ピオニー | 「…はぁ……行っちまったなぁ…」 |
アスラン | 「とても清々しいお顔をされておいででした。よほど嬉しかったようですね」 |
ピオニー | 「……でも俺は心配だ……。あぁ、やっぱり行くなって言えばよかったか…」 |
アスラン | 「ですが、カーティス大佐もいらっしゃいますから、きっと危険は少ないと思いますよ」 |
ピオニー | 「そっちは心配してないんだがな…。なぁ、あいつが気を持ちそうなヤツ、どいつだと思う」 |
アスラン | 「え!?わ、わたしには分かりかねますが…」 |
ピオニー | 「ルークってのは、多分趣味じゃないと思うんだ。導師は…流石にあいつの性格からして恐れ多いと思うだろ」 |
アスラン | 「はあ…」 |
ピオニー | 「つーかなんであいつらが謁見に来たときミカルはいなかったんだ?仲間が倒れたっつってたか?」 |
アスラン | 「はい。神託の盾に傷を負わされたようで、導師様がその治療を、と」 |
ピオニー | 「男か?」 |
アスラン | 「は?」 |
ピオニー | 「男だろ?そうなんだろ?」 |
アスラン | 「は、はは…(言わない方がよさそうですかね…)」 |
ピオニー | 「俺がどれだけ心配してたのか知ってんのか、あいつは…。帰ってくるなり一緒に行きたいだなんて言い出しやがって…」 |
アスラン | 「…しかし、お帰りになられたミカル様は、随分と雰囲気が変わられていました」 |
ピオニー | 「ん?そうか?」 |
アスラン | 「はい。今までも十分しっかりしておいででしたが、それ以上に、判断力と決断力に…その、凛々しさが増したと言いますか」 |
ピオニー | 「そう思うか…。それなら、やっぱ行くなとは言えねぇなぁ」 |
アスラン | 「この旅で、また幾分か成長して戻って来られるのでしょうね」 |
ピオニー | 「ま、心配なモンは心配だがな…色々と」 |
アスラン | 「しかし、カーティス大佐とお二人で反対なのでしたら、言えばこちらへお残りになったのでは…」 |
ピオニー | 「まー、アレだ。色々だ。あいつも親離れ…もとい、兄離れが必要だろう。その第一歩だ」 |
アスラン | (……陛下が仰るんですね…) |
ピオニー | 「なんだ?」 |
アスラン | 「い、いえ。ミカル様のご無事をお祈りしています」 |