まだだ。
ペイント弾がついたとしても、逃げ切ってしまえばいいだけだ。

再び走りだそうとした私の足元にバシュッ!バシュッ!と続けざまに銃弾が撃ち込まれた。

「俺から逃げられるとでも思ったのか?」

尾形さんだった。

いつの間にこんなに近くまで来ていたのだろう。
尾形さんに手首を掴まれ、グイと引き寄せられる。

「言ったはずだ。お前は俺の女だと」

やだやだ!と抵抗するもむなしく、片腕だけで軽々と尾形さんに抱き上げられてしまった。

「その身体に俺のものだとしっかり教え込んでやらねえとな……覚悟しろよ、なまえ」


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