夏戦 | ナノ

 ただいま増量キャンペーン中ですゆえ

此方なまえ、電車からを降りてただいまバスに乗っております。
なんと先客がいました。
これまた親戚の方らしく、私以外はきゃっきゃとお喋りに夢中です。
私的にはこんな増量キャンペーンは望んでいないのですが。
訂正、男の人はそこまできゃっきゃしてない。
むしろ「あぁ…置いてかれてるな俺…」
みたいな哀愁漂ってる。私とお仲間かしら。

ちなみに今考えてることは親戚様方の呼び方。おばさん?さん付け?
でも、夏希さんが由美おばさんって言ってたから由美さんでいいや。
じゃあもう典子さんでいいって事だね!…私本当に親戚なのかな。
まさしく蚊帳の外…いやむしろ輪の中に入れられても困るんだけどこれはこれで寂しいというか。

「お姉ちゃん」

目の前に2人の男の子。今お姉ちゃんって言った子が確か祐平くん?
む、なんだろ、あと一緒にいる真悟くんに話しかけられた。

「…えっと、私、です?」
「お姉ちゃんって言ったらお姉ちゃんしかいないぞ」

ごもっともで…

「これ持ってる?」

ん、と真悟くんに見せられたのは携帯ゲーム機こと、DS。
暇になるといけないから一応鞄の中に入れてある。

「うん、持ってるよ」
「「通信やろ!!!」」
「い、いいけど、なんの通信?」
「「マリ○カート!!」」
「い、いよ?」

マリカかぁ。懐かしいなぁ。
相手は小学生だから負けてあげたほうがいいんだよね。合ってるよね?

「3位の奴は罰ゲームな」
「けってーい!」

くっ、負けられない戦いがここにある!!!!

*********

「あの子達、なまえちゃんの事気に入ったみたい」
「いいのいいの、遊ばせてやって。
あの子学校以外で家から全く出ないから少しでも動かさないと」
「え、お出掛けとかしないの?中学生でしょ?」
「なんか友達いないみたいでー」
「「それ駄目じゃない!」」
「だよね。私もなんとかしてあげたいんだけど、近所にいないのよ。同じ学校の子」
「あぁ、私立行ったんだっけ」
「みんなと同じ中学行けば今頃友達と仲良くしてたのかしら…」
「え?おばさん、なまえちゃんには聞いてないの?私立行った理由」
「それがね、はぐらかされちゃった」

そんな会話が広げられているとも知らずにゲーム組では。

(この子達どんだけやり込んでんの!?!?)

私これ触るの1年ぶりなんだけどおお!!

「お姉ちゃん、よっわー」
「楽勝楽勝!!」
「て、手加減してあげてるんだよ」
「つまんないから本気出せー!」
「出せ出せー!」
「もう!泣いても知らないんだから!」

スタートダッシュは肝心!カーブでは無駄な動きをしない!アイテムは有効活用!1位になった時は色々気をつける!いけ!私!!頑張れ!!

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