Épelons chance | ナノ



skit

■火山、再び


ルーク
「あっちぃよ〜〜…」
ガイ
「暑いな……」
ティア
「もう、わかっていることをいちいち声にだして言わないで」
ルーク
「つっても、あちぃモンはあちぃんだもんよ……」
ナタリア
「それにしても大佐は涼しい顔をしていらっしゃいますわね……」
ジェイド
「いえいえ。暑くて死にそうですよ」
ルーク
「……なんか、むかつくな」
ミカル
「……」
ガイ
「ミカル、大丈夫か?」
ナタリア
「そうですわ…ミカルは殊に暑さが苦手でしたわね。大佐も雪国出身ですのに…この違いは」
ミカル
「……もう、いいわ」
ルーク
「うん?何が…どわッ!?お、おおおい、ミカル!!」
ガイ
「ちょ、な、何脱ぎだしてるんだ!」
ティア
「ちょっとミカル!いくらなんでもそれはダメよ!」
ミカル
「もう、もういいの……こんな場所に礼儀も作法も行儀もないわ……ここで無礼を犯しても社会的地位に問題が生じるわけでもないし、いいの。誰もいないわ、誰もいないわ、火山に人なんているはずがないの、悶々と死に苦しみを味わうくらいならここでもう」
ルーク
「なに言ってるかわっかんねえよ!とりあえず落ち着けって!」
ガイ
「た、頼むから…おお女の子たち!止めてくれ!」
ナタリア
「ミカル、わたくしだって脱ぎたいんです。辛抱なさい」
ルーク
「その発言は色々おかしいだろナタリア!」
ミカル
「おかしいわ……舞ってる雪が…赤い」
ルーク
「それ火の粉な!ケテルブルクじゃねぇよ、しっかりしろってぇの!」
ガイ
「ジェイドあんた、なんか諌め方知ってるんだろ。黙ってないで静めてくれって!」
ジェイド
「いえ、あんな彼女を見るのは初めてなので、わたしにはなんとも?」
ガイ
(このオヤジ〜〜!)
ルーク
「うわ、うわ、ミカル!ふ、服はやめろっ!」
ティア
「ミカル!!!」



「!」

ティア
「こんな場所で素肌になればその方が暑いってわからないの!?服が熱を少しでも遮断してくれているからまだ肌も呼吸ができているの。それに肌なんて露出して歩いて、舞っている火の粉で皮膚は火傷するわ。溶岩も吹き出ているのにそんなことを言って、どっちが苦しいと思っているの?死にたいのなら好きにすればいいけど そうじゃないでしょう。しっかりしなさい!」
ミカル
「……!!」
ナタリア
「さすが、神託の盾の現役兵士ですわね。ティア」


ルーク
「……お、おぉ……よかった。思いとどまってくれたな…」
ガイ
「これ以上にないほどの説得力だが……、その説得の仕方でよかったのか…?」
ジェイド
「“軍人としては”花丸をあげましょう」
ガイ
「…色々ずれてるんだよなあ、ここの女性たちは……」



・焦りながら顔を手で覆い、チラチラと様子を伺うルーク
・驚いてすぐに後ろを向いたガイ
・堂々と事の成り行きを見守っているジェイド
個性豊かな男性陣。



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