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「あ〜、そうだったんだ〜!俺のためにやってくれたことだったんだね〜!皆ありがとね〜〜〜!」
「い、いえ…相馬…様にも迷惑をかけてしまったので申し訳ございません……」
「そうだね。三笠くんは反省の意を込めて相馬の上履きでも舐めな。……あ、嘘、それは俺がやりたい」

また凌駕がとんでもないことを言っている…。

頬を赤らめる凌駕にドン引きする。

そして、何故か本気にした三笠先輩がうずくまって俺の上履きの底を舐めようとするから慌てて止める。やばい、この人もおかしい。

また、変崎を始めとした先輩達にも号泣されながら謝られたため、俺はこの件を許すことにした。号泣しながら土下座をし続けるので、流石に哀れになってきた。



そして、凌駕はなぜこんなことになったのか一連の流れを把握したわけなのだが………。



「そっか〜相馬が俺の親衛隊になるのは大変萌えちゃうな〜!隊員になったら俺といつでも行動ができるもんね!」
「いや、それをしたくないから断ったんだけど」
「まーた、そんな照れて〜〜〜」

ツンツンとほっぺを突いてくる兄の手を素早く払う。

変崎が「相馬あんなに早く動けたのか…!」って驚いており、凌駕も「相馬また手の動き一段と早くなった…!」って感動し始め、もう、ほんとに…………。



「とりあえず俺は隊に入らない」
「ええ〜なんでなんで〜〜隊に入ると特典もいっぱいあるよ?」
「1人の時間が減るのがやだ」
「俺は相馬と一緒にいる時間が増えて嬉しいよ」
「俺は嬉しくない」
「こら〜〜〜!お兄ちゃんの言うことを聞け〜!聞かないと、入隊するまで拘束するぞ〜!」
「それ、三笠先輩達と同じ発想…」
「俺も相馬がこんなに頑固だと知らなかった!俺の隊員になれば、食事券がついてきたり、授業サボれたり、俺と四六時中一緒に行動できたり、あわよくば恋人にまで発展できるかもよ!?」
「食事券…」
「え、そこに食いつく?」

でも可愛いなぁなんて頭を撫でようとしてくる凌駕の手を素早く避ける。
三笠先輩やチワワ、マッチョ先輩達が俺たちの攻防を呆れた視線で見ていた。





「あ、でも」

変崎がふと思い出したように呟く。

「隊員になったら恋人にはなれませんよね?この前確認したんですけど、不純交際を規律する為に全親衛隊は生徒会役員と恋人になることはできず、かつて親衛隊に所属していた人間も公正を期すため恋人にはなれない、と」

「…………」


何故か沈黙する凌駕。

不気味なほど静かになってしまった凌駕に、なんだ…と不審さをかんじていると、急に凌駕は顔を上げてこちらを見た。






「んー、やっぱりなしで!てか、どこの親衛隊にも絶対入らないでね!絶対ね!!!」



笑顔でサムズアップする凌駕に、一同は凌駕の何か不穏な気配を察したのであった。





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