少女は今を諦めたかった。
辛くて、苦しくて、どうしようもない日々を生きるのがしんどくて、嫌だった。
家族も優しくて好きだ。
幼なじみも優しくて好きだ。
私は幸せなんだろう。
そう思わされる度、気づかされる度、
こんな自分に嫌気が差した。
何もできない無力な自分も、
必要とされないこんな自分も、
大嫌いだ。
何回もこんな自分が居なくなればいい、そう思った時がある。
でも怖かった。
痛いのも、苦しいのも嫌でそれを実行する覚悟も何もなかった。
だから、縋った。
記憶よなくなれ、と、そしたら楽になれるのに。
何もかも忘れて、最初から。
出来もしないことと分かっていながら、そう思わずにはいられなかった。
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