▼ quatorze(5)
「はっ……すげえな、おまえ、さっきから、ずっとイキっぱなしじゃねえか」
「あっ、あっ、だめっ、おねがい、だめっ、イク、いっちゃう、またイクから、だめっ」
「いいだろ、何回でもイけよ……ほら、……ほら、セラ、……」
「あぁんっ! あぁっ! いくっ! イクッ! イクッ! だめぇっ!」
腰のあたりを抱え込まれて、身体を揺さぶられる。白柳さんは奥に熱いものを押しつけたまま、俺の身体ごと腰を揺すってきたのだ。奥に圧を感じたままゆさゆさと身体を揺すられて、俺は自分でもびっくりするくらいに乱れてしまう。
「あっ――!」
大きい波と小さい波が交互にやってくる。ビクッと大きく俺が震えれば、白柳さんはぎゅうっと強く俺を抱きしめて、ぐぐっと奥にソレを強く押しつけてくる。俺の身体がヒクヒクとしているときには、白柳さんはゆるゆると俺の身体を揺する。
もう、本当に気持ちよくて、おかしくなってしまう。頭が真っ白、口元もゆるゆる。こんなにとろとろになって気持ちよくなるセックスは初めてだ。
「あぁっ、あぁ、あっ、待っ……うごかないでっ、だめっ、だめっ」
「悪ィな、動くなって言われてハイって言えるほど、余裕なんてねえんだよ、」
「あっ、いっ、いく、いくっ、だめっ、あぁあっ……!」
徐々に白柳さんが腰を動かし始めた。ぐっ、ぐっ、とさっきよりも重くて深い圧力がかかって、声がでないくらいの快楽にさいなまれる。下腹部全体がびりびりとしびれているような、そんな心地がして、自分のものとは思えないような声がどんどん出てきてしまう。
そのまま、身体をぎゅうっと抱きしめられた。身体が触れあったところが、また気持ちよくなってしまう。もう、このまま消えてしまいそうって思ってしまうような、そんな溺れているような感覚。
「はっ……あー、っ、……俺もそろそろ、イきそうだ、」
「あっ、白柳さっ……なかっ、……なかにっ……」
「あ? いいのか、」
「はいっ……なか、だして……なかで、イッて……」
自分で何を言っているのかもわからない。ただ、白柳さんのことが欲しくて欲しくてたまらなくなった。
ぐいっと抱き寄せられて、唇を塞がれる。唇も、身体も、なにもかも、触れあっている。全身が汗ばんで、気持ちよくて、俺は確かめるように何度も何度も白柳さんの身体を抱きしめた。
「ん――」
ビクン、となかで白柳さんのものが震える。じわ……と熱が身体のなかに広がってゆく感覚に、なかに出されたのだと実感した。頭がぼーっとして、何も考えられない。気持ちいい、……ただそれだけを思っている。
「あ……」
唇を放されて、さみしさにまぶたを開ける。そうすると、汗だくの白柳さんが俺を見下ろしていた。ああ、この人に抱かれたのだと、そう感じて、胸がぐっと苦しくなるようなときめきを覚える。
「白柳さん……」
俺が名前を呼べば、白柳さんは再び俺を抱きしめた。ちゅ、ちゅ、と耳やこめかみにキスをされて、たまらない気持ちになる。
「……こんな、セックス……初めてです」
「俺もだよ……」
「そう、なんですか? ……どうでしたか、……どんなふうに初めてだったんですか?」
「んー……? どうって……わかんね、おまえんとこ、好きなんだなーって思いながらヤッてた感じ……」
「ふっ……」
「笑うなよ……おまえはどうなんだよ……」
悪態をつきながらも、白柳さんはキスをやめなかった。息がかかる距離で俺を見つめてきて、ふに、と触れるだけのキスをしてくる。
甘ったるい時間。こういうものに慣れていない。恋人とのセックスは初めてだったから、なんだかむず痒くて笑ってしまう。
俺が笑っていると、白柳さんも少し笑っていた。もっと、彼の笑顔を見ていたいと思うのも初めてで、困ってしまう。
「俺も、同じですよ」
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