入力はスマホ打ちからタブレット打ちに切り替えてだいぶ楽になりましたので、もう少し待ってね。




2020/06/28 

女遊びが芸の肥やしか否かみたいな議論に発展してるらしく、「ほなら女芸人より客足が少ない男芸人は全員廃業やね」とか全てにアホらしくなってる今日この頃。それはそうと「破天荒がいい」みたいな風潮があるわりに、破天荒な人ってなかなかいないなと思って、(……ひょっとして皆ハテンコウの意味間違っとんちゃう?)と恐ろしい事実に気づいてしまった。破天荒ってむちゃくちゃすることやないし、常識はずれを押し通すという意味やないんですけどね。まあでも、もうそんな使われ方ですけど。

エンタメ関連はいろいろ衰退一途という感じで、おそかりしうらのすけ。気持ちの悪いことになってしもたなあ、と尻の座りが悪いと申しますか、『エキセントリック少年ボウイ』とか聴きながらしんみりしとります。私も振り返ることが増えました。そう、あれは私がマサチューセッツ工科大学でプラナリアの研究に勤しんでいたころ……テレビは細菌しか話す相手のいないわたくしの孤独感を和らげてくれる楽しい玉手箱だったのです。それがなんということでしょう。開いた玉手箱の先で繰り広げられるのは音姫様との宴で行われたハレンチ話ばかり。そりゃマンマはYouTubeとどうぶつの森やるし、ジイジはBSで猫だけ見るわなって。

ハレンチはそりゃヤっとる人らは楽しいですよ。描くとき書くときは手足が六本になってないか必死にチェック入れるだけですけど。なろう作家の方に座っていただいたほうがオモロイ話聞けると思うな。




2020/06/21 

津軽ラップはフランス語にしか聴こえないな……おしゃれ。


2020/06/20 

ピン子さんのコロナ後の気持ちの移り変わり、素敵なことだと思います。なにかあると考えが変わったりするよね。え? 私はコロナじゃ何も変わらんかったわ……たぶん冬はもっと変わらないかんのでしょうけど、生活から心構えから全く同じだわ……強いていうなら、フロスちゃんとやるようになった。虫歯できやすいのに歯医者いけなくて困ったから。なんか根本的に間違ってるんだろうけど、まあエエかと。大災害がある度に思うんですけど、なんのかんので、つつがなく暮らせるって幸せな話ですよね。

続きはそんな雑談→


2020/06/19 

もう少し芸能話題。不倫は飽きたので言及しとりません。古傷が痛む人は安心してどうぞ(これは……罠だ……!)→


2020/06/18 

中国、韓国、その他諸々、性教育の話とか。追記に→


2020/06/17 

安かったので自分たちで洗濯機設置することにしましたら、蛇口がやられてて水浸し。深夜に響くお母さんの「止水栓とめて!」。止水とか庭の蛇口いじるときしか触らないですから、完全に寝ぼけててあっぷあっぷ。なんとか止めたけど半日断水。翌日ホームセンター(復活!)で緊急止水蛇口買ってきまして、レンチで外すだけなんだけど怖くてできなくて更に半日節水。終わってみれば、たいしたことない作業なんだけど、久しぶりのトラブルで精神的ダメージくらっちゃった。

準備のない断水ホントにきつい……被災時は真っ先に風呂場に水張りますから困ったことまだそんなにないけど、非常用バッグ作らないとなあ。お茶と水と非常食だけはいつも用意してあるんですが、心がけはなあ。戦争経験あり幼い頃に井戸暮らし経験ありのジイジが一番慌てる始末。



2020/06/16 

うちの母校の生徒会長、卒業式だけ頭ムラサキ色のモヒカンにして祝辞読んだ問題児でしたけど。今でも覚えているのは、(ああ、これが最後の油絵だな)って、どこにも出す予定のないキャンバスに向き合ってるとき、後ろでイチャイチャしだしたカップルにドスのきいた声でキレて。「ちょっとお前らこっち来い。彼女は絵を描いてる。ここは絵画室や。外で話すぞ」って。

ギャハハハって嗤ってた二人組が、一時間後に戻ってきたら真っ青で。ごめんなさいってわたしに頭下げてきてビックリ。生徒会長のほうは「大声出してすまんかった。続きをがんばってください」ってさ。

はみパンしてみたりクラスで四人しかいない男子全員で丸刈りにしてみたり、オモシロイ人だなーくらいに思ってたけど。頼りがいありましたよ。生徒会長って、そういう人のこと言うねん。甘やかすだけ、かばうだけが下の人の信頼を勝ち得ると思ったらいけないと思うの。好きなだけに厳しい書き方しちゃうからよそうと思ったのだけど、他に叱れる人もういないから。終わります。


2020/06/16 

さんまさん「一般の人に言いたいのは「この笑いはいらないのか」

あ、いらないです(キッパリ)。

ズレてきてはるのか、もともとそうだったのが年取っても変われないままで、愛想笑いまで本気にしてしまったのか……私、50越えた従兄弟が知的障害なんです。とうの昔に施設入ってるからトイレは使えないけど。多目的ホールがどうとか……叱咤を含んで馬鹿にすることで後輩に追随させないような笑いならまだしも、本気で許される類いのネタだとおっしゃったなら史上最悪だわ。悪意のある抜き取り捏造記事と信じたいけど。やはりこの話だけは不倫問題として扱うべきではないですね。人間の話なんですよ。蒟蒻とちゃうねんで。似たような話でレイプ事件もあったでしょう。想像力が足りてない。男女共にひどい。

目の前で大便漏らした同僚を鼻であざわらって無視した若い女の話、書いたんですけど。あれ、私の目の前で本当にあった話です。人間の質が戦中以下になってる理由は、それだけ国が貧乏になったからもありますが。遠くの国の不幸話にばかり夢中になって、国内の現実を直視してこなかった中高年側の責任も大いにあると思っています。もちろん私も含め。しっかりしてください。。

たとえ今日死にかけの目上であっても、昨日生まれた子供であっても、度を越しておかしい態度についてまでおかしいと言えなくなったら、ホンマに「日本終わっとる」ですよ。時代のせいにしちゃいけない。そんな下劣なお笑い、私はいらないです。酒の席でひとりで勝手にして。


2020/06/14 

殿、そこは口ごもったらいけませんよ……正答は「ワタクシは百億とんでもう百と一億貢がせていただく覚悟で二度目の結婚を致しました。奥方には今後、半世紀かけて七つの黄金のトイレを作ってさしあげる所存でございます」←これですよ(そんなわけない)。

個人的には世紀の肉便器事件を不倫と呼ぶのに抵抗がありますけども。ふなっしー探偵なんの関係もないのに可哀想すぎる。不倫に関してはしたいと思ったこともできると思ったこともありませんが、昔むかし、母の職場の同僚の素敵な(?)不倫話をしておきましょうか。



2020/06/14 


2020.5.14付けのサーバー障害で表示されなくなったページが確認されています。

幸い編集側のデータは残っておりますので、随時復旧していけたらなあ(希望)

ブログのサーバー中心で飛びましたので、リアタイがわりに小話やってます↓

生存確認

かしこ

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