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ブブブブブ、と無機質な音が寝室に響く。私はお尻を高く上げて、翔さんのそれを愛撫していた。膣内に入れられたバイブが暴れる。気持ちよくさせるためだけに作られたその機械は、簡単に私の頭の中をドロドロに溶かしていく。「ううっ、むっ、んんんんっ」
この機械だけで、何回目の絶頂だろう。身体はクタクタでもう無理って思うのに、またすぐに昇り詰める。このセックスに終わりはあるのだろうか。翔さんと私の欲望が尽きるのはいつだろう。未だ硬く太い翔さんのそれを必死で愛撫しながらそんなことを考えた。
「すずちゃん、今日だけで何回イッた?」
何回?多分途中で数えるのをやめてしまった。頭がおかしくなりそうな快感を受け止めるだけで精一杯だ。
「ずっと我慢してたから歯止め効かないや。無理させてごめんね」
翔さんは申し訳なさそうに眉を下げる。私だって同じだ。もう嫌だって思ったら、突き飛ばしてでもやめてる。私は翔さんのそれから口を離して起き上がり、翔さんに抱きついた。
「翔さんが、いい」
「ん?」
「もう、バイブやだ。翔さんと繋がりたい」
1ヶ月、私だって我慢したのだ。翔さんと触れ合いたい。1つになりたい。頭がおかしくなるくらい犯してほしい。そればっかり頭の中にあった。だから。
「翔さん、お願い、もっといっぱい抱いて……」
目の前にある翔さんの喉仏がゴクリと上下したのが分かった。
「……うん、俺もすずちゃんと繋がりたい」
翔さんは私をベッドに寝かすとバイブを止めて抜いた。そして翔さんのそれを充てがう。何度も受け入れたのにドキドキする。無機質な機械とは違い、熱くてたまらない。ズッ、ズッ、と少しずつ入ってくる。心臓はドクドクと高鳴って、もう離さないとでも言うかのように中は畝って翔さん自身を締め付ける。翔さんの気持ち良さそうな顔が愛しくて、手を伸ばした。
「っ、はあ、気持ちいい……」
「かけるさん……」
ドロドロになる。心も身体も。翔さんの存在を感じる。セックスが気持ちよくて幸せなものだと知ったのは、翔さんのおかげだ。
「すき、すきぃ……」
「……ん、俺も……」
翔さんがゆるゆると腰を動かす。気持ちよくて幸せで胸がいっぱいになる。
ちゅ、ちゅ、と触れるだけのキスを繰り返す。至近距離で目が合ってどちらからともなく笑みが溢れる。抱き合っていると1つに溶け合えたみたいで、幸せ。
「はぁ、ダメ、俺今日ほんと早いね。もうイキそう」
「いいよ。中にいっぱい出して……」
「すずちゃん……」
キスが深くなる。ガツガツと腰を打ち付けられる。私は必死で翔さんを受け止めて。
「っ、あ……」
「んん……っ」
びゅる、びゅるる、と奥の奥で吐き出されるのを感じた。ドクドクと脈打つそれを私の中は最後まで搾り取ろうとするかのように締め付ける。
翔さんの綺麗な顔が快感に歪むのが好き。私はまたキスを強請った。
「これで終わりにしようとしたのにまた勃っちゃうでしょ」
翔さんは苦笑いする。それでもいいって思っている私はもう頭がおかしくなってしまったのかもしれない。
「このままだと本気で抱き潰しちゃいそうだから寝よう」
翔さんは私の中からそれを引き抜くと、ティッシュで私の体と自分のそれを綺麗にして隣に寝転んだ。ぎゅうっと抱き締めてくれる。
「こんなにガッツいたの初めてかも……」
苦笑いした翔さんに私も笑う。身体が怠くてもう指一本すら動かせそうにない。明日の大学は自主休講だな……。
「翔さん」
「ん?」
「大好き」
「……うん、俺も」
翔さんが言っていた最高に気持ちいいエッチ。確かに気持ち良かった。でも翔さんと触れ合うのはいつでもとても気持ちいい。それが改めて分かったのだった。