05




しめた、今日はツイているのかもしれない。


『跳ばして!』

「――空軍キラーシュート!!」


ぐっとパワーを溜めたキックで宙にいるドフラミンゴにシュートしてもらう。
不適に笑みを浮かび続ける彼に向かって刀を横に薙げば何重にもなっている糸の束で止められるが、同じ轍は踏まない。糸を軸に止まった刀を叩いた勢いのまま回転させて体を上に持ち上げ横っ面に蹴りを食らわせる。


「…ッ!調子のってんじゃねェ!」


怒りの表情で右肩にかかと落としを食らわされ、その衝撃で思いっきり下の甲板に叩きつけられる。
目の前がチカチカして肺から酸素がなくなった。酸素を吸おうとした喉から咳が出る。
背中に伝わった衝撃は既に前の島であの鉄みたいな海兵に折られたあばら骨に沁みた。痛い。まだ治ってないからすごく痛い。
胸部を抑えながら身を起こしてまた上に向かおうとしたら、サンジが糸に囚われて身動きができない状態になっていた。


「サンジくん!!」


トドメが刺されようとしたその瞬間、パッと位置が入れ替わり船の上にローが移動してきた。
もはやすでにボロボロである。
バタバタした船内でシーザーを連れて次の島に行けという指示がトラファルガーから出されたが、ナミたちは仲間を置いて行けるわけないと抗議。
しかしそんな躊躇する暇はなく、なんと島から軍艦が飛んできた。


「軍艦が飛んできたー!!」

「あっちからはドフラミンゴ!」

「残るのは自由だが、シーザーを渡すなよ!」

「空から何か降ってくるぞ…隕石〜!!?」

『なんの超常現象かと思えばそうか重力を操る男がいるのか…!』

「トラ男くん!ぐるわらの一味出港します!!」


船長不在につきぐるわらの一味なのだろうか。
サンジにカイドウ狙いならあくまで通過点だろうと指摘されながら隕石を軍艦に能力でぶつけるトラファルガーを横目に、こちらに向かってくるドフラミンゴに見えるように先ほど縛り上げておいたおばさんの首に刀を当てる。面白いほどピタリと止まった。


「いいか!雲のない場所を探して進め!ドフラミンゴはイトイトの実の能力者!雲に糸をかけて移動している!雲のない場所じゃ追ってこれねえ!」


クー・ド・バーストで逃げようとする船を行かせまいと動いたドフラミンゴにもう一度おばさんを見せつける。
おばさんがアタクシのことは構わずとは言うが、そうはできない仲間想いの男らしい。意外だ。俺も気持ちはわからんでもないが。そのかわりに忌々しいと言わんばかりの顔で睨まれた。


カルシウムが足りてないんだよ

(いつもみたいにスマイルしてみろよ)




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