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skit:姫君達のクッキング

■姫君達のクッキング

ミカル
「……はあ、どうして上手にならないのかしら」
ナタリア
「まあ。そんなため息をついて、悩み事ですの?」
ミカル
「え、えぇ……その……、どうしても料理を美味しく作れなくて」
ナタリア
「料理……。…ミカルはまだいいですわ。美味しそうな見た目に、香り…。わたくしは全てマイナスですもの」
ミカル
「そんなことないわ!だって、ナタリアの料理はまだ喉を通るじゃない!」
ナタリア
「た、確かにそうかもしれませんが、ミカルの食事はまだ手を付けたいという意欲がわきますのよ」
ミカル
「そうは言っても、一口目で戻されるよりも、イヤイヤながらに食べてもらえるナタリアの方が羨ましいわ」
ナタリア
「……どうにも、素直に受け入れられませんわね…」
ミカル
「……隣の芝生は青い、と言うものね…」
ナタリア
「…そうですわ。今回の食事、一緒につくりませんこと?」
ミカル
「え?わたしとナタリアが?」
ナタリア
「はい。わたくしたちは互いに持っていない部分があります。それを掛け合わせれば、きっと求めているものになりますわ」
ミカル
「…それは名案ね!食べられるものを作って、みんなを驚かせたいわ!」


  ・・・



ナタリア
「では、何を作りましょう?」
ミカル
「ルークがチキンを食べたいと言っていたわ。レシピもあるし、から揚げなんてどうかしら」
ナタリア
「いいですわね。油で揚げるだけですもの。わたくしたちにも簡単にできますわ」
ミカル
「だけどお肉だけだと栄養が偏るわね。野菜も一緒に入れましょう」
ナタリア
「そのままだと揚げにくいですわね。とりあえず細かく切り刻みますわ」
ミカル
「……うまく塊になってくれないわ……。あ、おやつで余ったクリームがあるから混ぜてみましょう」
ナタリア
「滑らかさに欠けますわね。水を入れればいいのでしょうか?」
ミカル
「味付けは控えめに辛さも入れて、濃いめにスパイスと、かけて、うーん、もうちょっと、もう少…あっ」
ナタリア
「…今一つ、色が足りませんわね……」
ミカル
「じゃあキルマフルーツ、入れる?」
ナタリア
「せっかくですし、もう少し緑色を……」
ミカル
「そういえばこの辺りの野草は、ミネラルを含んでいて健康にいいのよ」
ナタリア
「まあ、素晴らしい配慮ですわ!どの草が食用ですの?」
ミカル
「ええと……これと…、あ、そっちのも図鑑で見たことがあるわ」
ナタリア
「これで見た目も完璧ですわね!あとはチーズで丸め込んで……」
ミカル
「あら!いい感じじゃない?これで仕上げましょう」
ナタリア
「ミカル。わたくしリサーチ済みですのよ。コツは、火加減です」
ミカル
「……でも、コンロだとなかなか難しいわ」
ナタリア
「そこで考えましたの。わたくしが鍋を持っていますから、ミカルが譜術で……」
ミカル
「……ナタリア!すごいわ!完璧ね!」
ナタリア
「ふふふ!なんとでも言ってくださいまし!さあ、皆の鼻を明かして差し上げましょう!」


◆一口食べる間もなく拒否されました。
 唯一口にしてくれたガイは、しばらくトクナガに抱えられて旅をする事に。
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