頭が、痛い。
トイレから出た時からだろうか?
早く先生に伝えなくちゃいけないのだろうが、頭が痛い。
動きたくないぐらいに痛いんだ。

・・もしかしてこれが名前が言ってた頭痛かな。
確かに偏頭痛とは違う痛みだ。
すぐに横になって休みたくなる。だけどココは廊下だし近くには真田たちがいる。

ここで倒れたら名前のこともあるし迷惑をかけるだろう。
それに名前が浚われたんだったら早く見つけ出したい。



「っうぁー・・、」


ずるり、と背中を壁に預けて座りこむ。
これだったらきっと具合が悪いのを隠せるはずだし、そう思い顔を伏せようとした瞬間、
耳に届いたのは誰かの笑い声だった。

アハハ、とかいうよく聞く笑い声じゃなく、クス、クスクスと笑う女の子ぐらいの声。
何処から聞こえるのか、俺たちしか生徒は残ってないじゃないのか、
考えれば考えるほど気味の悪い物になっていく笑い声に俺は叫んだ。



「 や め て く れ ! 」


叫んだからか、笑い声は止み俺はハァ、ハァと肩で息を履きながら
また、壁に寄りかかった・・・が、

そこに感触はなく、俺はそのままどこかに落ちていった。
慌てて手を伸ばすが、下から誰かに抱きつかれる。
これじゃ、身動きがとれない――・・・そう思いながらも重くなった瞼を閉じた。

(逃げないで)

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