乙女リズムゲーム
A3!
相手)月岡紬
ヒロイン←紬。
紬side
『紬くん、私からのプレゼント!』
笑顔と共に、俺の目前に小さな草花を差し出す※※。それは、四つ葉のクローバーだった。友達と花畑を見に行った時、偶然見つけたものらしい。
俺は、花が大好きだ。癒やしを与えてくれるし、元気になれる。それを知っているから、※※はわざわざ摘んできてくれたのだろう。
「俺にですか?」
プレゼントされるなんて男女共になかった事だから、必要以上に驚いてしまう。
『もちろん!紬くんに幸運が訪れますように、って』
告げられた言葉に心臓がトクン、と大きく鳴った。俺はにこりと微笑む。
「ありがとうございます。凄く嬉しいです」
『良かった!喜んでもらえて』
「※※からのプレゼントなら、何だって嬉しいです。大切にしますね」
俺の顔は先程から、緩みっぱなしだ。丞が見たら、気持ち悪がるだろうな。手の中にある四つ葉のクローバーを、俺は優しい眼差しで見つめた。※※の想いがクローバーから伝わってきて、胸の奥が甘く高鳴る。
唯でさえ幸運なのに、大好きな※※にプレゼントされたら、大きな幸運が訪れそうですね。
『四つ葉のクローバーの花言葉って、幸運なんでしょ?』
「ええ、まぁ、そうですね。一番よく知られている花言葉かもしれません」
『紬くんが喜んでくれるのなら、もっと頑張って探せば良かった』
「僕は1本で十分ですよ。でも……」
※※が摘んでくれた四つ葉は、世界で一番幸運を持ったクローバーだから。何本もあって良いものじゃない。1本だからこそ、価値があるんです。けれど、クローバーの花言葉はひとつだけじゃない。※※は知ってるのだろうか?
『でも?何?』
「いえ、何でもありません」
俺は意味深な言葉を残して、苦笑する。※※は不思議そうな顔で、俺を見ている。きっと彼女の頭の中は、??だらけだろう。
本当は言いたい。でも、※※の気持ちがわからない内は、それを口にするのはかなり恥ずかしい。クローバーの花言葉は、幸運と【私のものになって】の意味があるから。