meal



「「「………」」」

「……」



昼食。食堂に訓練生が集まりそれぞれが食事を取る。この4人もまた同じである。



「柴崎…」

「お前…っ」

「ワニか蛇か!?変温動物か!?」

「人間で恒温動物だけど」

「「じゃあなんだその少食っぷりは!!」」

「もう少し食べたほうがいいぞ?」

「これ限界なんだけど…」


前に座る赤井、花岡は自分達より遥かに少ないその食事量に目を見開く。隣に座る烏間も悩ましい顔をしている。




「もっと食べろよー。倒れるぜ?」

「赤井の言う通りだ!ほら、柴崎食え!」

「いらない」

「ならせめてこれだけ飲め」


渡されたのは野菜ジュース。


「…これくらいなら」

「烏間甘ぇ!!」

「黒砂糖のように甘ぇよ!」

「お前らは煩いよ。それから箸で人を指さない」

「食事中だ。座れ。立ち上がるな」

「「オカンとオトン…っ!!」」

「「誰れがだ!」」


烏間は花岡を、柴崎は赤井の頭を叩いた。2人は痛かったのか頭を抑えて唸っている。




「…でもよ」

「ん?」


烏間から貰った野菜ジュースを飲みながら口を開いた花岡を見る。



「その食事量で、あんな重い回し蹴りするんだよな…」

「…あぁ、あれはマジで痛そうだった」

「やられたの俺だぜ?マジいてぇ」

「骨折れたか?」

「ギリギリセーフだ」

「あのね、人を殺人マシーンみたいに言わないでくれない?」

「お前ら柴崎に失礼だぞ…;;」


真面目な顔してとても失礼な事を話す前2人に柴崎は持っていたパックをグッと握って烏間は呆れた顔をして水を飲んでいた。




「身長は?」

「175…かな」

「ほーぅ。体重は?」

「…63」

「「63!?」」


ガタガタと立ち上がる赤井と花岡。信じられないという顔だ。え、そんなに?と烏間に同意を求めようとすれば



「…63?」

「止めて。烏間まで何。傷付く」


コップ片手に驚いていた。なぜ。そんなにか。



「おま…っ、お前は何になりたいんだ!?」

「モデルか?モデルなのか?ここ防衛学校だぜ?行くとこ間違ってんよ!」

「馬鹿2人煩い!」

「だっからこんなに腰細ぇのか!」

「なのにあの蹴り…!」

「「恐れ入りますー」」

「…今度の訓練の時、組手覚悟しとけよ」

「ご勘弁を!!」

「申し訳ござらん!!」

「申し訳なさ皆無だな」

「それね。どの口が言ってんだか」


机に額をくっ付けて謝る2人を無視して烏間と柴崎は席を立つ。



「あれ、どこ行くんだよ」

「俺らの謝罪駄目だった?」

「大丈夫」

「流石柴崎…っ!」

「優しい…!」

「元々駄目だから」

「「…何っ!?」」


嘘だろ…!と言った様子の2人を振り返って財布を見せる。


「自販機だ」

「午後の飲み物買っておこうと思ってね」

「あ、なら俺もー」

「ちょ、待て待て、俺まだ食べ終わってない…!」

「お前は食べてていいぞ」

「そうそう。急がなくていいって」

「急いで喉詰まらせても大変だしな」

「烏間…!柴崎…!赤井…!」

「「「置いて行くから」」」

「畜生!!感動を返せ!!いや、友情を返せ!!」



その後急いで食事を掻き込んで口をリスのようにしてやって来た花岡を赤井がこれでもかとその口を押さえつける。


「ふむー!むー!」

「ぶっはははっ!何言ってんのかわっかんねぇよ!」

「ちゃんと噛まないと」

「急いで食べるからだ」

「お前らはマジでオカンとオトンだな」

「「赤井…っ」」

「ジョークじゃんか!」

「むー!っ、くひはなひぇ!(口離せ)」

「おー、悪い悪い」

「…あー、ムンクになるところ」

「それはそれで笑いもんだな」

「笑い死にそう」

「花岡のムンクとか…っ!ツボるっ!」

「止めんか!お前らは!ちなみに俺も想像して笑えたわ!」


そして自販機につき、柴崎はポカリ、烏間は水を。赤井と花岡はまだ悩んでいる。


「っし、決めた」

すると、指をピースさせてレモン水とポカリを同時に押した。それを見て笑う柴崎。呆れる烏間。


「あははっ」

「…普通に選べないのか」

「っあー!レモン水だ!」

「おー!そのやり方いいじゃん。俺もやろ!」


花岡もまた赤井と同じ様に指をピースさせてお茶と水を同時に押した。


「水!…お茶が良かった」

「なら最初からお茶押せよ」

「いや、お前の見たらしたくなった」

「そうか。なら仕方ない」

「仕方なくはないと思うな…」

「面倒臭いなお前ら」


それぞれ買った物を持ち、また午後の訓練へと向かったのだった。


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