1 DKS a day !
色つき部分がお題
こちら よりお借りさせていただいてます!

★6/3
「どした?具合悪い?」「ううん」とても悲しいことがあったのだと、君に伝えられたら楽になるだろうか。「ごめんね、今日はもう帰ろうか」いつになく殊勝な顔で君が立ち上がるから、思わず服の裾を掴んだ。いつもはうるさいって言うくせに、こういう時だけ側にいてほしいだなんて、僕の身勝手な論理



★6/2
画面を開いて、また閉じる。「今日はごめん」たった六文字の言葉なのに、憎まれ口ばかり上手になった僕は、文字でだって素直に伝えられないみたいだ。(やっぱり明日直接言おうかな…)全部消して、また書いて。もやもやした心の中に積もり積もる、届かないたくさんの思いと、君へ宛てた未送信メール



★6/1
花束を抱えて振り向いた君は、僕を見てあからさまに顔をしかめた。「バイトお疲れ」「何の用だよ」「いや、花買いに」プレゼント用だと告げれば、不機嫌そうにガラスを開けて花を選んでくれる。「これでいい?」それでも差し出された花束はあまりに可憐で。君にあげるよって言うのはやっぱり次にしよう



★5/31
半分開いた窓からは初夏の風が吹き込み、君の黒髪を撫でる。数式を唱える教師の声に合わせて君の手はなめらかにノートの上を流れ、次々に計算を解いてゆく。斜め後ろの特等席からそんな景色を眺める僕のノートは真っ白で、数学なんてちっとも入ってこない頭で考えるのはただひたすら(こっちを向いて



★5/30
「あれ、これ暗証番号なんだっけ…」「1010」「へ?」「てめえが言ったんだろ、俺の誕生日だから覚えとけって」「そうだったっけ、覚えてないや」嘘だよ、ちゃんと覚えてます。でも君の口から聞きたかったんだもん。「忘れんなバカ」悪口だって何だかいとおしくて。覚えててくれて、ありがとう。



★5/29
じゃあねと手をあげた君に、思わず待ってと声をかけた。「何?」「いやあの…明日の小テスト範囲どこだっけ?」「だからメモっとけって」ため息をつきながらも君はノートを取り出してくれて。「14頁から20頁」ありがとうと言いながら、慌てて次の口実を探す。意気地のない僕のせめてもの時間稼ぎ



★5/28
「ブラックで飲めるとか大人だな」「お前の大人の定義小せぇな」「それだけじゃねえし」「何だよ」「た、例えば!土方くんとせっ」「お待たせ致しましたパフェでございます」でんと置かれた幼稚な食べ物と真っ赤な僕に、珍しく子供みたいに君が吹き出す。「わかった、続きは大人になったら聞いてやる」



★5/27
鳴り響くチャイムに同時に顔をあげる。もう最終下校か、と君が呟いた。「にしても本当良く続いてんな」「え?」「寝てばっかの坂田が毎日自習とか」 放課後の図書室はお気に入りだって、教えてくれたの誰だよ。「わかってないな」「何?」「そんなの」君とだから出来るんだよ、ってそろそろ察してよ。



★5/26
可愛いあの子に校舎裏に呼び出されてたときにも、模試の成績がクラスで一番だったときにも見たことがない。「もう一度言おっか?」「い、いい!」僕の放った言葉に耳をすこし赤くして、細くて長い指で口許を覆って。「と、お、し、ろ」「…っ」初めて見るそれはきっと、ひねくれた君の照れ隠しの仕草



★5/25
こんなに苦しくてこんなに切なくて、それでもきっと届かないって、必死で押し殺してきた感情。なのに、何にも知らないような顔で君が笑うから。「……ばか」「なんだよ」眩しい夏服、振り向いた横顔、驚いて跳ねる睫毛。言葉に出来ない想いごと、一回きりのキスで閉じ込めて。(全部全部、君のせい





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