03




『ということがありましたが上陸した麦わら一味はそれぞれ潜入スパイ活動に勤しみ、俺はトラファルガーに治療してもらわなきゃならない身だからこうしてただただ身を隠しているのでした。』

「何か言ったか。」

『いや何も。独り言。』


ただのメタ発言だから気にしないで。

ワノ国に上陸した後も治療を受けてすっかりお腹の痛みもなくなり、ついでにドフラミンゴにやられたところも完治して俺は元気になりました。
しかし病み上がりに動いてよしと言うような医者ではないらしく、様子見ということで俺はそのままトラファルガー御一行といっしょに身を隠しているところ。
ワノ国はいかにもサムライな時代の様相で現代的ではなく、言うなれば一般的にイメージされる江戸時代の日本に近い。身分制度だってある。
よって服装も和服であり、男性は袴ということで着たものの、正直甚平の方が動きやすいと思う。ちなみにまげは却下した。ポニテで勘弁。
俺が知る江戸時代の様相と異なるとしたらあの黒い煙を吐き続ける煙突が並んだ工場だ。あれはむしろ現代的。
あの工場のせいで、この国の自然は荒野に近く、川も汚染しているため飲み食いだってろくにできやしないほど貧しい。環境汚染だなんて現代の社会問題を目の当たりにしたみたいだ。
そう思いながら団子の串を咥えてぷらぷら遊ばせていると、トラファルガーの部下の白くまが帰ってきて、ルフィたちがたどり着いたという情報が入った。
もちろんサンジ奪還できたとかビッグマムと衝突したとかは言伝ではあるが耳に入れていたものの、いざ到着したとなると、その報告に素直にホッとする。当然心配なので。
情報によれば、ルフィはゾロと合流して博羅町というところに入っていって既になんか事件を起こしてしまっているらしい。
相変わらずというかなんというか、早い。


『どうする?』

「決まってんだろ!止めに行くぞバカどもを!」

『だよね。』


隠密行動なんてできるわけないのだ、ドフラミンゴの時に十分すぎるほど分かっていただろうに。

道中白くまが川の魚を拾い食いしてお腹を痛めるというハプニングがありながらも、ようやっと近くまで着いて町の様子を探ると既にボヤ騒ぎは起きているわバジル・ホーキンスが入り口にいるわで、もはや手遅れでは。
そう思いながらトラファルガーの顔を見やるとしかめっ面をしていた。
ただ、こうなっては仕方がない、バジル・ホーキンスはルフィやトラファルガーの顔を知っているので早めに潰しておこうという逆転の発想により、とりあえず町の入り口に向かおうということに。


『なんという後手後手。』

「お前んとこの船長のせいだろうが!」

『そこは俺にもコントロールできるわけないじゃん。』


だろうなと語気を強めて言い返された。


心地いい程の欠落感
(頭空っぽの)(生ぬるさ)




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