ほむらのけもの
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「シャーマモンよ! 行くべきか、行かざるべきか占ってくれまき」

 シャーマモンさんはゆっくりと振り返った。
 ……ん? このデジモンさんどっかで見たことあるような――って、あああッ。工場で働いてた、ゴブリモン!?

「ゴブリモンじゃねーか!」
「あー違う、ちがう。 彼はシャーマモン。別のデジモンじゃい!」
「ベツモンかあ……」
「想、それじゃあまたちがうデジモンになっちゃうよ〜」

 えっ、そうなんだ。ベツモン、ってデジモンも実在してるのか。紛らわしいな。

「ちなみにベツモン、ってこんなの」
「え!? うそお」

 ネーモンに写真を見せてもらった……けど、えっ、衝撃的すぎる!
 あ、シャーマモンは踊りながら「これから沢山の災いがあるだろう!」と占ってた。拓也君と友樹君が、対処を誤ると死に至るとかひどいことも言われてた。……

「それから、スピリットを持たぬ娘よ!」

 シャーマモンは、棍棒で、わたしを差した。な、なに!

「お前は善にも悪にでもなれる力を持つ可能性を秘めている――だが今のままではダメじゃ」

 え、意味わからない。そんなこと言われたって――! あっ!

「ま、ま、まさか開運の壺を買わされるとか!?」
「想さんさすがにそれはないでしょ……。どうすればいいの?」
「それに対処、っつっても――」

 拓也君が言いかけたときだった。ぐらぐらっ、と突然に地響きが起こる。地震!? それとも、まさかグロットモン?

「じし――わっ」

 バランスを崩して転びかけた。すると、輝二さんが支えてくれる。わたしはそのまま輝二さんに腕を掴まれながら、わたしたち全員は神殿から脱出した。
 なんだか、いっつも助けてもらってる気がするよう……。

「見つけたぞお、ガキども!!」

 外にいたのは、グロットモンだった。――やだな。
 グロットモンは、ゴーレモンとかいう、土人形みたいなでっかいのの上に立っていた。

「しつこいヤツだ!」
「さっきの占い当たってたかもね……!」

 ゴーレモンは容赦なくおそいかかってくる。
 拓也君、純平さん、友樹君は進化した。輝二さんもそれに続いて「スピリット……!」と唱えた。
 けれど、すかさずグロットモンは、輝二さんに向かって何かピンク色の粉を振りまいた。すると、魔方陣が現れ、輝二さんは身動きがとれない状態になってしまった。

「動けなければ進化もできまい!」
「クソッ!」

 そんな――。
 チャックモン、ブリッツモンはゴーレモンに必殺技を喰らわせようとしたけど、全く歯が立たなくて、遠くのほうへ吹き飛ばされてしまった。

「バーニング・サラマンダー!」

 アグニモンが挑んでも、同じように飛ばされてしまう。

「くそっ、このまま見ているしかできないのか……!」

 それはわたしも同じ思いだった。――多分、泉ちゃんも。
 皆は一生懸命戦っているのに、いっつも、わたしだけ何もできない。歯がゆいかんじがする……。それでも、小さいときからわたしは逃げてばっかり、だった。

「スノーボンバー!」
「ライトニングボンバー!」
「サラマンダーブレイク!」

 三人は負けじと必殺技を繰り広げまくる。すると、ゴーレモンはやられた――よかった、なんとか勝てた!
 グロットモンは顔を歪める。そして今度はギガスモンになり、ギガスモン自ら攻撃をしようとし始める。

「さぁ、狩りをはじめるぞ!」
「かっこつけすぎだよ!」

 チャックモンはそう言ってバズーカから雪玉を打った。――でも、ギガスモンはハリケーンボンバーでチャックモンに体当たりをしようとして――。

「う、うわあっ!」
「チャックモン!」

 アグニモンはチャックモンを助けようとして竜巻に向かったけど、跳ね返される。チャックモンのスピリットはギガスモンに奪われてしまい、チャックモンは友樹君に戻ってしまった。

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