「──お仕事…ですか…?」

閉じていた目を開けると、未だ情欲に濡れたままの男の瞳が絡みつくようにこちらに向けられていて、なまえはたまらず再び目を閉じた。

「ええ、大総統直々のご命令でしてね」

しっとりと心地よい肌を軽く愛撫し続けながら、キンブリーが囁く。
耳元で吐息と共に低い声音で囁かれて、なまえはびくびくと背筋を震わせた。
濃厚な情事の直後で敏感になっている身体には刺激が強すぎる。

事情は聞いた。
人造人間(ホムンクルス)の事も賢者の石の事も、すべて聞かされた。
そうして包み隠さず真実を聞かせることで、キンブリーはなまえの退路を絶ったのである。

「貴女にも一緒に来て頂きますよ」

血の匂いを嗅ぎつけた鮫が興奮するように、これから思う存分己の欲望のままに力を振るえることが嬉しくて堪らないのか、キンブリーは実に機嫌が良い様子でなまえの首筋に音をたててキスを落としていく。

「え、…っん、…でも……」

「今更私から逃げられると思わないで下さい」

「に、逃げるとか、そういうことじゃなくてですね、」

なまえが言い終わらないうちに、ピリとした刺激が首筋に走った。

「あ…っ!ちょ、痕が残っちゃうじゃないですか!」

なまえの抗議をものともせず、その鬱血に愛おしそうに舌を這わせながら、キンブリーは瞳を細めて艷やかに笑んだ。

「痕がつくようにやっているんですよ。貴女は私のモノなんですから」

くくっと喉で笑って首筋にゆるく歯を立て、甘噛みする。
恐れと快感になまえは身体を震わせた。


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