Bright red strawberry 


誰こいつら状態


マリアンさんから3時のおやつにとショートケーキを貰い、リオンの部屋に行くと彼はベッドで本を読んでいた。

「マリアンさんからケーキ持ってきたよ!」
「お前は静かに歩けないのか…」

今日は機嫌が良いらしく言葉こそきついけれど、穏やかに少し意地悪に微笑む彼を見ていると忽ち甘えたくなってしまい、ケーキをサイドテーブルに置きリオンの膝に乗り、彼の意識を独占する本を奪いベッドへ手放す。

「…どうした?」

…分かってるくせに。
ほんと意地悪な人だとカイルは少し口を尖らせ、下から懇願するように見上げた。

「何物欲しそうな目で見てるんだ……ケーキはやらないぞ」
「…、そっちじゃないよっ」

確かにケーキは美味しそうだしマリアンさんの作るケーキは最高だけど、オレが欲しいのはそれじゃなくて、

「ーーきす……して」

くださいーーと、続けようとする口に何か物体が侵入してきて、思わず首が竦んでしまうのを大きな手が頭の後ろに回って、目の前に紫水晶が飛び込んできた。

「…ふっ!…ぐ、……っ?…」

苦しそうに歪む眉と紅潮する頬。
それだけでも煽られて深く口付けてゆけば、果実の潰れる感触と、甘い香りが鼻孔を擽って歯止めが利かなくなり2人は体ごとシーツに落ちていく。

「…んっ、んんン…!」

口端から垂れ落ちるカイルの銀糸と苺の赤い果汁が筋を作り、シーツに染みが出来ていくのを視界に捉え中で崩れた苺を吸い上げ飲み込んだ。

少し唇を離すととろけた瞳で虚空を見つめ、だらしなく開いたままの口からはどちらのものか分からない銀糸と苺の果汁が垂れていて、気持ちが高ぶっていく。

こんな風にされるのを分かっていて煽るのだから、参ってしまう。
だが、そんなカイルの中で眠る被虐心をわざと掻き立てて、目覚めた頃にあわよくばと食らい尽くす己も愚かな男だと思っている。

しばらくカイルのだらしなく間抜けな顔のままで、このままーー

カイルもこの先に期待を滲ませた瞳で見つめ、脇から背中へと腕を回しリオンの脚に自身の脚を絡ませた。


2014.1.19


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