▼ quatorze(4)
「ん、……」
「……、なあ、そろそろ、」
「……はい、……どうぞ、」
「どうぞって」
「ほかにどう言えばいいんですか……?」
「もっとカワイイ言い方ねえのかなって」
「えー……、」
ずり、ずり。白柳さんが堅くなったものを俺の腹に押しつけてくる。白柳さんだっていれたくてたまらないくせに、優位に立ったような口調で煽ってきて、なんだかムカツク。でも、そんなところも好きなので、心の中がむずむずする。
白柳さんの腰に手を添えて、じ、と白柳さんを見上げて。どう言おうかなってちょっと考えて、いくらでもイヤらしい誘い方はできるけれど、なんとなく「違うな」って感じたので、
「待てない」
と素直に伝える。
白柳さんはむうっと納得いかないような顔をして「俺はだいぶ待ったんだぜ」と言ってはいるが、その熱っぽい目を見るに満足はしてくれたらしい。
「ねえ、カワイイ?」
「……すっげえカワイイよ」
「……、ん、じゃあ……」
「わかってるって、俺だって余裕ねえんだよ」
カワイイってストレートに言われるとびっくりして恥ずかしくなった。俺が口ごもっていると、白柳さんが俺の太ももを掴んでぐいっと脚を開く。まだ日が昇っていて、部屋も十分に明るい。恥ずかしいところが丸見えになってしまって顔がかあっと熱くなる。
「あ、あの、……白柳さん……」
白柳さんは俺の脚を掴んだまま、じっと俺を見下ろしていた。ソコは丸見えだし、たぶん真っ赤になっているであろう顔も見つめられるしで、とにかく恥ずかしい。ついつい手で口元を隠してしまう。
「は、はやく……どうしたんですか、白柳さん……」
「いや……こうして照れてるおまえはレアだなあって……」
「う、うるさいっ……! 早くしてくださいよっ……! 照れるのは当然でしょ、恋人とのセックスは初めてなんだってばっ……」
なぜ、白柳さんはいちいち俺の反応を見るために止まるのか。そっちだってバキバキに勃っているくせに!
恨みがましく白柳さんを見つめると、白柳さんがフフッとおかしそうに笑う。
「悪いって、早くヤりてえ気持ちはあるんだけどよ、ついつい目がいっちまうんだって、おまえに」
「……、うう、……ばかじゃないですか……」
「はいはいバカですよ、ほら……ゆるしてくれよ、」
「あっ……」
ぴた、と先端があてられる。ぎゅっ、ぎゅっ! とソコが収縮して、まだいれられてもいないのに「あっ……」と声が漏れてしまった。
また、白柳さんは俺の顔を見て、なんだか色んな感情が零れ落ちるような表情を浮かべて、はあっと息を吐いて動きを止める。「白柳さん……」と俺が懇願するように囁けば、ようやくその腰を動かしてきた。
「は、あっ――……!」
ず、ず……と重く熱いものがなかに入ってくる。感覚としては、ねじ込まれている……というものなのに、俺のなかはすっかりソレを受け入れていて、奥に奥に入ってくるたびに蕩けるような快楽が身体中に行き渡る。
「っ、……締めすぎだ、セラ……」
「だって、……あっ……あ、だめっ、いくっ……だめ、っ!」
締めすぎなんて言われても。俺の身体、ずっとイキっぱなしで、俺が意図しなくてもなかがキツくなってしまう。自分でもなかで思いっきり白柳さんのものを締め付けていると感じているけれど、それは俺にはどうしようもない。
「あっ、うぅっ、うっ、あ、は、ァ――……ッ」
「くっ、……おまえっ、……」
そんなに強く締め付けちゃだめ、って自分の身体になんとなく言い聞かせてみるけれど、当然ながらどうしようもない。白柳さんのものが奥に近づくほどに身体がじゅわっと熱くなって、締め付けがキツくなる。
だから、白柳さんも大変なのだろう。耐えるように眉をひそめている。そんな表情がちょっと色っぽくて、余計に身体が熱くなる。
「あっ――……おく、……おくに、……あぁ……」
「はぁっ、やべえな、……おまえ、大丈夫か」
「う、……ぁう、……だめ、……だめです、……白柳さん、……うごかないで、……あ……あ、……」
じぃん……と響くような熱がお腹のあたりで広がる。白柳さんのものが、奥まできた。奥にぶつかって、奥に触れているところが蕩けているような感覚。ソコ、こすられたら、強く押されたら……おかしくなる。そんな予感がする。
けれど、白柳さんがそのままジッとしているわけがない。白柳さんはぐぐっと腰を押しつけるようにして、俺に多い被さってきた。
「あ、あぁあぁ……白柳さん……だめ、だめ……おかしくなっちゃう……」
「うん……? まだ、俺動いてないぞ」
「奥、……押さないで……これ以上、動いちゃだめ……」
「それは、押せってことか?」
「あっ!? いくっ、あっ、いくっ、……あぁっ、あぁあ……」
ぐぐっと奥に熱いものを押し込まれる。ぐぐーっと奥を押されて、俺は否が応なしに身体をのけぞらせた。
あ、これは、まずい。これ以上気持ちよくされたら、本当におかしくなる。
だめ、白柳さん。これ以上、だめ。
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