02




「何ィ?!level6への行き方だとぉ?!」


俺もてっきりルフィも捕まって脱獄しようとしていたのかと思ったら、どうやらルフィの兄がここに捕まっていて助けたいらしい。
兄を助けたい気持ちは死ぬほど分かるし、それができなかったときの無念さも後悔も分かる。


『そういうことなら手伝うよ。』


自然とそう口に出していた。
しかし手伝うにも、ところで俺の刀と弓矢は…いやでも帰りに暴れながらどさくさ紛れに取りに行ったほうがよさそうな気がする。 今騒ぎにしたら助けにいくの大変そうだから。
そう思いながらバギー(派手な人のことね)の足を持ちながら走るルフィを見てると、いつのまにかバギーを盾に壁をぶち抜いていた…どうしてこうなった。
いやそもそもバギーは脱獄したいはずだったが、お礼にとルフィの腕輪?を欲しがっていて壁にいきなりぶっかったのだ。
気が変わってやる気満々になってなのか、単なるうっかりなのかはおいといて、なんとここは看守室。
脱獄ばれたかも、なんて思いながら後を追うと、剣山みたいなところに出る。
自分がここに入るはめにならなくてよかったと思う…こわ…血だらけ…紅蓮地獄と呼ばれる理由が分かります。
しかしここを突っ切らなきゃいけないわけなので、バラバラの実であるバギーの足を地面に置いて空飛ぶバギーが完成した。


『何で俺はこう…いっつも…抱えられる…』


俺もルフィみたいに背中に乗りたかったけどそれはちょっとバランス悪いらしい。 お姫様抱っこってやつ。


「おいテメェちゃんと食ってんのか?!」

『いや…食べてるけど…』


そんな会話をしながら剣山の中にぽっかり開いた穴にたどり着く。
この下がlevel2らしいが普通ならここより酷い地獄に誰も行きたがるわけない。 そんな穴に迷いなく飛び込んだ我らが船長、さすが。 近道とはポジティブシンキング。連れてきてくれてありがとさんと言って後を追うべく飛び込む。
そしたら何でかバギーの頭以外の体が落ちてきた…あれ??脱獄したいんじゃないんだっけ。
落ちてきたバギーの体に問いかけても答えは返ってこなかった。

着地もまあそこそこに、さて、落ちてきたここは確か看守の話によると魔界の猛獣フロアだったかな。 通りでこんなやつがいるわけだと思いながら隣のバギーに尋ねた。


『これは、……鶏?』

「バジリスクだ!」


曰く、鶏が産んだ蛇らしい。 えっ蛇なのこれとか思っているといつのまにかルフィがギア3で倒していた。 ついでに看守室も壊すというナイスプレイ。 ちまっとしたルフィにお見事と声をかける。
すると、バジリスクを倒したことで救世主だなんだと騒ぐ囚人たちを見たバギーは、次々と彼らを解放し出した。


『救世主?バギーさん?』

「俺が麦わらに協力してやってんだから俺の方が立場は上だ!」

『…まあいいや、解放すんのは賛成。敵の戦力を分断するには数が多いに越したことはないし。』


バギーがどや顔していると何故か牢屋に帰っていく人たち。 どうやらこのフロアのラスボスを倒さないと彼らは安心して脱獄できないらしい。 それぐらい頑張れよ。
そう思っていたら変な髪型の男が割り込んできて、おっと知り合いですかとバギーを見ると首を横に降る。
ルフィの知り合いかと思って見るとルフィもぽかんとしていたが、彼がへたった髪の毛を持って3を作ると思い出したように叫んだ。


「あっ、ってことはお前は!!巨人のおっさんたちの島にいた、3!!」

「Mr.3だガネ!!」

『えっ知り合い。どちらさん。』

「昔ビビを虐めたやつだ!」

『ビビ?んーよくわからないけど敵だったってことであってる?』

「昔の話だガネ。」


そういうことは当事者のあんたは言っちゃいけないんだけど。 どうやら手伝ってくれるらしいが、彼も脱獄がメインなわけで。
どうすんのこれとか思っていたらぐるるるとうなり声みたいなのが聞こえ、そちらを見ると、


「うわっ!何だこいつ!」

「マンティコラだガネ!!捕まればホネまで喰われてしまうガネ!!」

『やばいこっち来た。』

「逃げるぞ!!」


大量の人面ライオン?に追われるはめになり、それぞれ足止めを行いながら逃げていく。 え?俺はなにもしていません。


「おめぇも何かしやがれ!」

『だって武器ないし噛まれたら痛そうだし。』

「女子か!!」


後ろからがるるるという鳴き声と共になんだかふんどしって聞こえた気がする。 Mr.3曰くどうやら囚人が覚えさせたらしいが、もっと言葉選べたのではないか。
適当に逃げつつ、そして、ようやく脱獄がメインではないことを知ったMr.3は案内を断るかと思ったが、拒んだ後すぐ手のひらを返して意気揚々と案内を買って出てくれるという予想外な反応だった。
しかしいざ行かんと案内された先にはばかでかいライオン??が鎮座していらっしゃってなんかもう…うわーとしか思えない。
どうやらこれがボスとな。 俺が知ってるスフィンクスじゃないんだけど。 もっとこう…こんな獣じゃなくて。


「ソーメン…」


ソーメン…とな?
いきなりソーメンと鳴いた?喋った?スフィンクスはこちらに攻撃してきたが、そのパンチを跳んで避けて蹴り返す。 次にルフィにも強烈なパンチをしたが逆に頭の上にパンチを叩き込んで、スフィンクスに乗っかった。
そして狙いはこそこそしていた2人になり、Mr.3の能力でもぐらたたきが始まる。 ろう人形を作れるらしく便利だと思いながらどう倒すか見ていると、どんどんと振動で揺れる床がちょっと不安になり、ルフィと同様にスフィンクスの上に乗っかって撤退した。


『ルフィ、急がないと。』

「おうそうだな!」


ダメだこの人聞いてない。
俺がやるかと、このスフィンクスぶん殴って下に進もうとしていたら、嫌な予感は当たるもので…、一気に床が崩壊して重力のまままっ逆さまに落ちていった。
いつのまにか彼らも道連れとなってしまい…あーあ。今のうちに逃げればよかったのに。


ね、言ったとおりでしょ
(さてどうなるか)(もう戻れないよ)




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