...trash can

緑黒ーネタ
2013/12/16 14:12
自殺に成功した高尾くんに憧れる黒子っちとどちらの様子も見てきた真ちゃんの話。
昔から自殺願望が強かった黒子っち。結局、勇気はでなくて自殺できない。しようとしたら止められたり。死んでしまいたいほどに何かが嫌なのではなく、ただ死ぬことに興味がある。死ぬことに期待してるし、夢を抱いてる。綺麗なものだって信じている。中学の頃は、その考えというか思いに賛同もしていた緑間くん。
高尾くんの死ぬ瞬間を見て、何も綺麗じゃないと知る。ただただひたすらに何もかもが痛い、と黒子っちに訴えるも伝わらない。高尾くんの死体を見ても尚、綺麗だと言う黒子っちのどこか狂っているようなところが、結局のところ好きなんだと気づくまでの真ちゃんの話。高尾くんは諸々のストレスから自殺。
結末は、真ちゃんが黒子っちを殺すか、死にたいといい続けながらもいちゃいちゃするか。


虹赤
2013/12/11 19:45
視力を失った赤司くんの話。
in病室

「センパイはこの間、俺に見せたいものがあるっていいましたね」
「……どうでもいいもんだったから気にすんな」
「俺、そういところ細かいですよ」
「あれは、なんつーのかな。それを見せたかったんじゃなくて、いや、見せたくはあったんだけど、お前におんなじ気持ちになって欲しくて……ああもう、なんのフォローになってねえや、はは……」
「それ、なんだったんですか」
「…………空」
「青空ですか?夕陽ですか?夜空ですか?」
「青空だよ……もう、しゃべんな。オレの為に黙れ」
虹村はその大きな手で赤司の両目塞ぐ。包帯が巻かれているわけでも眼帯がされているわけでもない。手のひらに薄い目蓋の下で眼球がごろごろと動くのを感じた。まつげの先端がつんつんと刺激する。
瞬きする赤司の瞳は動かなかった。鈍く濃度の高い、けれど傷口から溢れだしたばかりの血液のような鮮やかでどろりとした光を持っていた赤司の瞳が、動かなくなった。光を失い、じっとりと品定めをするような視線も、嘲笑うかのようにくれられる一瞥もしなくなった。
丸い紅は何も追わない。貴方も俺にとってひとつの理想だった。そう言って背中を見つめていたはずの紅は何も見ない。
「センパイは昨日の空の色が思い出せますか」
「俺は思い出せない。昨日も一昨日も、ただ青いという事実だけ塗り替えられて、それはもう想像とすら呼べるくらいで、そして、いつか青いということがどんなことか分からなくなる。人の記憶は何度も塗り直さなきゃ、定着できないんです。時間が経てば、塗装は剥がれる」
「何が、残るんですか」
虹村は何も答えられなかった。


宮黄
2013/12/08 20:14
皮膚なのか筋肉、骨なのか分からないがずきずきと大きく響く痛み。心臓の鼓動にすら反応して大きく波打ち、やはり響く。じんわりと熱を持ち始めた皮膚は赤く、微かに赤黒い小さな斑点が見え、鬱血しているのだと知る。
曖昧模糊とした思考に反して、痛みだけが鮮明だった。痛みしか感じられなかった。
それでも、黄瀬は目の前の男に怒ることもなければ怨みの念を抱くわけでもなく、ただ愛おしいと思えてしまうのだった。恋は毒だと言ったのは誰だったか。黒子っちがそんなこと言っていたなあ、と思い出したところで遠くから鈍い音がした。少しして後頭部に新たな痛みを感じる。かあっと熱く茹だるようにそこに熱が集まる。しかし、継続して体は鼓動に合わせ軋む。
涙をぼろぼろと零し、しゃくり上げる男は息を荒くして、けれど静かに自分が組み敷いている黄瀬に言った。

「お前と、お前なんかと……会わなければよかったんだよな?」

その質問の答えを黄瀬は知らない。


赤黒、黛赤(赤黛?)→黛黒
2013/11/22 01:00
黛黒って
「やっぱり、オリジナルには敵わないんだな」
「貴方と僕は別ですよ」
「それでも赤司は俺とお前を重ねてる。それでも俺は赤司の視界にいたかった」
「僕だって、同じだ。でも、それは叶いませんから」
「俺なんて出会った瞬間に振られてる」
「ふふ、責任を取りますよ」
こんなですか。


緑高
2013/11/21 00:45
視えるのに。俺には目の前のエース様の呼ぶ声が聞こえない。俺が目を閉じたら、俺の世界から俺のエースが消える。どんなに緑間が俺呼んでくれても、求めてくれても俺には分からないのだ。もし、俺が緑間を拒否したら。それが全てで、その全てはなかったことになる。
俺が見えなかったら、俺が気を抜いたらあいつはひとりになってしまう。聞こえていたってできないことが、どうして尚劣った俺にできるというのだろうか。

