Épelons chance | ナノ



skit

■親離れ子離れ

ピオニー
「…はぁ……行っちまったなぁ…」
アスラン
「とても清々しいお顔をされておいででした。よほど嬉しかったようですね」
ピオニー
「……でも俺は心配だ……。あぁ、やっぱり行くなって言えばよかったか…」
アスラン
「ですが、カーティス大佐もいらっしゃいますから、きっと危険は少ないと思いますよ」
ピオニー
「そっちは心配してないんだがな…。なぁ、あいつが気を持ちそうなヤツ、どいつだと思う」
アスラン
「え!?わ、わたしには分かりかねますが…」
ピオニー
「ルークってのは、多分趣味じゃないと思うんだ。導師は…流石にあいつの性格からして恐れ多いと思うだろ」
アスラン
「はあ…」
ピオニー
「つーかなんであいつらが謁見に来たときミカルはいなかったんだ?仲間が倒れたっつってたか?」
アスラン
「はい。神託の盾に傷を負わされたようで、導師様がその治療を、と」
ピオニー
「男か?」
アスラン
「は?」
ピオニー
「男だろ?そうなんだろ?」
アスラン
「は、はは…(言わない方がよさそうですかね…)」
ピオニー
「俺がどれだけ心配してたのか知ってんのか、あいつは…。帰ってくるなり一緒に行きたいだなんて言い出しやがって…」
アスラン
「…しかし、お帰りになられたミカル様は、随分と雰囲気が変わられていました」
ピオニー
「ん?そうか?」
アスラン
「はい。今までも十分しっかりしておいででしたが、それ以上に、判断力と決断力に…その、凛々しさが増したと言いますか」
ピオニー
「そう思うか…。それなら、やっぱ行くなとは言えねぇなぁ」
アスラン
「この旅で、また幾分か成長して戻って来られるのでしょうね」
ピオニー
「ま、心配なモンは心配だがな…色々と」
アスラン
「しかし、カーティス大佐とお二人で反対なのでしたら、言えばこちらへお残りになったのでは…」
ピオニー
「まー、アレだ。色々だ。あいつも親離れ…もとい、兄離れが必要だろう。その第一歩だ」
アスラン
(……陛下が仰るんですね…)
ピオニー
「なんだ?」
アスラン
「い、いえ。ミカル様のご無事をお祈りしています」


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