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というわけで、トラファルガーとチョッパーが覚醒剤の治療法を探しに、ルフィ、ロビン、フランキーがマスターを誘拐しに、そして残ったナミとウソップらは子供を見張るために残るということになった。
マスター、いやシーザー・クラウンはトラファルガー曰く元政府の科学者であり、ガスガスの実の能力者、懸賞金は3億ベリーらしい。
俺も誘拐したかったんだが、子供達を連れ戻すためこちらにまた敵が来うるということでナミとウソップに行かないでと泣きつかれて残ることに。身内に頼まれたら逆らえない性分なものでして。
しかしそう時間が経っていない内に睡眠効果が切れたらしく、キャンディを食べたいと子供達は暴れ出した。
睡眠薬ももう効かないし、さっき暴れていなかった子供達もキャンディを欲しがっている。


「何とかして嘉識!」

『何とか、…まあ攻撃をいなすぐらいのことなら。』

「あっ、でも刀はダメよ!怪我させちゃう!」

「くれよキャンディー!!」


とんだあまちゃんなセリフだ。だが俺はもっと身内に甘いので何とかしてみせよう。
鉄柱の攻撃を武装色の覇気を纏った腕でそらして倒れてきた子供の懐に入って足払いをすれば、転んだ子供に何人かが巻き込まれて転ぶ。
転ばせるぐらいは許してくれ。
しかしこれを一体いつまで続ければと思いながらキャンディーをくれと襲いかかってくる子供達を相手にしてると、後ろにだれかが来たような感覚と同時に子供らがマスターと呼んだ。


「大丈夫か?子供たち…シュロロロロ…、さあ帰ろう、研究所へ。ここは危険だ。いつもの、おいしいキャンディーが食べたいだろう?」

「マスター!!」

『へえ、あんたがマスター…。』

「あんたが子供達を攫った犯人ね!?」

「何でここに…ルフィたちとすれ違っちまったのか!」

「シュロロロロ、お前たちかわいそうなことをする…、なぜ連れ出した!子供たちが苦しんでいるじゃないか!」

「何ですって、誰がこの子たちを苦しませてんの!?こんな小さい子達にあんたいったい何飲ませたのよ!みんな家に帰りたがってるわ!親たちだってずっと捜してるに決まってる!」

「マスター!キャンディくれよ!」

「いつものキャンディー!」

「シュロロロロ、どこに帰りたがっている子がいる…!?」


なんとか止めようとするウソップ、ナミがどけよと殴られるのを見て、子供をぶち壊してやろうかと思った。
怒りで瞳孔が開くような感覚になるが、ナミにやめてと止められる。曰く、彼らも被害者とのことだが、そんなこと俺に知ったこっちゃないんだけど。
大きな子供たちもついに自力で鎖を壊せるほどの力を発揮し、皆マスターの元へと進んでいく。
彼らは欲に従い、止める声を振り切ってまで行くのだ。


冗談よして!

(こんなことを見過ごせるほど寛容ではない)




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