「しーんちゃん!」
高尾はヘッドホンを外しつつ前を歩く緑間の肩に手を置いた。緑間が何かを言おうと口を開き、つぐむ。提げた鞄から透明なプラスチックカバーのかかったスマートフォンを取り出した。何かを打ち込んでいる様子を見てにやにやと高尾は笑った。緑間はスマートフォンをズボンのポケットにしまい、高尾を向いた。
おはよう。
高尾にそう唇の動きで伝えた。それが自分の思い込みでないことを信じつつ、おはようと小さめの声で恐る恐る告げる。頷いた緑間にスマートフォンを突きつける。
『俺、うるさくない?』
『平気なのだよ』
うるさいのはいつものことなのだよ、あまり口を開けて話すことのない緑間ははっきりと一言ずつ区切るように口を動かした。

ーーーー
高尾くんの誕生日とは関係ない


真凛
2013/11/17 09:36
スーパーでバイトしている凛ちゃんと、よくそのスーパーで買い物していく一人暮らしまこちゃんの話。

ジャラジャラと音を立てて、機械の小さな口からいくつもの小銭が出てくる。適当に指で数えつつ左手の手のひらに硬貨の大きい順に積んでいく。ワンテンポ遅れてしか出てこないレシートを待つ。混んでいるこの時間帯には一番イライラする。毎日、この時間、凛の担当しているレジにやってくる客ーー凛といくつも変わらないくらいだろう。身長が高く肩幅も広いのに優しげな顔つきが印象的だったーーをちらりと盗み見て、制服の胸ポケットからボールペンを取り出す。ギリギリ読めるかというレベルの文字でやっと出てきたレシートに数字を走り書く。
「レシートと354円のお返しです。ありがとうございましたー」
「どうも」
えんじ色のかごを抱えて、客はにっこりと微笑んで去っていった。隣のレジに入っていた先輩がニヤニヤとりんを見てきたので思わず目を逸らす。レジを待つ列は長い。さっきの客がレシートをどうしたのか気にならないわけではないが、それどころではなかった。レジ各地でレジ応援の合図の音が鳴っていた。

「昨日はどうも。一応、かけてみたんだ」
「え」
「蕎麦屋にかかったね……」
「あー、えっと……」
スキャナーの前をぴ、ぴ、とたくさんの品物が通り抜けてはえんじ色のかごに収まっていく。一方で空になっていく緑のかご。思わずモニターのボタンを押してしまい、エラーをした。急いでクリアのボタンを押す。
「さ、3567円でございます……」
「今度はきみの番号教えてね」

ーーーー
この間、スーパーでレジやってる子と話していて「電話番号もらった?www」「それ、渡すほうでしょ。レシートに書くやつ」みたいな会話をした結果。


高緑
2013/11/16 09:32
「お前はなぜ、そんなに勝利にこだわる」
勝利を絶対とし、負けることを許さなかった男を思い出す。
「それは、真ちゃんには言われたくなかったんだけどなー」
「今の真ちゃんは分かんないもんね。仕方ないか」
腰を上げ、ベッドの縁に手をかける。緑間に顔を近付け、にっこり、とそんな擬音が聞こえてきそうなくらいに満面の笑みを浮かべた。
「勝ちたいから」
理由なんてないよ。ただ、自分が負けている姿を想像するとね、吐きそうなほどに気持ち悪いんだよね。そんな自分は大嫌いだし、死ねばいいと思えるほどにね、認めらんないんだよ。どうして、そんなに勝つことに執着するようになったのかは分かんないけど、まぁ、負けず嫌いをちょっとこじらせちゃった感じかな。でもさ、いくらそんなこと言ったって、負けるんだよね、オレ。だって、どんなに負けないために努力したってさ、オレは凡人なんだから。天才には敵わないだろ。才能、なんて言葉で片付けられるんだったら、オレはこんな人間じゃない。だからさ、オレはね、オレにできることをするんだ。目的の為に手段を選ばないなんて、当たり前のことだろ? 誰だってそうじゃん。
天才の相手は凡人じゃ務まらないけど、天才と、凡人の中じゃできる方の人間が組めば勝てるかもしんねぇって思ったんだよな。手段は選ばない。お前と会えたのは『運命』だと思ってたよ。ついてるなって思ったけど、ここまでなんだろ。だったら、オレは次の手段を探すだけ。オレの執着は勝つことにしかないからね。

「なあ、緑間。オレに夢を見させてくれてありがとな」

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真ちゃんが故障する話のボツネタ。いつかゲス尾は書きたい。



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