泣いたら出てくるしゃっくりが治まってくると、深呼吸をして幸村に向き直った。
…実はというと泣いたぐちゃぐちゃな顔で向き合いたくは無いけど
我慢することにする。



「幸村、この後どうする?」
「やっぱり、まず学校でないとね…」

だけどまた、口裂け女がいるかもしれない。
そう考えると、この教室から出たくないのが本心だ。
でもこの教室にも何かでるかもしれない。そうかんがえると危険だ。
まず意味がわからない。
何故校舎に得体の知れない物がいたり、あんなに騒いでいて教師に誰一人会わないのか。
あまりにも可笑しすぎる。
それに、…。

まず、ここは色々な事が可笑しすぎる。
早くでないと絶対何か嫌なことに出会う。…いや、もう会ってるが。
もう会わないとしても、こんな薄気味悪い所誰が居たがるか。



「…、窓から出られないかな」
「…本気で言ってるのかい?」
「二階だよ、多少怪我するけど死にはしないはず。」

それに私はもうここには居たくない。
何度も言うようで悪いが、怖いのだ。
この恐怖から逃れられるのなら二階から飛び降りる方がどれだけ楽か…!
それにあんな得体の知れない物に殺されるより、自分から死んだ方が増しとも思える。
それほど私は恐怖に追い込まれていたのだ。



「…、もし骨折なんてしたら逃げられない」
「でも、やらないよりは増しだと思うよ?」

幸村が渋るのも分からなくもないが、二階だ。
三階や四階なら分かるが二階なのだ。
それなりに高さはあるが、ゆっくり慎重に降りたら怪我も最小限ですむはずだ。
私はそこまで考えたらカーテンをビチビチビチ、と音を立てて乱暴にはずした。
そして窓を開けようと手をかけた。

ガタ、



「!?・・・あれ、この窓たてつけ可笑しかったけ?」

ガタガタガタと何度やってもあかないので隣の窓にも手をかける。
やっぱり、固まってるかのように動かない。
勿論、鍵はきれいに上まで上がって開いてるし、立て付けが悪いわけじゃない。
体重をかけて引っ張ってもビクともしない。



「・・・名前どいて」

後ろから掛かった声に私は振り向くと、椅子を持った幸村が立っていた。
その姿からもう何するかを分かった私は幸村の方に駆け寄った。
すると幸村はボソリと聞き取れるぐらいの声で「・・・割れないと思うよ?」と呟くと思いっきり椅子を窓に打ち付けた。

バアン!!

と何か硬いけど伸縮性がある何かにぶつかったような音がすると
椅子が教室の廊下の側の壁まで吹っ飛ばされた。
幸村はそれが分かっていたかの用に手を離していたらしく、幸村は平然と立っていた。

そして、一言悲しそうな顔で言った。



「・・・ほら、いっただろう?」

(この世界のルールに反するよ)

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