何でここに幸村がいるのか、それは分からなかったけど
幸村が気を失ってるのは分かったから駆け寄った。

肩を軽く叩いて「幸村?幸村おきて」とやさしく声を掛ける。
すると軽く瞼が動いて長い睫の隙間から幸村の目が見えた。



「ぇ、名前、・・?」
「うん、そうだよ?でもどうしたの、こんなとこ」


私が言葉を言い終わる前に幸村がぎゅうっと私の抱きしめてきた。
幸村のふわっと優しい匂いがする、凄く安心する匂いが、
上のほうで「よかった・・・っ」と涙声で言ってるのが聞こえて背中をなでてあげる。
何でないてるのか、分からなかったけど安心できるように。

暫くして幸村が私の離して「いったいトイレで何があったの?」と聞いてきたけど
私はえ?と返してしまった。



「トイレだよ、柳生と仁王にいったじゃないか・・・あれ?皆は・・」
「皆?トイレ・・・、あれ夢じゃなかったの?」

夢?と幸村に聞かれる。
だから私は「うん、目が覚めたらここにいたから夢かと思ったんだよ」と返す。
どうやら、私が壁に飲み込まれたのは夢じゃないみたいだ。
だから私はそのまま壁に飲み込まれたと信じてもらえないかもしれないけど
幸村に丁寧に話す。

すると幸村も似たようなことがあったことを話してくれた。
しかも、私が行方不明だったことも、全部。

(ここからじゃなく・・・もっと前から。)

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