柳生と仁王とおしゃべりをしながらも少し急いでトイレに向かう。
トイレについて少し待っててね、と申し訳ない用に言った後
何時もよく使う奥のトイレ入る。

・・・なんか、何処のトイレも一緒なのにこの場所のトイレに入っちゃうんだよね。
人の癖ってこういうのも入るのだろうか、と変なことを考えながらも
柳生たちが外にいるから音消しを使う。まぁいなくても使うよ?マナーだし。
(というか学校のトイレに音消しがついてるってどんな学校だっつーの!)

クスス・・・クスス・・・


トイレの用も終わってス、と鍵を開けようとした瞬間。
ザワ、と心と頭と背筋が固まった。
何?この笑い声、どこから聞こえてるの?



「―――嫌ッ」


怖くなってバッと鍵から手をはずして耳にあてしゃがみ込む。
するとピタリ、と笑い声が止まる。
終わったのか、そう思って手から耳をはずすとその瞬間また笑い声が酷くなる。
一人じゃない、何人も何人も何人も何人もなんにんもなんにんもナンニンモナンニンモナンニンモナンニンモ――・・・、

怖くて動きが固まってたがハッとして鍵を開けようと手を伸ばした瞬間・・・
手が、伸びてきた。



「ッ!?」


手をつかまれてそのまま壁に引き釣り込まれていく
どぷっと、音が耳のそばで聞こえるのが余計に恐怖を煽る。
嫌だ、嫌だ、嫌だッ!
私は泣きじゃくりながら叫んだ。



「いやぁあぁあぁあぁあ、ぁ、ァ・・」


壁が私をどぶんっ、と飲み込んだ後は
もう、意識はなかった。

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