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一体何が理鶯のスイッチを入れたのか。
翌朝は互いにハードな仕事が待っていると分かっていたのに結局眠りについたのは……何時でしたっけ。

翌日に引き摺るほどの倦怠感が、貴方が隣で眠っていた確かな証、なんて。素肌が気持ちいいから、と最終的に着ているものを全部取り上げられ、翌朝寒い寒いと騒ぐことになるんですが。



部屋へと招いた理鶯から「これが今年最後のクリスマスプレゼントだ」と先日贈ってくれたものとはまた別のものを貰ってしまいました。…先日もらいました、よね……？



理鶯に「クリスマスにプレゼントを贈りたい」と強請られてしまったので、悩んだ末に以前から気になっていた鞄をお願いしました。
自分が欲しい物は基本的に自分で買う主義なので、なんというか…照れるんですよね。見る度に貴方のことを思い出してしまう。大切にし過ぎて使うタイミングを逃しそうだな…という心配も少し。ふふ、大事にします。ありがとう、理鶯。



クリスマスディナーのかわりに、とでも言うのか…予定していたメニューが無かったので別のものになりましたが、これはこれで。
試飲した限りは飲みやすい赤ワインでしたが、やはり量は飲めないな…思っていた以上に簡単にコルクが抜けて笑ってしまったのも良い思い出、ということで。あの店のコルクはどうも…いや、あの時のあれだけがおかしかったのかもしれませんが。



お互い別々で持っとったペンを似たような時期に失くしてしもて、欲しいな〜て話をしとってんけど、なんやかっこええペン見つけてしもて。もうすぐクリスマスやんっちゅうことで、色違いのペンを買うたった。俺も学校で使うし、簓はネタ帳書くのにいつも使うとるからな。…あんま揃いのモンとか持たんけど、こういう実用的なんは、悪ないなって思うで。…月曜からまた仕事頑張れそうやわ。



久しぶりにやらかしたわ。いや、久しぶりかどうかは知らんけど。
…いつかのことを思ったら、もっとしゃんとせなあかんな。俺は今、簓の隣に立っとるんやから。



いやぁ〜………ふ、ふふ…盧笙はほんまに…んふふ。…むふ、やっぱやめとこ。

白ワイン一本あけてご機嫌な盧笙とええ時間を過ごさしてもらいましたっちゅうね！アヒージョとパンの組み合わせがむっちゃ最高やったな〜。あれはまたしたい。なんなら今夜も食べたいぐらいやわーって、流石に飲むんはあれやけど。週末にまさかのお楽しみが出来るかもしらんくて今からワクワクやわ。



結局押し切られて理鶯と朝から……んん。
まあ、たまの休日ですからね、少しくらいベッドの中でだらだらとするのも悪く無い、か。その後で色々と労ってもらえる時間が幸せだなんて、俺もどうかしてるな。

あと、コオロギは食材にしないで下さい…いや、そんな嬉しそうな顔をしても駄目です。なにが「丸々と太ったコオロギだ」ですか。やめなさい。
今夜は何か、外で食べて帰りましょう。……違います、その左手に握りしめている獲物は離して。



「眠れない」からはじまった布団の中でのアホな応酬は結局明け方まで続いた。お互い早朝から仕事やっちゅうのに、ほんまアホやなて思うわ。思うんやけど……たまには、て気持ちも無いこともないねん。



相変わらず忙しそうな簓は、いつも俺の知らんとこで無茶ばっかりしよる。まぁ、俺かて毎回言うてる訳とちゃうけど。
不調が出た時ぐらい遠慮せんと頼りや。俺はそこまで頼りない男とちゃうやろ。



「これ美味そうやない？」言うて簓が送ってきたレシピ動画の中身はインスタントの袋麺使たなんちゃって冷麺。近くのスーパーで材料揃ったし作ってやったけど、最近の袋麺て普通に美味いんやな…今度普通にラーメンにしよや。



最近忙しそうやし、たまには簓サンに甘えたってええねんで？なーんて、直接言うても聞いてくれへんやろし、あいつの好きそうなモン作ってみたり。気に入ってくれるとええけどな〜。息抜きのおやつにはなりそうやろ？



