Épelons chance | ナノ



skit:☆☆☆でも××料理人

■☆☆☆でも××料理人

ルーク
「じゃあもう逆に聞くけどさ」
ミカル
「はい……」
アニス
「なんでそんなに美味しそうな見た目になるわけ?」
ミカル
「お……美味しく作ろうとしているからです」
ルーク
「んなわけあるかー!?この間料理してるところ見たけど、お前ケーキに魚入れてたよな!?生の!なまの!ナマのやつ!」
ミカル
「……それはだって、ガイがお魚好きって言うんですもの」
アニス
「組み合わせを考えよう!?好物いれときゃ喜ばれるってもんじゃないの!いい!?料理は真心って言うけど、そんなの二の次なの!いい!?大事なのは味なの、あ・じ!」
ミカル
「でも、みんなの要望にできる限り答えたいんだもの」
ルーク
「まずな?俺たちがミカルに望んでるのは食べられる料理なんだよ、わかるか?」
アニス
「アレンジ加えるのは最低限のことができるようになってから考えよう?食べれるおにぎり作れないって、死活問題だよ!?」
ミカル
「だってこの間のは、おにぎり作ってるときにアニスが甘いもの食べたいって言うから……」
アニス
「だ・か・ら・さ!組み合わせを考えようって言ってんじゃん!!なんでライスとアイスを融合させちゃったのか……!語呂がいいとでも思ったの!?」
ミカル
「語呂はいいと思ったわ」
ルーク
「真顔で答えるとこじゃねえ!」
アニス
「はあ……はあ……、もうわかった、ミカルは一度食事当番から外れよう」
ミカル
「えぇっ!!??」
ルーク
「ここまで言われててそのショックの受け方は逆にすげぇな」
アニス
「だって仕方ないじゃん…。ミカルが料理すると、食材大量に消費するのに食べれるものが出てこないんだもん」
ミカル
「そんな……。わ、わたしだって、一生懸命美味しく作る努力をしているのに……」
アニス
「努力は素晴らしいとは思うけど、努力だけじゃどうにもならないんだよ。ほら、言うじゃん。99%の努力って」
ミカル
「……それは、わたしに1%すらも才能がないって言いたいのかしら」
ルーク
「別の方向への才能が有り溢れてるけどな……」
ミカル
「……えぇ〜!?いやよ!お願い、わたしも料理したいの!」
アニス
「出たよ……できない人間ほどやりたがるんだもんね」
ルーク
「ナタリアでもこんなに上手い飯作れるようになったけど、よくよく考えたらナタリアのは最初からなんとか食べれるもんだったしな」
アニス
「ミカル、諦めよう。人には向き不向きがあるんだから」
ミカル
「ひどいわ!さ……最初はみんな、褒めてくれてたのに……」
ルーク
「だからなんであんなに美味そうな見た目になるのか、最初はそれにしか目がいかなかったんだよ……」
アニス
「香りもね。出されるとつい手を出しちゃうから、あれは本当に暗殺に向いてる」
ルーク
「間違いねえ」
ミカル
「好き放題言って……。あとでガイとイオン様に報告しますからね」
アニス
「ま、待って待って!だから、向き不向きがあるんだったら、それを有効活用できる方法を探そうよ」
ミカル
「……有効活用って?」
アニス
「ミカルの料理は超一流料理人が作ったように輝いてるんだからさ、レストランのメニューを仕立てたりとか」
ルーク
(食品サンプルだな)
アニス
「わたしが軍人だから言えることだけど、多分軍で披露したら重宝されると思うなあ〜」
ルーク
(……拷問資材か?)
ミカル
「……」
アニス
「ミカルの腕は、わたしたち数人のために振るうものじゃないんだよ。わたしはこの数ヶ月間、一緒にいてよくわかったもん」
ミカル
「……本気で言ってる?」
アニス
「本気も本気、超マジマジだよ」
ルーク
(うそくせ〜……)
ミカル
「………」
アニス
「………」
ミカル
「……わかった、アニスがそこまで言うならわたし、考えるわ」
アニス
「ほんと!?」
ミカル
「見た目と味が合致してないのが悪いのよね。だったらまず、見た目を崩すことから始める」
ルーク
「………っだからなんでお前はそういう方向へ行くんだよっ!」
ミカル
「だってそういうことでしょう?つまり、見た目と味が近ければ、どちらかの上達に合わせて腕も上がる」
ルーク
「元々見た目が100%の状態で出来るのに、0%の味が一緒に上がってくるわけねぇだろ!」
アニス
「なんでこんなに頑固なの……はぁ、この口の達者具合、ホント大佐を恨みたい……」
ルーク
「ホントだよな…。あのおっさん、自分は絶対食わねえくせにずっと楽しそうに見てんだから……」
ミカル
「というわけで、今からさっそく作ってみます。試食よろしくね、二人とも」
ルーク
アニス
「うわあぁぁぁぁ…………」


[ブラウザバックで戻る]

目次/TOP

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -