あの後先生が「噂はもうしない事。それと今日は部活なしで真っ直ぐ帰ること」
それだけ言って帰りの会を閉めて行ってしまった。
あの話が長い先生がそんな事をしたもんだから余計に噂に火がついて
不安がる子も出てきた。



「名前ー、はよ帰るぜよ」
「え、一緒に帰るの?」
「いや、テニス部レギュラーで緊急会議という名の遊びだぜぃ」


仁王が私に声をかけたと思うと丸井も出てきて
「最近、部活忙しくて遊んでなかったからなー」っと新しいガムを食べ始めた。
でも、先生が真っ直ぐ帰れ、って言ったのにいいのかな・・・と思っていれば
仁王が頭に手をぽん、と優しく置いて「心配いらんぜよ」といった。

私は何でかと聞くような目で仁王を見れば仁王は「その事が会議の議題じゃき」と笑って答えた。
笑って言うことじゃないとおもうんだけどな・・・。

通り過ぎた顔も名前も知らない子が友達と話してた「何もなく、帰れるといいけどね」が耳にやけに残った。




「よし、全員揃ったな」
「真田ー、私お花摘みに行きたいんだけど行ってもいい?」
「お花?なぜ今いくのだ。たるんどる!」


いや、そうゆう意味じゃないんだけどなー?なんて苦笑してたら
中々トイレに行きたいと言えない私の代わりに
柳が「弦一郎、そう意味じゃなくトイレに行きたいそうだ」と付け足した。
すると真田は「そ、そうか・・・早く戻って来い」とOKサインを出してくれた。
ごめんね、真田。ありがとう柳。

後ろで赤也が「何でトイレに行くのが"花を摘みにいく"なんスか?」と柳生と柳に聞く声が聞こえた。



「ちょっと待った」
「な、何?幸村」


行こうとする私をとめたのは幸村だった。
やっぱり、トイレ我慢した方がいいのかな?なんて思っていたら
幸村から出た言葉は全然違う言葉だった。



「行方不明者いるんだから一人で行くのは危険じゃないのかな」
「同感だな、誰か同行者がいれば何かあったとき直ぐに伝えられるだろう」


だが、全員で行くと聊か可笑しいし先生に早く帰れと言われてしまうだろう。
だから二人誰かについていって貰ったほうがいいだろう。
と柳も一緒になって説明してくれた、そっか。危ないもんね。

私は納得して説明終わった柳生とついてくるといった仁王と一緒にトイレに向かった。


(あの時、名前を一人で行かせてたら・・・なんて、)

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