だってあついから・4






「あ・づ・い・っ!!」


「懲りないね」
「トリコくんのせいで私まで汗かいちゃったじゃない!」
「だったら一発でやめろよな」
「トリコくんが避けるからでしょ」
「フツーは避けるだろ」

燈子はもう一度扇子を開き、湿った肌に風を送った。

「あー涼しい」
「ちょ、オレにも」
「嫌。」
「順番こ!」
「無〜視。」
「この〜・・・」

トリコは椅子ごと燈子の隣に移動すると、燈子の身体にピッタリとくっついた。

「ちょっとトリコくん?何でくっつくのよ?!」
「え?オレは風が来る所に移動しただけだって」
「やだ!何かベタベタする!!」
「燈子のほっぺた何か冷たいな〜」
「いや〜っ!気持ち悪い!!」
「風〜早く〜」
「バカ!離してってば!」
「ヤダよ。燈子の体、冷たくてすっげー気持ち良いし」
「私は気持ち悪いんだけど?!」
「オレは最高〜」
「やめてってば!」
「やめませんってよ?!」
「ちょっと!くすぐったい!!」
「くすぐってなんかないデス〜」



ジュッ。



「・・・見てて暑苦しいんだけど。」



「えっ///」
「え、まさかココ、やきもち?」
「やきもちも何も・・・嫌がってるじゃないか」
「ココさんの言うとおりだよ!」
「何で今日は嫌なんだよ?」
「今日はとかじゃ無くって!」
「あ、シャワー浴びてないからか!」
「バカっっ!!」
「・・・・・・」
「そう言えば蒼衣遅いな〜?」


ココは立ち上がった。額に青筋と毒を混じらせて。
立ち上がった無表情なココに二人はビクリと体を強ばらせ、そのままの体勢でココの機嫌を窺った。
「「・・・」」
テーブルの一部・・・ココの手が置かれていた場所は変色して、怪しい気体が立ち上っている。
「「・・・・・・」」
ココは眉をひそめてトリコを見るとその足でキッチンに行き、何やらガサガサと探しだした。


数分後。


「トリコ。これをやるから大人しくしてろ」
「な、何でしょう?ココさん?」
「んー。天然の氷枕ってところかな」
「氷枕?」

ココが持って来た物は、半透明のクラゲ。
それをトリコの頭にボム、と乗せた。

「うおっ?!何これ冷てぇ〜!」
「だから天然の氷枕だって」
「生きてるの?!」
「当然」

燈子は恐る恐る、トリコの頭の上でふるふると揺れるゼリーを眺めた。

「本当は発熱時に使うんだけど・・・この男があまりにうるさいからさ」
「サンキューなココ!!」
「礼なんか良いって。それよりもとっとと離れなよ」
「・・・それってヤキモ「何か言ったか?!」・・・イイエ」









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