キスしたい

「ちゅ、んむ、ぁっ」
「奈子ちゃん、まだだーめ。もっとちゅーしよ……」

 いつもみたいにホテルに来て、エレベーターに乗った瞬間唇を奪われる。あまりにも長い時間舌を絡めてくるから息が出来なくて、唇を離そうとすると頬を両手で挟まれる。

「ねえ、奈子ちゃん、今日はずっとちゅーしながらえっちしよ……」
「ん、唇腫れちゃう……」
「明日クリーム塗ってあげる」

 エレベーターがスイートルームに着く直前に横抱きにされる。もちろんキスしたまま。必死でしがみつくと、私を抱っこしながら三木村さんが歩き出す。スイートルームのカードキーを差し込むのもキスしながら。三木村さんは器用だなぁ。

「奈子ちゃん、大好きだよ」

 みんな、知らない。三木村さんがこんなに甘いキスをすることも、甘い声で囁くことも、甘い言葉を何度も何度も。

「私も、大好き……」

 ベッドに下ろされると、自分から抱きついて唇を合わせた。全部全部、私だけが知っていたい。誰にも渡したくない。誰にも見せてほしくない。私ってこんなに独占欲強かったかなぁ。
 服を全部脱いで、素肌で抱き合う。キスをしながら押し倒されて、三木村さんの指が中心に触れた。

「奈子ちゃんもう濡れてる……。キスだけで感じちゃったの?」
「三木村さんだって、もう大きくなってる」
「うん、触り合いっこしよっか」

 私も三木村さん自身に手を伸ばす。大きくなったそれを拙い手で上下に扱く。

「あっ、あ、ぁあっ」

 長い指が中に入ってくる。私の気持ちいいところを知り尽くした指は、それはもう簡単に私を絶頂へと導く。私の指じゃ届かない、奥の奥をいじめて。

「イく、イく……!」

 中に入った指は、バラバラに動き回る。爪先まで力が入り、シーツを握る。親指で敏感な突起を押されれば一瞬だった。

「っ!あ、ああああ!」

 ビクン、ビクンと身体を跳ねさせて、深い絶頂に身を落とした。ずるんと指が引き抜かれる。私が呼吸を乱している間、ちゅ、ちゅ、と優しいキスを唇や頬や額にくれた。


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