Épelons chance | ナノ
01.銀色の抱擁
目に映るのは、限りなく続く青い空。
絵に描いた様な雲がゆっくりと流れていく。
風に撫でられて嬉しそうに揺れる草花が、私の頬をまた撫でる。
まっすぐに見上げる空から目を逸らせば、今度はまた違った青色の景色。
近くで見れば透き通っているのに、遠くから見ると深紺色に染まる、キャンバスの上ではどうやって表すんだろう。
耳に入ってくる、永遠に続いている波の音。
特に目立った綺麗な景色でもない。
観光に使われるような名所でもない。
緑の香りと、時折風が運んでくれる潮の香り…
ここに横になっていると、なぜだか暖かくなるこの気持ち。
理由はないけれど、私の好きな場所。
01.銀色の抱擁
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