涙に青空が溶ける。

 モヤモヤとした気分を引きずりながら、放課となってしまった。今日はパーッと派手に遊んでこのモヤモヤを振り払いたいな、そう思って俺は帰る支度を始める。



「あ……」



 廊下を出たところで、俺は立ち止まってしまった。少し離れたところに、芹澤と……それから、春原がいる。春原はまるでモデルのような容姿をしているから、彼がいるところは別世界のようだ。そんな彼の横で、ちょんと立っている芹澤。なんだか彼氏彼女みたいで見ていてイライラとする。

 二人は、思ったよりもすぐに別れていった。俺が悶々としている間に会話は終わってしまったようで、芹澤が一人でこっちに向かって歩ってくる。



「せ、芹澤!」

「……藤堂。なにか?」

「あっ……えっと……今、春原と何を……」

「はあ? 生徒会の話だよ。今日は生徒会ないから今ちょっとだけ話しただけ」



 俺が思わず声をかけてしまえば、おまえには関係ないだろ、そんな目で俺を見て、芹澤は俺を横切ろうとした。たしかに誰かと話していただけで「何をしていた」なんて聞かれたら不愉快だろう。本当に俺はどうしてしまったのか。意味のわからない行動をとってばかり。でも、俺はここでまた、意味のわからない行動をとってしまう。



「生徒会がないなら……一緒に帰ろう」

「……えっ?」





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