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抵抗する気も失せた俺は監獄送りらしい。
海牢石の手錠と足枷をつけられた状態で船にどんぶらこと揺られていて、かれこれ3日経つ。 皆飛ばされていったが俺のことは飛ばしてくれなかったので、こうして捕まえられたわけだ。 いや時間厳しいから遠慮して拒否したけど。
おら降りろと乱暴に言われ目的地に降り立つといかにもな牢獄が目に写り、じゃらじゃらと鎖の音を立てながら歩くとグラサンをかけた、監獄の人が着るような服を着た女性がいた。 てかまんまそれだよね。


「あなたが新しい入獄者ですね。ボディチェックを受けてもらい、写真を撮り、洗礼を受けてもらいます。」


きびきびとした口調で言われボディチェックを受けて刀は取られてしましま服に着替えて写真をぱちり。 さぁ洗礼を、と来てみるととてつもない熱気が身体中を包んだ。 思わず眉間にしわが。


「殺菌消毒のための洗礼、地獄のぬるま湯です。」

『えっこれに入るの?ぬるま湯?沸騰してるんだけど。』

「100℃はあります。」

『うっわ。』

「さぁお早く。」


渋々というか嫌々というか、熱湯殺菌だなんて単純的かつ明快かつアホらしいやり方だと思いながらも、目を閉じて湯に入る、ああ熱い。 ざばっと出ると驚いたような様子を見せる看守。


『とっとと案内して。』


服がひりひりしている肌に張り付いて痛い。
呆けたのも束の間、すぐに元の調子に戻り、エレベーターへと案内される。


「あなたは賞金首でもないからlevel1、紅蓮地獄です。」

『level1?』


曰く、それぞれ地下の階数ごとにレベルが増えていくこと、それぞれの階に地獄が設定されていること。 拷問ありきだが要はいい子にしてなさいと、監獄でそんな聞き分けいいやついるわけないだろうに。
なんて皮肉めいた無理難題を言うんだ。


「なんだ、ガキが入ってきたぞ。」

「各牢屋ごとボスの言うことは絶対だ。」

「分かったか新入り!」


わぁわぁと寄って集って言ってくる。
ダメだしましまが多すぎて誰が誰だか分かんないんだけど。 目の錯覚を引き起こしそう。


『あー…うるさいな。』


面倒になって殺してやろうかと睨み付けると、顔を青くして黙りこくる。 そんなめんどくさいルールがあるなら乗ってあげる。


『ここのボスは今日から俺。余計なことを持ち込んだら殺す。』


そう凄んでみれば大人しくなった、よしいい子。




しばらく経ってみるとなんというか別にいい子にしてれば何もないし監獄感がない。 脱獄したいし計画練るかと思っていたらなんだか騒がしい。


「やっちまえブルゴリ!!」


廊下の奥から聞こえる声に牢から顔を覗かせるとブルゴリと戦う二人の姿が見えて、脱獄かなーと思っていたらなんだか見覚えのある声と顔が…。


『えっ、』

「嘉識?!無事だったのかお前ー!」

『いやこれ無事ではないよ。』

「今すぐ出してやるからな!おい!こいつも出してくれ!」

「アァン?!何で俺様がっ!」

「俺の仲間なんだ!頼む!」

「――ちっ、足引っ張んなよ!」

『ありがと。』


なんとルフィがいるではないか。こんなところに一体どうして何がどうなったのか。
いっしょにいた顔が派手な人に出してもらえた。いや手錠重かったと手をぷらぷらさせる。


楽園は遥か遠く
(どこに行こう)(あなたと共に)




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