01




『2年経ったとは思えないね。』

「ああ、早いものだ。」


快活よく笑ってみせるレイリーを見上げる。
少し身長が伸びたが元もこんな感じなので問題はない、現世でも成長期はなかったということだ。
期待してなかったと言えば嘘になるのだが。

ところがどうだ、いざシャボンディ諸島に着いたら麦わらの一味大募集という情報が流れているではないか。 どういうことなのか。


『って気になったから来たけど、別人じゃんね。』

「んだてめぇ!!俺が誰だかわかってんのか!」

『は?あんたこそ俺が誰だかわかってんの。』

「うるせぇ!俺は!麦わらのルフィだぞ!」


ふざけた奴だしなんか焦げてるし壊しちゃおうかと思って、背中の刀の持ち手に手をかけると、急にそいうがこけた。
どうやら誰かにぶつかったらしいが、それは知っている声。


「…あ、ぶつかったか?ごめんな!じゃあな!」

「ちょっと待てぇ!」

「ん?」

『!!』


近距離でその荷物をたくさん持った男に向けて銃を撃った瞬間、ざわりと、覇気が彼らを襲う。 ああ、知っているけど、変わった。
立ち去る姿を見つめながら2年前とは違うことを感じる。
俺も気がそがれたので気を失ったそいつらをそのままにして、身にまとったローブを羽織りなおしその場を立ち去ることにした。 さて俺も船に行こう。


『いやいやいや、変な縁だ。』


いらない縁に思わず顔が渋くなる。
船があるという42番GRへ向かっていたはずだが途中の46番GRでまた偽物と出会った。 そこには海兵もわんさか集まっており、巻き込まれそうな感じが半端ない。
面倒だなと思っていると、パシフィスタ1体がこっちを見ているではないか。
賞金首になったから登録されたということ?
そいつは手のひらをこちらに向け、レーザを躊躇いもなく撃ち込んできた。


『2年前ですら勝てなかったあんたが、勝てるわけないだろう!』


刀を横払いにして首にひっかけてそのまま地面に叩き付けた。 頭の中ショートさせとけ。
はらりとローブが落ちると、ざわざわと辺り一帯がどよめきだした。


「あっ!嘉識じゃねぇか!!」

『やっぱりルフィだったんだね、久しぶり。』

「てめぇ…!!」

『あ…、金太郎?』

「わいは戦桃丸だ!!金太郎じゃねえ!!」


まさかりを振りかぶりこちらに攻撃してきたが、それを刀で火花を散らせながら滑らせて避け、でかい図体に蹴りを入れる。 大きな体がよろめくのを見ると、やはり2年やってきて少しは力がついたらしい。 残念ながら筋肉として現れてくれなかったが。 見た目ひょろいままだが少しはスタミナがついたのだ。
出発前に一暴れといくのかなと思っていたら、ゾロとサンジがいとも簡単にパシフィスタを粉砕して現れてみせた。


『ゾロ、サンジ、』

「うっ、」

『え、なになに、鼻血!?』

「……なんでもねぇ、」


なんでもねえとは一体、俺を見た瞬間鼻血出したんですけどこのコックさん。
ティッシュ持ってないんだけどとか思いながら少し焦っていると、なんと、レイリーが現れたではないか。
俺の正体がばれた時とは真逆に水を打ったように静まりかえる一同。


「ふふふ、一応様子を見に来たが問題はなさそうだな。さらに力が洗練されている。では早く仲間のもとに行きなさい!」

『レイリー、』

「君も、もう大丈夫だ。」


さぁ行けと言われ、ゾロやサンジと改めて合流すると、ルフィは荷物を降ろしレイリーに向き直った。 両手を力強く天に突き上げ、笑顔で言葉を口に出す。


「レイリー!2年間本当にいろいろありがとう!

――――――レイリー、俺はやるぞっ!
海賊王に!!おれはなるっ!!」


そう高らかに宣言し、その場を後にした。
後にしたはいいが、軍艦が来ているという情報がゾロの恩人とやらから入った。 どうやらこのピンクの女の子が海兵を足止めしてくれたらしい。
海兵がダニになりたいとか言ってるけどどんだけネガティブ。


『とりあえず急がなきゃ。』

「お前…、まだ小せぇんだな。」

『は?伸びました。』

「全然じゃねぇか。」

『失礼極まりない。』


片目なくして目が悪くなったんですかと言おうと思ったら上空から声が聞こえた。 上を見やるとチョッパーがでかい鳥に乗っているではないか。
そんな頼れるチョッパーは俺たちを拾い上げ、ありがたいことに船まで一気に連れてきてくれた。
そして連れてこられた先の船にはもう、成長した面々が揃っている。
隣で鼻血吹き出したサンジはもうほっとくことにした。 どうしてさっきから女性見るだけで鼻血たらしているのかさっぱり、前は鼻血まではいかなかったじゃんね。
…あれ?俺の時も鼻血出していたけどなんだったのか。
さぁ出発とはいかず、空気入れの作業とやらがまだ完了していないのだが、軍艦から砲撃が来始めた。
相手してやるにも距離あるしな…と思っていると、九蛇海賊団の船が割り込んだ。 確か、ハンコックの、…船だったような。
そんな大活躍の足止めのおかげで無事空気入れ完了。


「ほんじゃ野郎ども!ずっと話したかったことが山ほどあるんだけど!とにかくだ!2年間も俺のわがままに付き合ってくれてありがとう!!出航だァーーーー!!!行くぞォ!!魚人島ォーーー!!!」



ハングリー・ハングリー

(腹を空かせた)(悪党共)




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