Épelons chance | ナノ
19.静見繕う動
「な〜るほど。音素振動数まで同じとはねぇ。これは完璧な存在ですよ」
近くで誰かの声がする。
誰だ?
完璧な存在?
「そんなことはどうでもいいよ。奴らがここに戻ってくる前に情報を消さなきゃいけないんだ」
情報? なんのことだ?
――頭がボーっとしやがる。
この、近くで鳴る機械みたいな音…なんなんだ?頭に響いてくる…
「そんなにここの情報が大事なら、アッシュにこのコーラル城を使わせなければよかったんですよ」
アッシュ………アッシュって確か、カイツールで俺に襲いかかってきた、あいつか?
「あの馬鹿が無断で使ったんだ。後で閣下にお仕置きしてもらわないとね」
くそ…動け、俺の身体!
「…ほら、こっちの馬鹿もお目覚めみたいだよ」
19.静見繕う動
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