1‐5 約束だからな?




鈴村「え…あぁ。そんなことでいいなら」

滝島「どわーっ! 滝島復活!」

鈴村「滝島?」

滝島「今の無効だからなっ?」

成瀬「滝島くん。何が無効なんだろ? 俺は拓郎ちゃんと約束したんだよ?」

鈴村「成瀬?」

滝島「テェ、ここが何処だかわかってんのか!?」

成瀬「学校の教室」

滝島「わかってんなら、拓郎ちゃんに抱き着くな!」

成瀬「君だっていつもしてるじゃないか? こうして」

鈴村「ぇ?」

滝島「やめろっ! 成瀬!」

成瀬「何を?」

滝島「拓郎ちゃん、放して」

成瀬「ふ、馬鹿じゃね? 誰がここでやるかよ? 俺には明日があるんだからな。こんな大衆が見守るなか、できるわけないだろ?」

石田「そのとおりです。あなたたち、今は授業中なのですから、席に戻りなさい」

鈴村「あ、石田先生も復活したんだ。よかった」

滝島「てか、今更、キャラ戻すなよな」

成瀬「まったくです。石田先生のおっしゃるとおりです。鈴村くん。滝島くん。いつまでもふざけてないで席に戻りなさい。授業が遅れたら、迷惑です」

石田「そうです。いいですか? このクラスは他のクラスに比べて数学のできがわるいです。これからはもっと真面目に取り組むべきです」

成瀬「と、いうことなので、鈴村くんも滝島くんも席について下さい」

滝島「……な、拓郎ちゃん。俺、切り替えのきくキャラじゃないんだけど」

鈴村「そんなこと言わずに、滝島くん、早く席に戻るようにしなさい」

滝島「た、拓郎ちゃん?」

鈴村「ぶっ…。馬鹿だぁ。なに目丸くしてんの?」

滝島「拓郎ちゃん」

鈴村「え、何?」

滝島「笑った。俺、俺。やばいんだけど?」

鈴村「はぁ?」

滝島「わかんないかな。すごくすごく久しぶりじゃん」

鈴村「………うわっ! 俺、馬鹿だ。忘れてた」

滝島「約束だからな?」

鈴村「俺、してないから。お前とそんな約束なんて」

滝島「どんな約束してないの?」

鈴村「そりゃ、一年間お前にたいして笑いかけなければ俺の勝ちだとか。もし、負けたら付き合うとか、そんなそんな」

滝島「覚えてんじゃん? ちゃんと」





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