涙に青空が溶ける。

「ちょっとのんびりしすぎたんじゃない? 遅刻しちゃうわよ!」



 朝食をかきこむように食べて、俺と芹澤は慌てて玄関に出て行った。母さんの言う通り、ゆっくりとしすぎてしまったらしい。自転車を飛ばさないと電車に乗り遅れてしまう。



「芹澤くん、また来てね」

「えっ、あ、はい」

「いってらっしゃい。芹澤くんも結生も、気をつけて」



 母さんがにこにこと笑いながら俺たちに手を振ってくる。そうすると何故か芹澤はぽかんとした顔をして固まってしまった。でも、そんなにぼやぼやとされたら遅刻してしまう。俺は「いってきます」と大声で言いながら芹澤を引っ張って自転車の止めてある駐車場に向かって駆け出した。

 芹澤は、もごもごと小さな声で「いってきます」と俺の後に続いて言っていた。




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