P3リアルタイムメモ。



2009.04.21(Tue) 00:00


左手に持ち替えた片手剣を下し、召還器を取り出す。腰のホルダーに入っていたそれはひんやりと冷たい。弾は出ないと頭では分かっているのに、人を殺す道具であるという意識はやはり消えない。手を触れただけで、無意識の恐怖に心拍数が上がった。

大きく剣を振り下した順平がシャドウを大きく後退させ、背後を狙ったゆかりの矢はシャドウに命中した。シャドウの、無音の叫びを聞いた気がした。
しかしまだ消滅には至っていない。

数日前に一度そうしたように、銃口をこめかみに当て引き金に指を添える。すると、何故だか逆に心が落ち着いた。
小さく、息を吐く。



それは、ヘッドホンから音楽が流れてくる瞬間に似ていた。



2009.04.18(Sat) 20:11


「快気祝いというか入部祝いというか…一応君に、と思ってプリンを買ってきたんだが、食べるか?」

「もらいます」





(あ、ちょっと笑った…)



2009.04.17(Fri) 16:27


「ノート、ちゃんと取ってあるよ」

その場を繕うようにゆかりは身を乗り出して云った。少しだけ驚いたように彼は数回瞬きをしてゆかりの顔を見つめる。

「だって、ほら、もう結構授業進んじゃってるから、必要でしょ」

同じ寮の誼で見せてあげるんだからね。と慌てて彼から視線を逸らし、ゆかりは自分でも可愛げがないと思うような台詞を吐いた。




(じっと見られると、ちょっと…)
(えーと)

(…うん)



2009.04.10(Fri) 00:00


その日は満月だった。
そのことだけははっきりと覚えている。

現実味のない隠された時間の中で、空に浮かぶ満月だけが現実であるように思えた。いっそ全て嘘だったらいいのに、消えそうな意識の中で思ったけれど、それを嘲笑うかのように月は一層の光を放った。


「Good morning, My dear」


囁いたのは誰だったのか。
瞼を閉じると同時に背中から倒れた。じんわりと冷たさが躰に広がる。
もう後には戻れないな、と思った。しかしそれが存外嫌ではなかったのは、多分、ようやく「始まった」のだとどこかで知っていたからだろう。






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