宮澪
「宮、おやすみ…」 「ああ、おやすみ。寒いから布団ちゃんと着てくれ」 「うん、あったか…はっ!そうだ!」 「あ?何だ急に」 「あのね、靖紀兄様が、お餅食べろって言ったの忘れてた」 「起きてから食べればいいのではないか?」 「違うの、なんか寝る前に食べないとダメって!ほら、最近一緒に寝てるじゃない?三日めの夜に餅食べるんだって」 「???」 「一口で食べれるのだって。一個ずつ食べよ」 「こんな夜(21時)に食べるなぞ…太りそうだな」 「だよね?」 「靖紀に聞けばよかろう。。。うん、上手い」 「本当〜美味しいね。明日にでも兄様か頼幸様に聞いてみる」 「?あ、そうか。仕事だからか」 「うん。聞いてみるね。ごちそうさま」 「ご馳走さま。ほら、早く寝ろ。3時には起こすぞ。」 「ぎゃー!無理ーおやすみっ。宮も寝ないと…んん…寝る」 「私は昼間に寝るっての。まあ、仮眠なら…」
彪桃
「ああ、桃世。すまぬな」 『いえ、今日は白湯でよかったのですか?』 「たまには休肝日とやらも必要じゃろ。桃世にもいつも晩酌に付き合わせておるし」 『そうですね(休肝日とか意識するならきちんとご飯も食べてくださればいいのにな…)』 「寒い日には白湯の方が温まるしな。ほら、桃世も飲め」 『はい』 「ん、今日は髪を下ろしておるのか。風呂あがりか?」 『はい、今日はいつもより早めに入らせていただきました。あの、何か…?』 「髪を下ろすと子供っぽく見えるなと思うてな。このかも童顔じゃがあまり歳が変わらぬように見える」 『そ、そうですかね…(子どもっぽい…)』 「そう幼げに見えると手を出しにくくて困るな。ははは」 『ひ、彪悟様!』 「冗談だ。」 『…あ、あの、彪悟様…』 「ん?」 『今日、その…もうちょっと一緒にいてもいいですか…?』 「気の済むまでいたらよい。布団も貸してやる」 『ありがとうございます(さ、さすがに一緒に寝たいってのは贅沢…かな…ぅぅぅ。)』
達郎&夕霧&匂宮
「よう、霧ちゃんー。なあ、暇してるんだけど手合わせやんねー?竹刀持ってきたからさ」 「遠慮します」 「冷たいこと言うなよ〜。霧ちゃんまだ現役だろ?稽古しねーと水妖のゴロツキに反乱起こされても鎮圧できねーよ?」 「その時は本気で叩き潰すまでです。死ぬほど後悔させてやりますからご安心を」 「ひーまーだーぜー!きーりーちゃーん!!!」 「まったく脳みそまで筋肉でできているのですか君は…」 「うっせーよ、達郎」 「お、宮ちゃん…?何その格好。お前女だっけ?」 「男だし恋愛対象は女。」 「何、変な趣味目覚めたの?ブフォww」 「はぁ?事情があんの。男苦手、って子の所いるから仕方なく。笑ってんじゃねーよ」 「へー。じゃ宮ちゃんでいいや。暇だから手合わせ…」 「かったるいしヤダ。飲み比べなら付き合ってやんよ」 「えー、昼間から飲めねーよ!」
彪桃
「おい、桃世」 『はい』 「カステラ持って来い。少々腹が減った故。あと、茶…何だ桃世。文句あるのか」 『あの、彪悟様』 「何だ。言いたい事あるなら言え。いや、書けか?」 『間食ばかりではなくちゃんとご飯も食べてください』 「知るか」 『知るか、じゃないです!健康のために!言っているのです!』 「熱さえ出ねばいいのだ」 『(咳だの鼻声だの、声枯れてるのに何言ってるんだろうかもう…!!傲慢じじ…おっと、彪悟様は…)』 「今失礼なこと思っただろ。誰がじじいだ」 『(へ!?)』 「顔に書いてある」 『(!?)』 「んな訳あるか。ほら、さっさと持って来い。我と桃世の二人分だ。桃世も休憩しておやつでも食え」 『…カステラ、私が食べてもいいんですか?』 「我のために美味しいものを用意してくれたのだろう?味は桃世が一番知っておろう?一人で食うより二人で食べたい」 『わ、かりました…』 「相変わらず表情がくるくる変わる娘だなお前は」 『(…)』 「笑った顔も落ち込んだ顔も怒ってる顔も全部面白い」 『酷い…』 「褒めておるのだが?退屈せず故我はお前の事気に入っておる」 『そうは思えません…(デリカシーなさすぎ…)』