「遅なってしもたし、行かへん方がええ？眠いやんな？」
「眠いけど、ハンバーグは焼いとる。ちゅうか、焼けとる。」
「！！」

簓が食べたい言うた豆腐ハンバーグを作った。昔、一回だけ作ってやったことあんねやけど、覚えてへん言うとって。ほんで焼いとる写真送ったら「記憶よみがえる」とか言うとった。封印されとったんか。



味見しよ〜言うてこんにゃく皿から吸うん止めぇや。むっちゃ笑たわ。吸引力の変わらないただ一人の簓やん、アホか。
…ま、気に入ってくれたんやったらええわ。最近忙しそうやし、しっかり食べや。



盧笙ん家で風呂借りたら「お前痩せすぎや」て言われてもうた。いやいや、前とそんな変わってへんて。お前と居ると腹減るんやけどな〜て、毎日しっかり食うてるんやけど？！



朝から布団から出られへんかったんは、…あいつが悪いわ。完全にあいつのせいや。まあ、ふざけてアホなことしよったんは自分もやけど……遮光のカーテンや言うたかて光は入んねん。明るいんはあかん……気散るやん。…簓はそうでも無いんやろか。今度聞いてみよ。



こんな時やし、ほんまは会いに来るんもあかんて言わなあかんのかもしらんけど。なんやろうなあ…結局、俺があいつの顔見たいーて思うてしもてるんやろな。どこ行くでもなく、ただ隣に居るっちゅうだけのことがこんなに幸せなことなんかってこの数週間でよお思う。つい最近までほぼ毎日顔合わせとったし、余計にやろな。



前からあんなにしつこかったやろか…何があいつの引き金になっとるんかよお分からんけど、……まあ、たまには、な。うん、ええんちゃう？



簓が誕生日やから、ってなんや洒落たレストラン来とる。…セロリのポタージュがむっちゃ美味いんやけど。なんこれ、家で作られへん味やな。



楽しそうやった、ちゅーか…まあ、…その、悪く無かったっちゅうか……急にスイッチ入るんなんやねん。



こんな時間から飲みたいって、明日絶対起きられへんやん…



昨夜のイクオはとんでもなかった。…いや、オレが悪……悪くは無ぇだろ。



いやお前…それプレゼントとしてはアウトなやつやぞ。通販でなに買うとんねん、アホちゃうか。

…そない嬉しそうな顔してこっち見んな。
何が「どっちがええ？」やねん。「こっちでぐずぐずにしてからこっちで…」言うてる場合ちゃうぞ、落ち着けや。

は〜…興味のが先行してもうてあかんわ。簓、今夜は楽しみにしとくな。ま、期待しすぎんのもよおないんは知っとるけど。



簓が食べたいからっちゅう理由で焼肉に連れて行ってくれるらしい。…いや、肉で誤魔化されへんぞ。
まあ、肉に罪はあらへんからな…焼いてもらお。



簓のせいでむっちゃ寝不足なんやけど。
どないしてくれるん…土曜も学校あんねんで。



お前なんなん…いや、簓の行動力ほんま半端無いんやけど。怖…言うて付き合う俺も俺やけどな。
「一緒に行きたい」て言われたら断られへんやん。別に断る理由も無いけど。

お前がアホ面晒して電車で寝てんの、俺はハラハラしとったんやぞ。バレたら電車ん中でぬるさら居るで〜てパニックやんけ。次から窓際の席に押し込んだる。今決めた。



なかなか無い経験をさせてもらえた、いい夜だった。



「こないだのおっちゃんに会う訳とちゃうから安心しとき。」「泊まりやないんやろ、大丈夫や。」「ほーん…？」「…おっさんのわがままなんぞに付き合わんでええねん。」「はいはい、なるはやで帰るし待っとってや。」



「え、むっちゃ簓のにおいする…」「は？」「俺のベッドがお前のモンになってまう…」

いやいや…言うてお前、俺の寝心地優先した布団用意しとるやん！え？そういうんとちゃうの？今夜は一緒に寝れるとええね〜とかここで言うてもしゃあないんやけど。あ、明日は焼き肉食べたい。



「いやいや、そこは可愛らしくおねだりしてーや！」「はぁ？！」「簓ぁ、はよ帰ってきて〜て言うて！！」「………、」「ちょ、あかんあかん、ウソウソウソウソ！！」

ちゅーことで、はよ帰って来れたし久しぶりにしゃぶしゃぶ食べて来たで〜。


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