×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
少女は今を諦めたかった。
辛くて、苦しくて、どうしようもない日々を生きるのがしんどくて、嫌だった。

家族も優しくて好きだ。
幼なじみも優しくて好きだ。
私は幸せなんだろう。

そう思わされる度、気づかされる度、
こんな自分に嫌気が差した。

何もできない無力な自分も、
必要とされないこんな自分も、
大嫌いだ。


何回もこんな自分が居なくなればいい、そう思った時がある。
でも怖かった。
痛いのも、苦しいのも嫌でそれを実行する覚悟も何もなかった。



だから、縋った。

記憶よなくなれ、と、そしたら楽になれるのに。
何もかも忘れて、最初から。
出来もしないことと分かっていながら、そう思わずにはいられなかった。
<< >>
[TOP]