宮澪
「あ、あの…宮…」 「何だ」 「そ、その…」 「?」 「私で、本当によかったの…?」 「…」 「宮は美人だし、かっこいいし、強い。私はいつも宮の足手まといにしかなってないもの…」 「それは。私を疑うという事か?」 「疑ってる訳じゃないよ!ただ、不安なだけで…」 「なら自信を持て。私はこう見えても一途だ。澪しか見てないし、澪の事しか考えておらぬ」 「…」 「初めてなのだよ、私も。好いた女にどう振る舞えばいいのか。不安だし、澪には嫌われとうないのだ」 「嫌うなんて有り得ないよ!」 「それを聞いて…安心した。私も澪が不安ならば何度でも愛を囁こう。恋の歌を読んでも構わぬ」 「…」 「嫌か?」 「ううん。…えっと、じゃあ私…宮の側にいていいの?」 「側にいてくれ」 「…こ、こんな私ですが…末永く…お願いしたいな…宮…」 「勿論。澪が天寿を全うするまで…いや、黄泉の国に行っても澪の心は私のものだ」 「…照れる」 「…私も言ってて恥ずかしくなった」
三年後A(宮澪)
「あ、靖紀帰ったんだ」 「宮…」 「ただいま。頼幸から『靖ちゃんなら今澪の見舞いに行っていたよ』と聞いたんでな。」 「そうだったんだ。。今日もお疲れ様」 「すまないな。お茶まで淹れて貰って」 「これくらいやるよ…まだ歩けるし」 「無理をするなよ。転んで骨が折れたり怪我を負うと困る」 「う…転んだりとかは気をつけるよ…でも、まったく動かないわけではないし、七瀬が歩く練習付き合ってくれるし」 「ほう」 「あのね…宮」 「ん?」 「返事してもいい?」 「ああ」 「えっと…白無垢が着たい…な」 「…」 「…」 「ああ、妖狐の里に一度帰って作ってもらおう。品質は保証しよう。私の知り合いに頼むからな」 「うん」 「本当にいいのか?」 「宮がいいの。ほかの誰でもない…貴方がいい」 「ああ。私も澪がいい。」
三年後@***
「見舞いに来たで」 「靖紀兄様…」 「無理して起きんでええよ。あとお茶も勝手に入れるから。おとなしく寝とかんねよ」 「ぎゃー!髪ぐしゃぐしゃ撫でないで〜!私もう子どもじゃないよ!21になるんだよ?」 「21なんざまだまだ俺にとっては子ども」 「むー」 「ええやん、たまにはお兄ちゃんも澪に甘えさせてや」 「36にもなって何言ってるのよ…兄上様…」 「んー。ただ兄妹水入らずでな、一緒にいたいだけやで。」 「でも」 「でもでもうるさい。いっつも宮君ばっかりでずるいんやもん」 「宮はこ、恋人だもん…!」
「俺、年上の義弟はちょっと複雑やで…。しかも宮君、むちゃくちゃやし」 「宮はね、最近凄く優しいよ?前よりも大好きで…その」 「その?」 「昨日ね、『赤無垢と白無垢どっちが着たい?』って…」 「陰陽寮の立場とか、人間と妖怪の婚姻とかいろいろ言いたいことはあるんやけど、俺は澪の兄貴として、澪が好きな奴と結ばれて欲しい」 「…うん」 「あ、それで満足してはダメやで。結婚して、子ども産んで育てるまで生きなきゃな。澪と宮君の子ならきっとええ子になると思う」 「うん…」 「だから、生きてくれな。それは宮君も一番思ってることやで。。」 「うん…ぐすっ…ひくっ…」 「ああもう、また泣かせてもうたわ…。澪は相変わらず泣き虫やねえ」 「こ、れでも…ひっく…泣かなくなった方なんだけど…」 「阿呆か、我慢するより泣いてすっきりした方がいいにきまっとるわ。澪は泣き虫なままでええよ。心が優しいんやからな」 「うん…。もし子ども生まれたら兄様にも抱っこさせてあげるね…!」 「楽しみにしとるで。どっちに似るやろうな〜」
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