甘い時間

「この前すずちゃんが辛い時に一緒にいてあげられなかったからさ。お詫び」

 翔さんはそう言って色っぽく微笑んで、私の手を引いた。
 媚薬事件が無事に片付き、翔さんが家に帰ってきた。ほとんど眠れていなかった翔さんはすぐにベッドに寝転がった。ご飯はちゃんと食べられていたのかな。心配になるけど今はとにかく寝かせてあげたほうがよさそうだ。
 ベッドに座り、翔さんの頭を撫でる。翔さんにこうやってしてもらうと落ち着くから。翔さんはチラッと私を見ると、私の膝に頭を乗せた。

「……すずちゃん」
「はい……?」
「愛してる」
「私もです」

 引き寄せられるように、唇を重ねた。触れるだけで、戯れるように繰り返していたキスが徐々に深くなる。……こうやって、翔さんに触れられることが。幸せすぎて涙が出そう。
 私を見上げる翔さんの顔は、感嘆のため息を吐きたくなるほど美しい。スベスベしていてキメの細かい肌も、長い睫毛も、綺麗な二重も、高い鼻も、ふっくらとした唇も。全てにおいて均整が取れていて完璧。でも、私が好きなのはそれだけじゃない。私を包み込んでくれる大きな腕。引き締まった身体。広い背中。柔らかい髪。甘い香り、長い指、体温、優しさ、甘さ、する時にちょっと意地悪になるところ。全部全部、大好き。

「翔さん」

 唇を重ねて、深く交わる。一つにはなれないかもしれない、でも、一番近くで触れ合っていられたら。

「この前すずちゃんが辛い時に一緒にいてあげられなかったからさ。お詫び」

 起き上がった翔さんが私の手を引く。そしてぎゅっと抱き締めてくれる。

「今日はずっと抱き合ったまましよっか」

 休まなくていいのかな、と少し思った。でも今はそれより触れ合っていたいと、きっと翔さんも思ってくれているだろうから。
 頷いた私の唇を、翔さんは長い指で触れる。ふにふにと突かれて、思わず笑った。

「……可愛い」

 ふっと笑うと、翔さんはまたキスをくれる。長いキスの後、ゆっくりと私の服を脱がしながら首筋にキスをした。熱い唇と舌が肌を伝っていく。気持ちよさに思わず甘い息を漏らした。

「ね、すずちゃん、俺のこと見てて」

 ブラを取り去って、勃ち上がった乳首に舌を這わせながら翔さんが囁く。翔さんの愛撫でピクンと震える体。舐められて赤くなる乳首が卑猥だ。

「っ、はぁ」
「足開いて」

 腰を抱き、翔さんは脚の間に手を伸ばした。下着の上から気持ちいい突起を押される。必死で翔さんの服を掴んで快感に耐えていると、翔さんは一旦体を離して服を脱いだ。素肌に指を這わすと、翔さんは嬉しそうに微笑んだ。乳首を舐めながら、翔さんは下着の横から指を挿れる。くちゅくちゅと恥ずかしい音が響いて、入ってきた中指をきゅうきゅうと締め付けた。

「ああっ、翔さん、気持ちい……」
「ん、すずちゃん、キスしよ」

 翔さんを見下ろすと、翔さんは微笑んで私を見ていた。いつの間にか増えていた指が中でバラバラと動く。その上親指で突起を押され、快感で目に涙が滲んだ。
 ペロッと唇を舐められる。私はその舌に、自ら舌を絡めた。その間にも体は確実に絶頂に近付いていて。

「ふ、んんんっ、ん」

 目の端からポロッと涙が溢れると同時、私は体を震わせてイッた。

「すずちゃん、おいで」

 服を全て脱いで、私に手を伸ばす翔さんの腰を跨ぎ。充てがわれたそれを呑み込んでいく。気持ちよくて喉が鳴る。苦しい、でも、気持ちいい。

「翔さん、すき」
「んっ、俺も、好きだよ」

 ぎゅっと抱き締められ、私は翔さんの肩にしがみついて。密着したまま互いを求める。翔さんの体温が直に伝わってきて幸せ。何度も唇を重ねながら愛を伝え合う。私は翔さんと出会えなかったら、こうやって体を重ねるのが幸せだって一生知らなかったかもしれない。翔さんは綺麗で色気がすごくて、とても魅力的な人で、ものすごくモテる。でも、それだけじゃない。翔さんの弱いところも、全部全部が好き。

「っ、はぁ、すずちゃん。今日はずっとエッチしてようか」

 そうやって、甘く微笑むのはズルい。きゅんと子宮が疼いて、翔さんのそれを締め付けた。

「ね、ここも喜んでる」

 翔さんの長い指が気持ちいい突起を押して、体が跳ねた。そこ触られたらすぐにイッちゃうのに……。私の体は、翔さんから与えられる刺激を全て快感として受け入れていく。かりっと乳首を噛まれても、体がびくんと震えて止まらなかった。

「すずちゃん、今日だけで何回イけるか数えてみる?」

 優しかったり、甘かったり、意地悪だったり。私は今日も翔さんに翻弄される。

「……もうほんと、可愛すぎてクセになる」

 ぎゅっと抱き締めてくれる翔さんも、少しは私のことで頭がいっぱいになってくれているのかな。そう思いながら、翔さんにしがみついて果てた。

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