WJ
ハイキュー
相手)宮侑
ヒロイン→←侑。同級生
侑side
「話がある」
俺は、部活が終わるまで教室で待つようにと※※に、やや上から口調で告げた。だが、今日に限って練習がおして約束の時間は、とうに過ぎてしまった。俺は駆け足で、※※が待つ教室へと向かう。
日中は賑やかな校舎も、人気がなくなると一気に雰囲気を変える。こんな寂しい雰囲気の中で、教室にひとりきりにさせているのかと思うと、胸が苦しくなる。
渡り廊下から見えるオレンジ色の太陽は、今にも沈みそうだ。教室が見えた。俺は息を切らせながら、教室の扉を勢いよく開けた。
「ごめんな。えらい、待たせてもうたわ」
『私なら平気。侑こそ、急いで来てくれたんでしょ』
荒れた呼吸を必死に落ち着かせながら、※※の顔を真っ直ぐに見つめた。どんな時も、労いの言葉を忘れない※※。やっぱ俺は、※※が好きやわ。
『で、話って何?』
「※※に、渡したいものがあるんやけど」
『私に?何だろ』
頭を傾げている※※に、再び口を開く。考えている姿さえ可愛い。
「先月、チョコくれたやろ。あれのお返し」
勿論、バレンタインの事である。
『そう言えば、今日って3月14日だった』
「忘れんなや。というわけで、これ……」
『えっ、何?』
俺は、リボンが付いた小さな袋を手渡す。途端に、目を丸くする※※。ぽかん、と口を開けている。そないに、驚かないかん事なのか?まぁ、確かに俺のキャラやないもんな。
「勘違いすんなよ!俺は別に、※※を好きなわけやないからな」
そう声を荒げる俺の顔は、多分めちゃくちゃ真っ赤だと思う。自分でも分かるくらい、顔が熱いからだ。
あーあ、またやっちまったな。告る気持ちで、今日を迎えたというのに。俺が素直になれる日は、いったいいつくるんやろ。とりあえず※※の笑顔が見れたから、良しとするか。