京天
2013/04/12 00:02
甘い甘い甘いキャンディ。
やたらと可愛い包み紙からして、甘ったるいに違いない。
しかも、よりによって
(イチゴ味……)
手の中の小さな飴を訝しげに見つめながらひとつ溜め息を吐く。
すると、さっきまで神童先輩と話し込んでいた天馬がトコトコと俺に近づいてきた。
「剣城、どうしたの?今日の練習そんなにキツかった?」
「・・・違う、そうじゃない。コレだ」
「あっ、キャンディ!剣城がお菓子持ってるなんて珍しいね」
「さっき狩屋に押し付けられた。いらないからやる」
「えっ、」
そんな会話をしてる内、やっと着替え終わった神童先輩とそれを待っていた霧野先輩が「お疲れさま」と言って横を通り抜けていく。
そんな二人に「お疲れ様でした」と同じように返し、何気なく見送りながらまだユニフォーム姿の天馬に早く着替えるように急かす。狩屋や影山、西園を含め他のメンバーは全員帰宅した為、今サッカー棟に居るのは俺たちだけだ。
「ねぇ、本当に貰っていいの?」
「ああ。とりあえず着替えろよ」
「わぁい!俺ちょうどお腹空いてたんだよねー。いただきますっ!」
「おい、」
先に着替えろって言ってるだろ。
にも関わらず、天馬は早速包み紙を剥がし中から現れたやたらと赤い飴玉を口の中に放り込む。色から判断するにどうやらイチゴミルクのような味ではなく、どちらかといえばカキ氷のイチゴシロップに近い味らしい。まぁ、どっちにしても甘ったるい事には変わり無いが。
「・・・・・・美味いか?」
「うんっ、おいひいよ?」
「ちゃんと喋れよ」
「むいひうなよー」
「じゃあ黙って着替えろ」
「えー」
とは言え、天馬がこちらを見上げて何かを言うたびにチラチラと口の中から覗く赤い球体が気になって仕方ない。
胸焼けしそうなほどに甘ったるいのは分かってる。包み紙からしても、味からしても、俺に似合わないのはよく分かってる。だけど、
「・・・・・・やっぱり一口寄こせ」
「へっ?」
疲れたときには甘いもの、ってよく兄さんも言ってるし、天馬の咥内に広がるイチゴの香りと甘さは思ってたよりもずっと美味かった。
(不意打ち×××)
(たまにはそんな気分)
(溶けてしまいそう)
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わー、京介やらしー((棒読み
昨日買ったチョコレートと飴の詰め合わせが美味しかったのでつい^^;
桜兎的にイチゴ味のキャンディは当たり外れが大きい気がします((どうでもいい
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